【股関節の動きが劇的に変わる】カギは胸郭!脊柱を整えて股関節の可動域を引き出す練習法
「股関節の動きと胸郭の動きは、実は関連しています」と長谷川和恵先生。一見遠そうな胸からのアプローチで、股関節の動きを引き出す方法を教えていただきました。
胸を開けば脊柱が整い股関節の動きも出てくる
「二足歩行へ進化を遂げた人間。それを支える脊柱のS字カーブが保たれていれば、股関節はスムーズに動きます。でも、猫背や骨盤の前・後傾はそれを阻害してしまいます。体のくせをとり、脊柱のS字カーブを取り戻すためには、脊柱の両極にある骨盤と頭蓋骨の間に位置する胸郭を動かす、つまり、胸を開くことが大切なんです」と長谷川和恵先生。
胸を開くためには、まず重たい頭の位置が重要に。頭頂と骨盤を引っ張り合うことで自然と胸郭は起き上がり、脊柱は本来の長さを取り戻します。すると猫背が解消され、脊柱は自然とニュートラルな状態に。さらに胸と骨盤は下のイラストのように連動しているので骨盤の位置も整ってくる。その結果、股関節は本来の可動域で動けるのです。
「重力に対して背骨を引っ張る位置に頭をおき、胸を開く」。これを意識することで、股関節の動きは劇的に変わります。さっそく、胸からアプローチするワークにトライしてみましょう!
頭頂を引き上げ、胸が上向きになると⇒骨盤が立つ!
まずはプレワークで胸まわりをほぐそう
WORK1
背骨を丸めたり伸ばしたりしながら硬くなった胸まわりをほぐしていきます。ゆっくり呼吸しながら、徐々に胸を開いていきましょう。
HOW TO
①壁を背にして座り、前ならえの姿勢に。肘を引いて壁を押し、胸を高く押し上げる。首の後ろは長く保ったまま、呼吸を繰り返して。
②ボールを抱えるように腕を前へ。腰で壁を押しながら脊柱を丸める。おへそが腰を押し出し、頭頂と恥骨を結ぶ円を描くイメージ。何度か繰り返す。【各5呼吸】
WORK2
重力を利用して胸を開くワーク。肩を外旋させるので、肩が前に入っている人におすすめ。ゆっくりほぐれてくるのを待ちましょう。
HOW TO
①肘をつけた四つん這いになり、両手でブロックをはさむ。肩幅、肘幅をブロックの幅に揃える。
②膝を下げながら胸を落とす。両手は頭上。1分ほどかけて胸を開くと肩甲骨が下がり、骨盤も起きる。【1分】
胸からのアプローチで股関節屈曲をやりやすく!
ダウンドッグや前屈など股関節を曲げるポーズが苦手という人は、まず胸を開くことから始めてみましょう。胸を開いてからポーズに入ることで、ニュートラルな脊柱が保たれ、股関節の屈曲がしやすくなります。前屈がいつもより楽に、深くなるのを感じるはず!
壁を使ったダウンドッグ
脚裏とお尻を壁につけて股関節屈曲を深く
ダウンドッグは腰が丸まりやすいポーズ。腰が丸まると股関節の可動域が制限されてしまい、ますます行いにくくなります。壁を使ったダウンドッグでまず胸を開くことから始めて。
HOW TO
①かかとを壁につけてダウンドッグに。肩を下げて、胸の前を開く。
②手をカップハンズにして足のほうに歩かせ、下から順に脚裏を壁につけていく。
③かかとから腿裏までぴったり壁についたら、脊柱の伸びと胸の開きを意識して保つ。【5呼吸】
POINT
肩の力を抜き、手のほうに胸を開く意識を持つと、骨盤が起きて坐骨が壁につくくらい屈曲が深まる!首に詰まりを感じる人は、手の幅を広げてみて。
つらい人は…
腿裏がつらい人はブロックを利用。胸がしっかり開く高さに調節して。
こんなポーズで股関節の変化を感じよう
ウトゥカターサナ
ウトゥカターサナで手が上げにくかった人も、ワーク後に試すと胸を開くことで肩が下がり、手が上げやすい。脊柱も伸びて、屈曲が楽に。
教えてくれたのは…長谷川和恵先生
2001年ハワイ在住中にヨガと出会う。2004年に渡印。その後ヨガインストラクターに。現在、都内、神奈川県・横浜、湘南地区を中心にヨガ、ピラティスを指導。RYT200、PHI Pilates MAT、同PROPS認定資格保有。
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