緊張を知ると安眠に近づく?「筋弛緩法」とは【ヨガと睡眠#14】

 緊張を知ると安眠に近づく?「筋弛緩法」とは【ヨガと睡眠#14】
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井上敦子
井上敦子
2019-10-16

『なかなか寝付けない』『眠りが浅い』等、睡眠に関する悩みを抱えていませんか?日本では、一般成人の5人に1人が睡眠に関する悩みを抱えているといわれています。多くの人が抱える睡眠に関する悩み。ヨガの実践が、その睡眠の質を上げることは広く認知されている事実です。ここでは、ヨガ的観点から睡眠の質を向上させていく方法をご紹介していきます。

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安眠とリラックスへの道は「緊張を知る」ことから

質の良い睡眠を得るために必要な『リラックス』。そうとは知っていても、リラックスが難しい!という方も多いのではないでしょうか?私はいわゆる『リラックス系ヨガ』を伝えている講師ですが、『リラックスが苦手なのです…』という言葉をクラスでよく耳にします。パチンとスイッチを切り替えるようにリラックスする事ができたら、睡眠の悩みも解決するかも知れませんが、なかなかそう簡単に切り替えられるものでもありません。今回の【ヨガと睡眠】では、リラックスについて改めて考えながら、眠る前にリラックスモードにスイッチを切り替える方法をお伝えしていきます。

まず、基本的なことではありますが、『リラックス』はリラクゼーション=弛緩している状態を指します。身体や心がゆるゆると柔らかく、緩んでいる状態。そして、反対語はテンション=緊張です。

弛緩と緊張は、対極にある状態。ヨガの考え方では、このどちらをも否定することはありません。対極にあるものが、お互いを支え合う存在であると教えます。例えば、陰と陽。陰があるから陽の存在があり、互いの存在を認識することが出来ます。光が、影があることで認識できるのと同じように。同じく、リラックス=弛緩は緊張があるから認識でき、どちらも身体にとっては必要な状態です。リラックスを求める場合、ついつい緊張状態を否定したり敵視しがちですが、まずその概念から離れてみましょう。

そして、『リラックスしよう、力を抜こう』としている時、リラックスの方向ばかりを見ていませんか?リラックスしなきゃいけない、眠らなきゃいけない。そんな一方方向に向かう力みが、かえってリラックスや安眠から遠ざけてしまうこともあるのです。そんな時、対極にあるものに目を向けてみるのも一つの方法です。例えば、身体のどこに緊張があるのか探ってみる。緊張している部位をあえて丁寧に探してみることで、リラックスしている部位が見つかるかも知れません。リラックスが苦手な方は、まず、ご自分の緊張を認識することから始めてみましょう。そして、その緊張を使ってリラックスへ近づいてみましょう。実際に身体の筋肉は、一度力を入れて緊張させてから緩めると、さらに力が緩むようにできています。あえて緊張を強めことで、対極にあるリラックスを得ることができるのです。これから、その方法【筋弛緩法】をお伝えしていきますので、ぜひ実践してみて下さい。

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