急な気温の変化についていけない…そんな気象病による自律神経乱れを改善「耳と首のヨガ」【医師監修】

 急な気温の変化についていけない…そんな気象病による自律神経乱れを改善「耳と首のヨガ」【医師監修】
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Masako Janeway
Masako Janeway
2022-12-04

急な気温の変化にカラダがついていけずに風邪をひいてしまったり、雨の日は何だか調子が良くない。という経験はありませんか?急な気温や気圧の変化がわたしたちのカラダにどう影響するのか?そしてその対策として誰でも簡単にできる「耳と首のヨガ」をご紹介します。

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気象病ってご存じですか?

「急に寒くなって風邪をひいてしまった」または「雨の日は頭痛に悩まされる」そんな悩みを抱えている方はは意外といらっしゃるのではないでしょうか?このような気圧、気温、湿度の急激な変化により引き起こされる身体的や精神的な不調のことを気象病と呼びます。病院に行くほどでもないような軽いレベルから日常生活に支障があるほどの辛い症状など様々なものがありますが、具体的にはめまい、吐き気、肩こり、頭痛、関節痛、古傷の痛みやうずき、イライラなどの情緒不安定な状態などがあります。

体調の悪い女性のイメージ写真
Photo AC

体内環境を一定に保つホメオスタシス

私たちのカラダは外界が変化したとしても体内環境は(体温や血液量や血液成分など)ほぼ一定に保たれる能力=ホメオスタシスがあります。例えば、暑い場所に居ると体温も上がりますが、次第に汗をかいて体温を下げようとカラダが反応するのはホメオスタシスの働きです。また気温に限らず、気圧や湿度、日照時間の変化にもこのホメオスタシスがあることで私たちのカラダは通常運転出来るのですが、このホメオスタシスが正常に働くには、実は私たちの自律神経が24時間休むことなくしっかりと外界の変化に応じ、交感神経と副交感神経の微調整をしながらバランスをとっていることが条件になるのです。

自律神経イメージイラスト
イラストAC

自律神経が変化に対応できなくなる時

自律神経が正常に働いていれば問題ないのですが、やはり急な気温や気圧などの変化が頻繁に起こったりすることで自律神経も対応しきれなくなってくるのです。交感神経が過剰に働くと痛みは増強されてしますし、副交感神経が過剰に働くとダルさやめまいを感じたり、アレルギー症状が悪化することもあります。季節の変わり目に不調を訴える方が多いのもそういった理由からです。更には気温や気圧の変化と身のまわりの環境の変化やストレス、またはカラダが変化する時期などと重なることで余計に自律神経のバランスが乱れやすくなる可能性が高く、気温が安定しない時期の転職や引っ越しだったり、女性は生理周期や妊娠や出産、更年期と重なる場合は特に気をつけたいですね。

気象病に耳と首のケアが大切な理由

耳の奥の方にある内耳という場所で気圧の変化を感知し脳へ信号を送ることで自律神経が対応するのです。しかし、耳や首まわりの血流がスムーズでなかったり、むくんでいたりすると内耳の機能が低下し、気圧を感知しにくくなったり、または過剰に反応してしまったりすることがあるのです。

内耳イメージイラスト
イラストAC

そして、首には脳に血液を送る太い血管があり、筋肉や大切な神経も複雑に配置しています。特に首の上部は神経の中枢センターである脳の一部と言っても過言ではないほど神経や血管が集中しているため首のコリは自律神経に悪影響を与える可能性があります。

このような理由から耳と首のヨガは自律神経を整え、気象病を改善する効果が期待できるのです。

耳と首のヨガ

楽に座り呼吸を止めずに、そして心地良く感じる程度の強さで行いましょう。

①まずは耳の上部を指でつまみ真上に引き上げ8秒、同様に耳たぶを真下に引き下げ8秒、最後に耳の真ん中辺りを真横へ引っ張り8秒とそれぞれキープします。

まずは耳の上部を指で摘み真上に引き上げ8秒、同様に耳たぶを真下に引き下げ8秒、最後に耳の真ん中辺りを摘み真横へ引っ張り8秒とそれぞれキープします。
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②人差し指と中指の間で耳を挟みます。耳全体を小さな円を描くように優しく両手で動かします。前まわり5回後ろまわり5回ずつ行います。

耳マッサージ
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③両手を首にサポートするように当てます。首の後ろを指で軽く圧迫しながらゆっくりと左右3回ずつ首を回します。この時、奥歯を噛み締めずに顎や肩をリラックスしながら行います。

両手を首にサポートするように当てます。首の後ろを指で軽く圧迫しながら首を軽く左右3回ずつ回します。この時、歯を食いしばらずに顎をリラックスしながら行います。
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④最後に胸の上部へ両手を当て、そこをやや下へ押さえるようにしながら、顎を斜め上に挙げて首の前を伸ばします。そのままゆったり3回呼吸します。この時、両肩を肩甲骨から引き下げるようにして首全体を長く保ちましょう。

胸の上部へ両手を当て、そこをやや下へ押さえるようにしながら、顎を斜め上に挙げて首の前を伸ばします。そのままゆったり3回呼吸します。この時、両肩を肩甲骨から引き下げるようにして首全体を長く保ちましょう。
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監修医師/佐藤瑠美先生
内科医として朝倉医師会病院に勤務。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、感染症専門医、感染症指導医、呼吸器専門医、呼吸器指導医、アレルギー専門医、化学療法認定医、化学療法指導医、抗酸菌症認定医、抗酸菌症指導医、インフェクションコントロールドクター、肺がんCT検診認定医

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Masako Janeway

Masako Janeway

ハワイ島在住のヨガ講師 / パーソナルトレーナー / 空手家。2017年に東京からハワイ島へ移住し、ハワイの文化を学びながら人と地球にやさしい暮らしを実践中。大自然溢れるハワイ島からオンラインを通じてヨガ、瞑想、ボディコンディショニングなどのセッションを世界中の方へ提供中。フィットネスとヨガ通算指導歴は30年以上。



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両手を首にサポートするように当てます。首の後ろを指で軽く圧迫しながら首を軽く左右3回ずつ回します。この時、歯を食いしばらずに顎をリラックスしながら行います。
胸の上部へ両手を当て、そこをやや下へ押さえるようにしながら、顎を斜め上に挙げて首の前を伸ばします。そのままゆったり3回呼吸します。この時、両肩を肩甲骨から引き下げるようにして首全体を長く保ちましょう。