「タダーサナ」がすべてのアーサナの基本!理学療法士が重視する理想的な「姿勢」とは?

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堀川ゆき
堀川ゆき
2019-08-29
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正しい「姿勢」をチェックしよう

さてここで、自分でできる簡単な姿勢のチェック法(矢状面)を紹介します。ペアの方がもしいればぜひ一緒にやってみてください。一人よりも客観的に見ることができるのでより良いです。

①鏡でチェック

まず、5つのポイント(耳垂・肩峰・大転子・膝関節前部・外果の前方)にシールを貼ってみましょう。相手に貼ってもらうのも良いです。シールは何でもOKです。それを目印にすると、この後のチェックがしやすくなります。

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5つのポイント(耳垂・肩峰・大転子・膝関節前部・外果の前方)にシールを貼ろう。貼るシールはなんでもOK。

そして、全身鏡の前で立ってみましょう。

写真のようにメジャーやヨガベルト、紐(ひも)などを使います。ちょうど重心線を通過するように、メジャーの下端は外くるぶしの少し前を通過する位置で踵で踏んづけて、肩の先端までメジャーをピンと伸ばしてチェックします。4つのポイントをきちんと通過するでしょうか?

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メジャーやヨガベルトなどを使ってチェックしてみよう。

ただし、一人で鏡でチェックする場合は鏡の方向に顔を向けるため、アライメント線が通る耳たぶの位置が必ず後方にズレてしまいます。ですので頭部のアライメントは除外した4つのポイントのチェックになってしまいます。このデスクワーク社会そしてスマホ時代、頭だけ前方偏移している姿勢の方が急増しているので、頭部のアライメントもチェックできる②③の方法か、ペアでチェックする方がおススメです。

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鏡を見るための頭部回転で耳重のポイントが後方にズレてしまう

②写真でチェック

写真を撮ってチェックする方法があります。

セルフタイマーか、相手に自分が立っている姿を写真に撮ってもらいましょう。その写真に線を引くのです。私が患者さんに姿勢を自覚してもらう時にもよく利用する方法ですが、iPhoneのマークアップ機能を利用します。撮った写真を開いて、「編集」→「・・・」→「マックアップ」→「+」→「↗︎」の順にタップすると、自分の写真に直接ラインを描き込むことができます。その機能がない場合は、写真に透明の定規を当てる方法でもチェックできます。

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スマホカメラのセルフタイマーを活用しよう

③壁でチェック

3つ目の姿勢チェックの方法は壁を使います。壁を使って正しい姿勢を感じてみましょう。両踵を壁から5cm程離して立ち、仙骨の辺り・肩甲骨の間・後頭部の3点を壁にくっつけます。この3点全てが壁に触れている状態が正常です。これ以外に壁にくっつく部位はありません。この時に、両肩の先端を無理矢理壁にくっつけようとする方がいますが、そうはしないでください。水平面のアライメントで説明した通り、肩甲骨は壁から約35度離れているのが自然です。

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壁にくっつけてチェックしよう

最後に

理想的な「姿勢」はお分りいただけましたか?姿勢はすべての日常動作や、スポーツなどの応用動作の基本となります。そして、理想的な姿勢とはヨガの「ターダーサナ」と同じであり、ターダーサナはすべてのヨガのアーサナの基本となるアーサナです。

急に今の姿勢を正そうとする必要はありません。むしろ今までの姿勢を突然変えようとすることで、身体のどこかに急に無理な負担がかかり、痛みなどが現れてしまう可能性もあります。
何十年もかけて培ってきた姿勢ですから、数ヶ月または何年かかけて修正していくつもりで良いと思います。そして、理想的な姿勢がとれると、重力の影響も最小限にして立つことができ、また姿勢を保持するために必要な筋活動やエネルギー消費が最小になるという特徴があります。

10年先、20年先の自分の健康のために、理想的な「姿勢」に少しずつ気付いていけるといいですね。

参考
中村尚人「ヨーガでゆがみを探して、調整するセルフ・メンテナンス・ワークブック」BABジャパン,2011
竹井仁「姿勢の教科書」ナツメ社,2015

ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200を取得。その後、健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200解剖学講師も務める。

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