【アシュタンガヨガ セカンドシリーズ入門編】おおらかに取り組むアシュタンガヨガ

 【アシュタンガヨガ セカンドシリーズ入門編】おおらかに取り組むアシュタンガヨガ
Ty Milford

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!ヨガ講師のプラニディ・ヴァーシュレーは、従来のように完璧であることに重きを置かず、次の段階に移れるかどうかを別の方法で評価している。

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アシュタンガヨガは一般に、厳格に管理されていると認識されている。アシュタンガはヨガの流派のひとつで、一連のポーズを段階的に進めていき、ひとつのポーズまたはシリーズが一定の水準に達してはじめて次の段階に進むことができるようになっている。

アシュタンガヨガでは指導者の許可を待たずに次の段階に進むことができないことがあるため、権力的構造があるヨガとしても知られている。この種の上下関係は有害である。指導者と生徒の間で双方向に敬意が払われるのが理想である。
アシュタンガヨガの指導者のなかには決まった手順に厳密に従っている者もいるが、ほとんどの指導者がきまりごとを多少逸脱していると思う。ヨガを指導していればほぼ間違いなくあらゆる種類の体を目にしており、誰にでもできるようにヨガの練習を変えなければならないことを理解しているからだ。
私は運が良かった。私のヨガの先生、マンジュ・ジョイスは何の制限もなく私にポーズを与えてくれた。そして、私自身もそのように教えなければいけないと考えるようになった。

おかしな話だが、私はインド人であるために幼少期にヨガを始めたと思われることが多い。実際は、高校生の時にビデオテープを見ながらヨガを始めた。大学に進学して、あるスタジオでアシュタンガヨガのプライマリーシリーズのクラスに出会うまでは軽い気持ちでヨガを練習していた。だが、その出会いによってたちまちヨガに夢中になった。私はアシュタンガヨガのなかでも特にセカンドシリーズにそのような魅力があることを身をもって知った。その私がプライマリーシリーズを終えていない生徒たちからそのような機会を奪ってしまったら不公平だろう。あるポーズを練習していいとかしてはいけないとか指示するなんていったい私は何者だというのだ。生徒が決めればいいのだ。それは会話である。生徒には行動を支配する力が生徒の側にあることを感じてほしいと思っている。

生徒に次の段階に進めることを暗に示すかどうか判断するときには、どのように呼吸しているか、十分な体力があるか、熱心に取り組んでいるかを見たうえで、生徒本人に「自分ではどう感じますか」と質問することにしている。まだ準備ができていないと感じることもあるだろう。ひょっとしたら、その人は転職したばかりかもしれないし、子供が病気であるかもしれない。あるいは何かほかのことが起きていて、ヨガに専念できないのかもしれない。私は生徒たちが言いたいことを気楽に言えると感じてほしいし、段階を進んでいくことは共同作業であると感じてほしい。何が正しくて何が正しくないのか実際に自分の体で感じて学んでいかなければならない。生徒が必要としているのは、ほんのわずかな道案内だけである。

私はアシュタンガヨガの各シリーズに含まれているポーズは積み木のようなもので、一人ひとりの必要性に応じて自在に並べ替えることができると考えている。これは実に素晴らしいしくみで、多くの人に伝える価値のあるものだと思う。
私は自分の教え方を「伝統的な方法」だと思う。なぜなら、伝統的な方法はこれまでずっとそれぞれの生徒に合わせて形を変えてきたからだ。それが伝統というものだ。私たちに役立つものがあればそこに加えることができるし、役立たないものは取り除けばいい。

私が何よりも大事にしていることは、生徒に力を与えるように指導するということだ。そうすれば、クラスに参加できないときでも、その生徒は自分で練習することができる。生徒が指導者に依存しすぎた結果、指導者がいないとヨガができなくなってしまったら、その指導者は生徒を見捨てていることになる。ヨガの練習は究極的にはそれぞれの人の内側に存在するものである。

おおらかに取り組むアシュタンガヨガ
アシュタンガヨガは6つのシリーズから成り、段階的に構築していく。

アシュタンガヨガ セカンドシリーズ入門編

プラニディ・ヴァーシュレーは通常、プライマリーシリーズのポーズを「完成させていない」人にも、セカンドシリーズのポーズを教えている。また、ポーズをつくりやすいように修正して、生徒たちがそのポーズから得られる感覚を体験できるようにしている。ここで紹介するねじりと後屈のシークエンスを始める前に、太陽礼拝Aを数回と、立位のポーズとねじりのポーズをいくつか行っておこう。

アシュタンガヨガの各シリーズでは伝統的に、次のポーズに移る動きとしてヴィンヤサが行われる。

おおらかに取り組むアシュタンガヨガ
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おおらかに取り組むアシュタンガヨガ
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おおらかに取り組むアシュタンガヨガ
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パサーサナ(輪縄のポーズ)

立った姿勢で両足を揃え、脚をしっかり閉じて深くしゃがむ。かかとが浮いてしまう場合は、丸めたマットかラグの上にかかとをのせる。右腕を左脚の外側にもっていき、体を左側にしっかりねじる。右肩を下げ、右肘を曲げて右腕を両膝にかける。右手を右腰のほうに伸ばす。左手を背中側に伸ばして、右手で左手首か左手の指先をつかむ(手が届かなければ、ストラップなどを使ってそれをつかむか、胸の前で合掌する)。この姿勢で5~8回呼吸する。反対側も同様に行う。

おおらかに取り組むアシュタンガヨガ
パサーサナ(輪縄のポーズ)
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手が届かなければ、ストラップなどを使ってそれをつかむか、胸の前で合掌する
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クラウンチャーサナ(青鷺のポーズ)

床に座って脚を前に伸ばす。右膝を曲げて、右足の甲を右腰の外側に下ろす。左脚を引き上げて真っすぐ伸ばし、左足の両側をつかむ(手が届かなければ、ストラップなどを使う)。左脚を楽に伸ばしていられる場合は、股関節から体を前傾させていき、胸を太腿に近づける。この姿勢で5~8回呼吸する。反対側も同様に行う。

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クラウンチャーサナ(青鷺のポーズ)
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as told to Renee Marie Schettler
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translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.83掲載

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