【あなたは夜型?夜型の人はうつ病リスクが高い】という研究結果

 【あなたは夜型?夜型の人はうつ病リスクが高い】という研究結果
Adobe Stock
HIDEMI
HIDEMI
2025-04-20

質の悪い睡眠と過度の飲酒が、夜型の人々のうつ病発症の引き金となる可能性があることが新たな研究で示唆された。

広告

これまでの研究では、朝早く起きる「朝型」の人よりも、夜遅くまで起きている「夜型」の人の方がうつ症状が多いことが示されている。そして、イギリスのサリー大学による新しい研究において、また新たに、朝型の人に比べて、夜型の人の方が精神的に不健康になるリスクが高いという事実が明らかになった。

夜型の人のうつ病リスクが高い理由

この研究では、サリー大学の17歳から28歳までの546人の学生を対象に睡眠パターン、アルコール摂取、注意力、うつ病や不安のレベルに関する情報をアンケートで収集した。分析の結果、朝型の人と比較して、夜型の人はうつ病になるリスクが著しく高く、ネガティブな考えに囚われやすいことを発見した。

若い成人の多く(約50%)は夜型であり、若い成人のうつ病率はかつてないほど高まっています。」と、研究の著者であるサリー大学心理学部神経科学講師サイモン・エヴァンス博士は述べ、この調査結果の重要性を訴えた。エヴァンス博士らは、うつ病リスクが高まる理由として、夜型の人々は睡眠の質が悪いこと、アルコールの消費量が多いこと、そして朝型の人々と比べて、今この瞬間の感情や思考に意識を向けるマインドフルネスな状態の度合いが低いことを挙げている。

Adobe Stock
Adobe Stock

夜型の人のうつ病リスクを低減するために

この研究は、ある時点でのデータのみに頼るもので、夜型の人とうつ病リスクの因果関係の証明には限界があるものとなる。また、調査対象となった大学生以外の年齢層にはこの調査結果が当てはまらない可能性もある。しかし、これらの注意点を踏まえた上で、著者らは、特に若い成人において、マインドフルネス、睡眠、アルコールの使用に焦点を当てた対策が、うつ病のリスクを軽減する可能性がある、と結論づけている

私たちの研究では、ガイド付き瞑想やマインドフルネスの練習などのマインドフルネスを高める取り組み、睡眠の質の向上、アルコール摂取量の低減が、夜型の人々の精神衛生に良い影響を与えることが示されています。」とエヴァンス博士は述べ、これらの要素が若年成人の睡眠と精神衛生にどのような影響を与えるかを調べるため、スクリーンタイムやデジタル機器の利用時間なども含めたさらなる調査を計画しているという。

Adobe Stock
Adobe Stock

アメリカにあるジャージーショア大学医療センターの精神科研修医ネイサン・キャロル医師は、タブレット、スマートフォン、ストリーミングサービス、ソーシャルメディアが普及した「常にオンライン」の社会では、特に思春期と若年成人が夜更かししがちであると述べ、「意識的な行動」や、マインドフルネスの手法は、睡眠やうつ病の改善に役立つだけでなく、その他の併存するリスク要因の改善にも役立つと賛同する。うつ病は仕事のパフォーマンスの低下、生涯収入の減少、生活の質の低下、さらには寿命の短縮につながる可能性もあり、生涯にわたって深刻な影響をもたらすことは周知の事実であるため、うつ病の進行を若いうちに抑制できることは望ましいことだとキャロル医師は述べる。

出典

https://www.surrey.ac.uk/news/why-are-night-owls-greater-risk-depression

https://www.bbc.com/news/articles/c4g7yel31r1o

https://www.medicalnewstoday.com/articles/why-night-owls-have-higher-risk-depression-than-early-risers

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

Adobe Stock
Adobe Stock