心身を「tired(飽きる・疲れる)」な状態に【自然と眠くなるヨガ】
今までぐっすり眠れていたのに、最近になって睡眠に悩みを抱える人が増えています。ここでは眠りたいのに眠れないつらい状況を抜け出し、深い眠りにいざなうさまざまなヨガの実践法をご紹介します。
「tired」をつくり出すマインドフルネスヨガ
自然と眠くなるにはリセット・リフレッシュ・リラックスの目的順にポーズを行い、心身を「tired(飽きる・疲れる)」な状態にするのがポイント。心を静めるために、ポーズ中とポーズ後にボディスキャンをしっかり行いましょう。
リセット
一度まどろみから抜け出し眠りへの関心を断ち切る
まずは頭をシャキッとさせて考え事が浮かびやすいまどろんだ状態から抜け出すために、筋肉を引き締めるポーズを実践。意識は変化する体の感覚に向けて、モヤモヤをリセット。
①つま先立ちのポーズ
壁に向かって脚を腰幅に開いて立ち、両手を壁に。肩に力を入れず、手で体を支えられるように壁との距離をとる。
右脚を床から離し、頭頂を引き上げながら左かかとを床から離す。左足の5本指の付け根で床を踏む感覚と、ふくらはぎの筋肉の収縮を感じながら5呼吸。
脚を腰幅に開いて立ち、目を閉じる。ポーズ後のふくらはぎや足指の感覚を静かに観察し10呼吸。反対も。
②戦士のポーズ
両脚を大きく左右に開いて立ち、右足先を右に。脚幅は両足で踏み込める距離に調整する。
右膝を曲げて膝の下に足首をセット。床を踏む足裏と下半身の感覚に意識を向けて5呼吸。
脚を腰幅に開いて立ち、目を閉じる。ポーズ後のふくらはぎ、お尻、太腿の感覚を静かに観察し10呼吸。反対側も。
リフレッシュ
眠りの妨げとなる体の疲れを取り除く
次はデスクワークなどで硬くなりやすい肩まわりの僧帽筋、肩甲骨内側の菱形筋の疲労物質を絞り出すイメージで筋肉を収縮。内臓や腰まわりの疲れは、ねじりのポーズでリフレッシュ。
①押し上げのポーズ
安定した椅子に座り脚は腰幅に開き、背筋を伸ばす。手は胸の前で組む。
吸う息で両手を頭上へ。吐く息で手のひらを天井へ返し、肘を伸ばす。そのまま上体を左右に倒し、それぞれ5呼吸ずつキープ。
両手を腿におき、手のひらを上にして目を閉じる。 ポーズ後の体の感覚を静かに観察し、10呼吸。
②ツルのポーズ
安定した椅子に浅めに座り、脚は腰幅に開いて背筋を伸ばす。手は体の後ろで組む。
吸う息で胸を反らせ、目線は斜め上。首の力を抜いてあごは胸より前に出ないように。気持ちよく胸を開いて5呼吸。
両手を腿におき、手のひらを上にして目を閉じる。ポーズ後の感覚を観察し、5呼吸。
③ねじりのポーズ
椅子に座ったまま左脚を上にして脚を組む。右手で左膝を軽く押さえ、左肘は背もたれに。
吐く息でお腹をゆっくり左にねじる。次に肩甲骨から左胸を回転させ、最後に顔を後ろに向けて5呼吸。
正面に戻り、組んだ左脚を解放。ポーズ後の体の感覚を静かに観察し、5呼吸。
今度は右脚を上にして脚を組む。左手で右膝を押さえ右肘を背もたれにおく。
背筋を伸ばして下腹部を引き込み、吐く息でお腹→肩甲骨から右胸→首の順番でねじる。
正面に戻り、組んだ右脚を解放。ポーズ後の体の変化を観察しながら5呼吸。
リラックス
体の緊張をゆるめて深い眠りにいざなう
最後は体をゆるめて副交感神経を高め、眠りに導きます。ポーズ後に眠気がきたらシャヴァーサナになり、そのまま入眠。眠気を感じなければ楽な姿勢で座り、眠くなるまで全身のボディスキャンを。
①背中を伸ばすポーズ
膝を曲げて座り、脚は前屈して両脚の間に顔を預けられる幅に開く。つま先を持ち、背筋を伸ばす。
息を吐き、前屈。お腹と腿を密着させ肩を耳から離して首を垂らす。このまま10呼吸キープ。
体育座りになり、目を閉じる。ポーズ後のゆるんだ体を観察し、10呼吸。
②ワニのポーズ
仰向けになり、右膝を胸に引き寄せて両手で抱える。
左手で右膝を押さえながら吐く息で膝を左に倒す。右の肋骨を後ろに引くとねじりが深まる。腰とお尻の伸びを感じながら5呼吸。戻るときは胸→腰の順に。
両膝を胸に引き寄せ両手で抱え、腕の力を抜く。ポーズ後のゆるみを感じながら10呼吸。反対側も。
寝落ちしそうな人は…
シャヴァーサナになり、目を閉じて全身の感覚を静かに観察。そのまま眠りにつく。
ウトウトするまで…
眠くなければ楽な姿勢で座り、目を閉じてボディスキャンを続ける。眠くなるまで根気よく観察を続けて。
教えてくれたのは…綿本 彰先生
日本ヨーガ瞑想協会会長、世界各地でハタヨガ、ラージャヨガ、パワーヨガなどさまざまなヨガを学ぶ。現在はヨガや瞑想を指導。マインドフルネス瞑想や快眠ヨガを配信するYouTube「綿本彰オフィシャルチャンネル」も人気。
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