緊張を知ると安眠に近づく?「筋弛緩法」とは【ヨガと睡眠#14】
緊張を使ってリラックスへ導く「筋弛緩法」とは
【筋弛緩法】とは、身体の各パーツの筋肉を意識的に緊張させたあと、脱力をすることでリラックスへ導く方法です。ヨガニードラやシャバアーサナの導入で用いられることも多いので、ヨガクラスで行ったことがある方もいるかも知れません。身体の緊張がほぐれ、精神的にも自然とリラックスすることができるので、眠れない夜にオススメです。緊張が常に強いと感じている方は、繰り返し練習することでご自分の緊張に気が付きやすくなります。眠る前だけでなく、日中に気分を切り替えたい時や、リラックスしたい時にも行うと良いでしょう。
姿勢
椅子に腰かけるか、仰向けになった状態で行います。可能であれば、締め付けの少ないリラックスできる服装で行いましょう。
流れ
各パーツの筋肉を、10秒間力を入れて緊張させ、15~20秒間脱力・弛緩します。時間がなければもう少し短い時間でもOKです。
心がけたいこと
力を入れたとき=緊張状態と、緩めたとき=弛緩状態の筋肉の感覚の違いをよく観察しましょう。二つの感覚を認識し味わうことで、目的である『リラックス状態』を身体に覚え込ませていきます。
筋弛緩法を実践してみましょう!
各部位にぎゅーっと力を入れた後、だらっと脱力します。
①両手
手の平を上にして両腕を伸ばし、手のひらをギュッと握る(10秒間緊張)
→手のひらをゆっくりと広げ、手のひらから脱力(15~20秒間)
②両腕
げんこつを作り、脇を締めて両腕にギュッと力を入れる(10秒間緊張)
→両腕から脱力(15~20秒間)
③肩
両肩をグッと上げ、耳まで近づけて力を入れる(10秒間緊張)
→ストンと肩を落とし脱力(15~20秒間)、耳と肩を離す。
④顔
目と口をギュッとつぶり、顔全体を顔の中心に集めるように力を入れる(10秒間緊張)
→ポカンと口を開けて脱力(15~20秒間)
⑤腹部
お腹に手を当て、お腹をへこませる。吐きながら更にお腹をへこませる(10秒間緊張)
→お腹を緩めて脱力(15~20秒間)
⑥両脚(かかと)
かかとを蹴り出し、両脚に力を入れる(10秒間緊張)
→脱力(15~20秒間)
⑦両脚(つま先)
つま先を伸ばし、両脚に力を入れる(10秒間緊張)
→脱力(15~20秒間)
⑧全身
これまでに緊張させたパーツ全ての筋肉に力を入れる(10秒間緊張)
→全身から深く脱力(15~20秒間)
緊張を知ること、リラックスを得ること。この二つを繰り返すことは、ヨガの練習を行う上でも役立つ感覚です。アーサナの練習のとき、緊張もリラックスも両方とも必要だからです。両方の感覚を味わいながら、ご自分の身体をじっくり観察してみて下さい。そして、リラックスが広がる感覚が掴めてきたら、自然と安眠にも近づいていけるでしょう。
ライター/井上敦子
ヨガ講師。15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆、アプリ監修(Relook)等ヨガニードラの普及に努めている。Instagram:@yoga_atsuko.inoue
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