ヨガが確実に上達する!体幹を効果的に鍛える方法

ヨガが確実に上達する!体幹を効果的に鍛える方法
AMANDA FRIEDMAN

コア(体幹)の真の力を発揮したいなら、腹筋を鍛えよう。プランクをやることで、長年避けてきた練習だ。腹筋はより強いコアと安定したヨガ練習には欠かせない。この練習をマスターすれば、どのポーズでも腹筋をしっかりと使えるようになり、憧れのコアに近づけるだろう。今回は、コアに働きかける「腹筋ヨガ」と「シークエンス」を紹介する。

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ヨギたちは強いコアがどれほど大事かをわかっている。身体面では、コアはバランスを保ったり、ポーズからポーズに移る際に筋肉をコントロールしたり、健康的な背骨を維持するのに役立っている。感情面でも、コアは間違いなく体で最も重要な位置を占めていると言える。霊的、道徳的な在り方が反映されるからだ。ヨガの練習が真我とつながるためであることを考えれば、コアの鍛錬がより強く自身と向き合うためのカギであることは明らかだ。
にもかかわらず、コアの鍛錬を急いで終わらせたり、嫌だけど仕方なく行っている場合が多い。ヨガクラスでもコアの練習は嫌われ者で、生徒たちからはため息がもれてくる! だが、視点を変えてみよう。意識的にコアを鍛えれば、すべての練習においてコアの筋肉をより効果的に使えるようになるのだ。たとえば、前屈では背中が丸まったり腰が伸びすぎないように背面の筋肉を動かしやすくなるし、後屈では体の限界を超えないように体の前面をコントロールしやすくなる。
長年ヨガを練習し、教えてきた中で学んだ最も重要なことの一つは、ポーズだけでなく、ポーズの中でどのように体を使うかも大事だということだ。次のページの腹筋ヨガで、まずは腹筋の使い方を身につけ、その後に紹介するシークエンスの各ポーズでその動きを実践してみよう。コアを強化できるだけでなく、各ポーズの効果を最大限に、そして安全に得られるようになるだろう。

まずはコアを構成する筋肉についての基礎知識からおさえよう。

体幹 コア 解剖図
図解:コアを構成する筋肉

腹直筋、腰筋、腹斜筋、腰方形筋、腹横筋の5つの筋肉でコアを構成している。

腹筋ヨガでコアの前面を鍛えよう

何年もの間、腹筋練習は正しく行われてこなかった。そう、前面のコア(体幹)しか鍛えていないのだ。だが、コアは胴全体を取り囲んでいる。だからプランクポーズは人気がある。コア全体に働きかけるからだ。とはいえ、前面のコア(具体的には腹横筋や腰筋)だけを独立して鍛えることも重要だ。特に後屈時に必要な筋肉となる。腹筋ヨガで、腹横筋や腰筋だけを意識的に使えるようになると、逆の動き(たとえば後屈)になっても、それらの筋肉をうまく使えるようになり、胸を引き上げたり、腰がどしんと落ちるのを避けることができる。
さっそく「カーペンター・クランチ」と呼ばれる腹筋ヨガをやってみよう。これは、私の先生で、SmartFLOW ヨガの考案者であるアニー・カーペンターにちなんで名付けられた。この4種類の動きは、体の前面を縮める(つまり脊椎を屈曲)することに焦点をあてており、その後に紹介する後屈のシークエンスで、より安全で快適に脊椎を伸ばせるようになる。シークエンスに入る前に、この4ステップの腹筋ヨガを10回繰り返そう。

STEP1.背骨をニュートラルな状態にする

体幹 ヨガ ニュートラル
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

仰向けになって両膝を曲げ、足を腰幅に開いて足裏を床にぴったりつける。息を吸いながら両腕を空に向かって伸ばし、吐きながら肋骨の下部をマットに押しつける。肋骨を押しつけたまま、頭の下で指を組む。

STEP2.背骨を屈曲させる

体幹 ヨガ 背骨
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

ステップ1の最後の姿勢から、息を吐いて上体を床から浮かせて体を丸める(肩から尾骨まで)。そのとき、おへそを床のほうに押しつけて、肋骨の下部を恥骨に向かって近づけるようにする。この動作で背骨が屈曲する。

STEP3.両脚を伸ばす

体幹 ヨガ 
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

ステップ2の最後の姿勢から、息を吸いながら両脚を斜め上に伸ばし、床から45度の角度で保つ(床に近づくほど、強度が上がる)。脚を安定させて膝頭を引き上げ、足先まで伸ばす。腰に違和感があれば、両膝を曲げるか、片方の脚ずつ行う。

STEP4.さらに背骨を丸める

体幹 ヨガ
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

息を吐いて、両膝を曲げて足裏を地面に下ろす。息を吐き切るときに、背中をさらにぐっと丸め、腰部を平らに地面に押しつける。ステップ1に戻る。

シークエンスで後ろ側のコアを鍛えよう

前面のコアをしっかり感じたところで、いよいよ後屈をやってみよう。腰椎を保護する筋肉を意識的に使うことで、より安全に練習できるはずだ。
まずは四つん這いになって猫と牛のポーズを数回行う。息を吸いながら、肩甲骨の下を体の前面に向かって押し出すようにして、胸を開く。息を吐きながら、手は床を押して、おへそを背骨に向かって引き込む。この背骨の伸展と屈曲を行いながら、腹筋ヨガで恥骨と胸骨を近づけた感覚を思い出そう。次はプランクポーズに入る。四つん這いから、腕を伸ばして手首の真上に肩がくるようにする。両脚を後ろに引いて膝を伸ばし、肩からかかとまで真っすぐになるようにする。恥骨を胸骨のほうに近づけながら、太腿上部を引き上げる。

STEP1.シャラバーサナC バッタのポーズC

体幹 ヨガ
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

うつ伏せになり、骨盤の両端と恥骨をマットにしっかりと押しつけて、ポーズの土台をつくる。ここから、腰から足までを真っすぐに伸ばして、足の甲で床を押し、太腿の内側を空に向けるようにしながら、尾骨をかかとのほうに伸ばす。両腕を後ろに伸ばして指を組み、できるだけ足の方に近づけるようにしながら、胸と足を床から浮かせる。ホールドして少なくとも8回呼吸。

STEP2.パリブルッタウトゥカターサナ ねじった椅子のポーズ

体幹 ヨガ
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)から、両足を前に歩かせて、ターダーサナ(山のポーズ)に入る。息を吸いながら両腕を頭上に伸ばし、かかとに体重をかける。太腿を下げてお尻を後ろに引いていき、ウトゥカターサナ(椅子のポーズ)に入る。両手をアンジャリムドラで合わせ、息を吸いながら背骨を長く伸ばす。息を吐きながら、左の肘を右の太腿の外側にかける。両足に均等に体重をのせたまま、左の太腿を後ろに引くようにして、右脚でさらに深く座る。恥骨を胸骨に向かって引き上げながら、太腿の内側をマットのほうに向ける。ホールドして5回呼吸し、反対側でも繰り返す。

STEP3.アンジャネーヤーサナ ローランジのバリエーション

体幹 ヨガ 鍛える
(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

山のポーズから左足を後ろに引いて、膝を床につける。膝はかかとの真上におき、前の脚と後ろの脚でしっかりと床を押しながら、左の太腿の内側を後ろに向ける。尾骨を床のほうに近づけて、下腹部を骨盤から離すように引き上げる。両手を頭上に伸ばしながら、胸骨の下部を恥骨に近づける。ホールドして5回呼吸。ついていた膝を床から浮かせて、三日月のランジに入り、再び同じ動きを行う。ホールドして5回呼吸をしたらダウンドッグに戻り、反対側でも繰り返す。

STEP4.ウシュトラーサナ ラクダのポーズ

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(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

膝立ちになって両膝を腰幅に開いたら、すねの上部を床に押しつける。太腿の内側を後ろに向け、尾骨を膝裏のほうに近づける。両手を腰の両脇において、骨盤を腰から離すように押し下げる。息を吸いながら肩甲骨を前方に押し出して胸を引き上げる。吐きながら背面の肋骨を腰から遠ざけるように引き上げる。胸骨が空に向いたら、両手を後ろに伸ばして足をつかみ、ホールドして5回呼吸。ここで、腹筋ヨガで行った動きを思い出そう。ポーズから出るときは、すねで床を押して、胸を空に引き上げてから、かかとの上に腰を下ろす。胸の上に両手をおいて、呼吸に意識を向ける。

STEP5.ナーヴァーサナ 舟のポーズ

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ダンダーサナ(杖のポーズ)から始める。両脚を前方に伸ばして座り、背骨が自然に伸びるように調整する。両膝を曲げて太腿の裏に両手を入れ、坐骨だけで座るようにする。大腿四頭筋を手に押しつけながら、上体を後ろに倒し、両腕を真っすぐに伸ばす。肩甲骨を胸に向かって押し出し、鎖骨を高く引き上げる。膝を曲げたまま、すねを床と平行になるまで上げ、両腕は肩幅に開いたまま前に伸ばす。両脚を真っすぐに伸ばしたら、ホールドして5回呼吸。

STEP6.プールヴォッターナーサナ 東側を強く伸ばすポーズ

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杖のポーズから、両手を後ろに15㎝ほど歩かせて、両腕を伸ばして床を押す。両膝を曲げ、足裏を地面につけて腰幅に開く。息を吸いながら背骨と腰を床から浮かせ、テーブルのポーズに。足先を正面に向けたまま、足裏の四隅で床を押し、太腿の内側を床のほうに向ける。骨盤の前面の両端をおへそのほうに近づける。尾骨を膝裏に向かって伸ばしたら、腰を下ろして一呼吸をする。再び膝を曲げて、同じ動作を繰り返すが、今度は両脚を真っすぐに伸ばす(東側を強く伸ばすポーズ)。各ポーズでホールドして5回呼吸し、3~5回ずつ繰り返す。

STEP7.マリーチャーサナ Ⅲ 賢者マリーチのポーズ

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(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

杖のポーズから、右脚を曲げて、右足を右の坐骨にできるだけ近づける。左脚は真っすぐに伸ばしたまま、太腿の上部を床に押しつける。息を吸いながら左腕を空に向かって伸ばし、吐きながら左腕を右膝の外側にかける。息を吸って、背骨を坐骨から離すように伸ばして頭頂部まで引き上げる。息を吐きながら右手を後ろに伸ばし、指先か手のひらを床につける。息を吸いながら背骨全体をすべて引き上げ、吐きながらさらにねじる。ホールドして8回呼吸。反対側でも繰り返す。

STEP8.パスチモッターナーサナ 座位の前屈

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(Photo by AMANDA FRIEDMAN)

杖のポーズから両腕を空に向かって伸ばす。腕を耳の横に沿わせたまま、腰から上体を前に半分ぐらい倒す。太腿上部を床に押しつけ、おへそを背骨に向かって引き上げる。さらに腰から上体を前に倒して、できるだけ背骨を前に長く伸ばし、両手で足裏をつかむ(ハムストリングが硬い人はストラップを使う)。ハムストリングや腰に痛みを感じたら、仰向けになって両脚を空に向かって伸ばし、足にストラップをかける。どちらのバリエーションでも、腰が自然に反るようにする。ホールドして8回呼吸。

シークエンスを終えるときは、仰向けになって、体を両側にねじってからシャヴァーサナ(亡骸のポーズ)を5分以上行う。

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by TIFFANY RUSSOModel by Tiffany Russo
Styling by Ashley Turner/Hazen & Pine
Hair&make-up by Michelle Hodnett
Illustrations by Michele Graham
Translated by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版2017年8/9号掲載

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