【休み明けに誰にも会いたくない…】心を軽くし「お正月うつ」から回復するための対処法
ビジネスマンとして多忙を極めていた頃、無理が重なりうつ病と診断された経験を持つ、40代ヨガ講師・吉本憲太郎さんによる連載。ヨガに出合い、本来の自分を取り戻した経験から、心の痛みに寄り添える吉本さんの視点で、働く世代の心が軽くなる物の見方、考え方をアドバイス。実体験をもとに効果を感じた、体から心にアプローチする「お悩み解消ワーク」も紹介します。
一人の時間は「主観的な見方」を助長させる可能性が
――十分リフレッシュしたはずなのに、正月休み明けに「人に会いたくない」気持ちが増すのはどうしてだと思いますか?
「一人でいる時間が長いと、主観で物事を見やすくなるからだと思います。会いたくないと思う相手が、あなたに良かれと思い厳しく言ったことを『嫌われている』と主観的に捉え、それを思い返すと会いたくなくなる。そうした思い込みは一人の時間があればあるほどわき上がり、被害者意識も増して会いたくないという気持ちが強くなるのだと思います」
――「人に会いたくない」と聞くと不特定多数の人のように思いますが、吉本さんの話を聞くと「特定の人に会いたくない」可能性が高そうですね。
「まさにそうです。特定の人物像が思い浮かんでいて、その人を筆頭に一層のこと不特定多数の人に会うのが億劫になるケースは少なくないと思います。記憶から呼び起される会いたくない人物がいる場合、その人に関わる記憶に頼らない状態を作るのが望ましいので、新しい記憶を頭の中に根づかせるのが得策だと感じます」
一人行動で世界を広げ、新たなつながりを作り記憶の上書きを
――ネガティブを引き起こす過去の記憶にとらわれないように、記憶を上書きする良い方法はありますか?
「新しい記憶を頭の中に根づかせるには、今までやったことがない領域に一人で足を踏み込んでみてはどうですか。普段はあまり行かない、できれば自然を感じられる場所に行ってみるとよくて、たとえば男性なら花屋、女性はキャンプ用品店とか……。一人でキャンプに行くのはハードルが高い人もいるので、買わなくてもいいからキャンプ用品が揃う店に行ってまずはその世界に触れてみる。さらに踏み込めるなら、実際に自然を感じる場所に足を運んでみると世界がぐんと広がります。僕が初めて山登りにチャレンジしたときも一人でしたが、頂上で写真を撮っているとその姿を知らない誰かが撮ってくれて、『この写真、差し上げます』って言われて連絡先を交換しました。日常から離れて自然の中に行き、肩書や損得勘定が機能しないで済むつながりのおもしろさを経験してほしいです」
―― 一人イコール孤独というイメージがありましたが、一人行動だから広がる世界やつながりがあるのですね。
「そうですね。カメラのファインダーは二人で覗けない一人の世界だけど、『そのカメラ昔使っていたよ』なんて話しかけてくれる人がいて、多くの人とつながりたいと思って行動するのではなく、一人で行った先に自然発生的に生まれるコミュニティはとても心地良いものです。だから一人は孤独じゃないですよ。偶然触れた新しい領域が、会いたくない相手への思い込みや妄想を一掃し、頭の中をクリアにしてくれると思います」
一歩を踏み出す力を養う「脚力強化ワーク」
新たな一歩を踏み出し、一人でできる体験を増やすためにフィジカルの強さも磨きましょう。今回は歩くときに必要なお尻の筋肉を強化し、脚力をアップするワークにトライ。
脚力強化ワーク
目的と効果:片脚立ちでバランスを取りながら、お尻の筋肉を収縮させて強化し歩行時の蹴り出す力を高める。
1.脚を揃えて、レギンスの横のライン、肩関節、耳の穴が一直線になるように立つ。手は腰にあてて目線は正面。
2.左膝を腰の高さまで持ち上げ、つま先は床の方向に向ける。
3.体の軸がブレないように骨盤を正面に向けたまま、左膝を外に開く。
4.体幹と軸足でバランスを保ちながら、膝を腰より高い位置に持ち上げる。このとき左手で左側のお尻を触り筋肉の収縮を意識しながら行えるとベスト。
5.体のバランスを維持したまま、膝を腰より低い位置に下げる。このときも左手で左お尻を触り筋肉の収縮を意識しながら行って。10回繰り返し、反対側も同様に。
〈プロフィール〉吉本憲太郎さん
ヨガ指導者、「..with THE CLEAR YOGA」主宰。会社員を経て、自分が苦しんだ経験を含めヨガの魅力を伝えるべく、ヨガ指導者の道へ。熊本にオープンした自身のヨガスタジオでは、ビギナークラスからOMYOGA認定校として指導者養成講座(全米ヨガアライアンスRYT200)も開催。月に一度の屋外クラスでは、ドネーションを募り熊本の自然環境保護団体に寄付している。https://with-the-clear-yoga.jp/、Instagram:@kentarouyoshimoto
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く