オートミールはアミノ酸スコア100植物性たんぱく質の宝庫!管理栄養士が解説「朝がベスト」な理由

 オートミールはアミノ酸スコア100植物性たんぱく質の宝庫!管理栄養士が解説「朝がベスト」な理由
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松田 真紀
松田 真紀
2022-05-04

今や美容や健康的なダイエットフードとして定着したオートミール。主原料のオーツ麦は食物繊維が豊富なことは知られていますよね。実はそれだけではありません。オーツ麦はダイエットに必須な植物性たんぱく質が白米、玄米などの2倍も含まれています。しかも量だけでなくアミノ酸スコア100と大豆並で質もトップクラス。筋力アップにも重要な植物性たんぱく質が取れる貴重な食材。まだまだ知らなかったメリットもあるのでは?あらためて「オーツ麦」のパワーを見直してみましょう!

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オートミールは、たんぱく質不足の「withコロナ時代の朝ごはん」の救世主

「おうちごはん」の頻度が増えたwithコロナの新時代。ゆっくり食事を摂れているかというと、実は別問題。

以前よりも朝食や昼食を食べるようになったという人は増えているかもしれません。しかし、その内容が問題。主食・主菜・副菜とバランスよく食べる機会は減っている。つまり「パンだけ」「おにぎりだけ」といった「単品食べ」が増えている傾向がみられます。農林水産省が行った調査によると「栄養を考えた際に望ましいと考えられている食事」を「ほぼ毎日、1日2回以上摂取できている」割合は、コロナ前の2019年の56%からコロナ時代の2020年には35.4%に減少しています。

特に、現代の日本人は、朝食のたんぱく質が不足しがち。そこで、おすすめしたいのが近年ブレイクした「オートミール」なのです。

オートミールなら、主食で「良質なたんぱく質」をチャージ!

「アミノ酸スコア100」質は大豆並。1食30gで、絹ごし豆腐1/3丁分

オートミールの原材料「オーツ麦」は穀類の王様。その理由は、穀類でありながら「たんぱく質」が豊富なこと。その量は、白米と比較して豊富と言われる玄米や押し麦の2倍以上と群を抜いており、100gあたり13.7g。1食30gとすると、4〜5gは摂取できます。これは、良質なたんぱく源として知られる絹ごし豆腐100g(3分の1丁)と同等量。卵1個でとれるたんぱく質は約6.2gですから、朝からおかずを用意できない!という時でも、オートミール単体で栄養バランスを整えてくれることがわかります。

アミノ酸スコア100!「畑の肉」大豆並トップクラスの植物性たんぱく質

オーツ麦のたんぱく質は量だけでなく、質もトップクラス。

タンパク質の栄養価を示す指標「アミノ酸スコア」。タンパク質を構成する体内で生成することのできない9種類の必須アミノ酸の適正量に対し、どれくらい満たされているかでアミノ酸スコアは算出。100に近い数値であるほど理想的。アミノ酸スコア100のオーツ麦は非常に優秀なたんぱく質源と言えます。どのくらい優秀かというと「畑の肉」といわれる「大豆」と同等。

卵、肉類、牛乳など動物性たんぱく質は比較的アミノ酸スコアが100に近いものが多い反面、植物性たんぱく質は白米、玄米などのうるち米で65、大麦で64と比較的低くなっています。植物性たんぱく質の供給源としては非常に貴重な食材といえます。

ビタミンCと一緒に摂取すれば、たんぱく質吸収効率もアップ!

動物性タンパク質に比べて植物性タンパク質は吸収や筋肉合成に時間がかかるといわれていますが、ビタミンCを一緒に摂取することで効率アップが可能。その点、アレンジ自在のオートミールは、野菜や果物との相性抜群。手軽にヨーグルトに果物やドライフルーツを加えるだけOK。甘くないアレンジなら、トマトリゾット、和風のお茶漬けならネギや海苔をたっぷり。キャベツたっぷりのオートミールお好み焼きもGOOD!

オートミールを食べると「何となく調子が良い」理由

「発酵性食物繊維」「たんぱく質」「鉄分」の三位一体で「体が整う」

オートミールがこれだけリピされるには理由があります。もちろん「ダイエットが成功した」「腸の調子が良くなった」という声も多いですが、「何となく体調が良い」という実感も多いはず。これが栄養バランスのパワーです。特に1日のコンデションを決める朝食に、食後血糖値の急上昇を抑制し、「発酵性食物繊維βーグルカン」、神経の興奮を抑える「たんぱく質」、疲労予防に必須の「鉄分」という、これまで日本人に不足しがちな栄養素を補うことで、体が本来の状態に整うからでしょう。これらは相乗効果があるので、どれか1つだけを摂取する場合よりもそれぞれの効果がアップします。

「朝たんぱく」は「金」。朝ならではの5つのメリット

さらに、3食の中でも特に、朝にたんぱく質を摂るとこんなにいいことが!

1・1日の代謝が上がる

2・メンタルを整え、イライラせず過ごせる

3・脳を活性化させる

4・その日の睡眠の質を向上する

5・免疫力を維持する

たんぱく質の一度の消費には許容量があります。一度に大量に摂取しても尿の中に排出されます。腎臓にも無駄な負担をかけることになってしまい内臓疲労から慢性的な不調や老化につながります。特に夜は使いきれず、内臓脂肪として蓄積されます。「夜、鶏胸肉を大量に食べて、朝はパンだけ」なんてことはありませんか?同じ量を摂取できていても、タイミングを見直すだけで1日の疲れが軽減されることもあります。

オートミールが面倒という人は「糖質低めグラノーラ」でもOK

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オートミールが面倒という人は「糖質低めグラノーラ」でもOK
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甘さがないオートミール。慣れていない場合は、「美味しく食べられない!」という方も意外と多いはず。

そういう場合は「糖質が低め」のグラノーラからはじめてもOK。その場合は、極力砂糖が加えていないドライフルーツや大豆などの豆類が入っているものがおすすめ。これらは発酵性食物繊維を含みます。他の発酵性食物繊維と組み合わせることで、オーツ麦に含まれる発酵性食物繊維「βーグルカン」は善玉菌が効果的に活用されるからです。

毎朝のことだから、ハードルは上げず、まずは自分が習慣化できる方法を見つけてみてください。

ハッピーな1日を!

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AUTHOR

松田 真紀

松田 真紀

1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。



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