【多忙で心が限界を迎える前に】眠りを邪魔する思考を手放し「朝起きられない…」を解消するヒント

 【多忙で心が限界を迎える前に】眠りを邪魔する思考を手放し「朝起きられない…」を解消するヒント
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ビジネスマンとして多忙を極めていた頃、無理が重なりうつ病と診断された経験を持つ、40代ヨガ講師・吉本憲太郎さんによる連載。ヨガに出合い、本来の自分を取り戻した経験から、心の痛みに寄り添える吉本さんの視点で、働く世代の心が軽くなる物の見方、考え方をアドバイス。実体験をもとに効果を感じた、体から心にアプローチする「お悩み解消ワーク」も紹介します。

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寝る前の考えごとが、良い寝覚めを妨げる!?

―吉本さん自身は、「寝てもすっきりしない」感覚に悩んだことはありますか?

「会社員時代がそうでした。やるべきことがエンドレスにあり、なんとか区切りをつけて3時間くらい寝て会社に行く。5時間寝ると、今日はすごく寝たなという感じでした。朝はいつも体がだるかったし、そうかといって休日に長く寝ても体は重たいまま。その繰り返しでした。よく眠れた、寝覚めがいい、という感覚を知らなかったし、朝はすっきり起きられないもの、と思っていましたね」

―起きたときに体が重だるいと、一日のパフォーマンスにも影響するので改善したいところ。寝覚めの悪さは、何が影響していると思いますか?

「すっきり起きられないのは、寝る前に頭をリセットできないのが一因だと思います。今日の失敗、明日の心配事に囚われたままだと頭が休まらず、眠りが浅くなりぐっすり寝た気がしない。だから、寝覚めが悪くなってしまう。思考や感情は、記憶に紐づいて浮かんできます。ネガティブ思考を手放せない人は、それを生み出している記憶がそもそも正しいかどうかをクリアにする必要があるのではないかと思います」

記憶
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ネガティブ思考の根っこ、”記憶”を探る簡単な方法とは

―記憶が思考や感情を左右しているとすれば、その記憶と向き合う必要がありますね。ヨガでは瞑想などを行いますが、ヨガをしていない人でもできる方法はありますか?

「もちろん、あります。物事には事実と真実が存在し、誰がどう考えても揺らがないのが事実、立場や視点など主観によって変わるのが真実。僕たちは大体、主観で物事を記憶し、事実じゃないことに悩まされている場合が多い。だから、事実と真実を見極めなくてはなりません。

それには、日記を書くことをおすすめします。まず、その日に起きたことを一気に書き出してみましょう。たとえば、上司がいつも自分にだけ厳しく接してきて、嫌われていると感じた、と書いてみる。次に『いつも厳しく接してくる、嫌われている』は主観であり、ほかの人が見たら『いつもではないし、厳しさは期待の表れと受け止められるかもしれない』と客観視してみるのです。主観で捉えた事実ではない記憶によって、ムカつき、不安、イライラが生まれているとわかれば手放せるし、『自分ばっかり』と思い込む思考の癖にも気づけます。日記は自分を俯瞰して見るためのツール。寝る前に書けば、人生最大のリカバリータイムである睡眠を充実したものにできるはず。次に紹介するワークも生活に取り入れてみてください」

ジャーナリング
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寝姿勢を安定させる「肩甲骨整えワーク」

普段の姿勢で肩が前に出ていると、仰向け寝になったとき肩が布団につかず寝姿勢が安定しません。そこで、肩甲骨の動きを良くして巻き肩を改善し、快眠に必要な精神的な安心を、体の安定によって高めていきます。

肩甲骨整えワーク

目的と効果:肩を横に開き、肩甲骨を立ち上げる。さらに、左右に揺らして硬くなった肩まわりをほぐし、寝姿勢を改善する。

〈やり方〉

1.四つん這いになり、肩の下に手首、股関節の下に膝をセットし、目線は真下。首がすくまないように、首と肩を引き離す。

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2.両肩を外側に開き、両手で床を押す力で肘を伸ばし、肩甲骨を立ち上げる。

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3.肩甲骨を立ち上げたまま、上半身を左右交互にスライドさせながら肩甲骨を動かす。このとき、肩がすくまないように意識し、痛みを感じない程度に行う。5回繰り返す。

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〈プロフィール〉

吉本憲太郎さん
ヨガ指導者、「..with THE CLEAR YOGA」主宰。会社員を経て、自分が苦しんだ経験を含めヨガの魅力を伝えるべく、ヨガ指導者の道へ。熊本にオープンした自身のヨガスタジオでは、ビギナークラスからOMYOGA認定校として指導者養成講座(全米ヨガアライアンスRYT200)も開催。月に一度の屋外クラスでは、ドネーションを募り熊本の自然環境保護団体に寄付している。https://with-the-clear-yoga.jp/、Instagram:@kentarouyoshimoto

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取材・文/北林あい

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