憂鬱な”月曜の朝”から一週間が変わる|禅寺の副住職が提唱する、難しくない新習慣「月曜瞑想」やり方
月曜の朝に5分でOKの月曜瞑想で心をリセット
――伊藤さんの著書「心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想」で提唱されていた基本のやり方でまず驚いたのは、すごく簡単なこと。瞑想のイメージが変わりました。
伊藤さん:習慣化しやすいことが念頭にあったので、とても簡単なやり方を基本としています。詳しくは著書を読んでいただきたく思いますが、まずは、部屋の環境を整えること。月曜の朝、カーテンを開けることから始めてください。テレビや音楽も消して、スマホもできれば電源をオフに。準備が整ったら、瞑想のスタートです。
(1)楽な姿勢で座る
(2)手首をぶらぶらする
(3)手を合わせて目を閉じる
(4)手を合わせたまま、呼吸に意識を向ける
(5)呼吸にあわせて「ひとーつ」「ふたーつ」という形で、数を1~10まで数える。
ここまで約5分。たった5分ですが、これが心をリセットして再起動する大切な時間となります。
――特にポイントとなる部分はどこでしょうか。
伊藤さん:まず一番革命的なのは、足を組まなくていい、背中をもたれてもいい。座り方が自由というところですね。「楽な姿勢で」と言われても、まだ何かルールがあるのでは?と思ってしまいがちですが、大事なのは感覚のスイッチを入れること。とにかく力を抜くことが大切です。
また、手を合わせるというのも宗教的な意味ではなく、両の手のひらが実感しあっているという感覚。自分で自分の身体を実感できる瞬間は、そんなに多くないと思うんです。手のひらを合わせることは、それを一番簡単に体験できるのかなと。そして、普段から続けている呼吸に気付くことですね。
瞑想で大切なのは減点方式で自分を見ないこと
――瞑想というと頭を空っぽに、何も考えないというイメージがありましたが、手のひらの温かさを感じるなど、自分の感覚で受け取るものを丁寧に体験すること、という気付きもありました。
伊藤さん:普段、どうしてもマルチタスクな状態になりがちなので、瞑想をしている間は感じるだけでいいんだ。ひとつのことをやるだけという心を持っていただきたいなとは思います。ですが、「できるだけ、ほかのことを考えない」というと、自分は意識がそれやすいからできないのでは、と思ってしまう人もいるかもしれません。でも、瞑想における一番大事なことは「減点方式で自分を見ないこと」なんです。
例えば、10数えているなかで「今日の晩御飯は何を食べようかな」と思ってしまうことって、よくある。でも、そのときに「自分は瞑想できてない。ほかのことを考えてしまった」と×を付けるんじゃなくて、「ご飯のことに意識がいったな。意識がそれたことに気付けた」というプラスポイントにする。瞑想における減点は一切ないと考えてください。
――気付けた自分を受け入れるという感じでしょうか。
伊藤さん:そうですね。究極の許し状態が瞑想なんです。意識が散漫になっていても、それを優しく見守るのが瞑想。自分はご飯のことが気になる人なんだなと、心理学でいうメタ認知みたいなものですね。自分を許してあげないと「こういう自分は嫌だ」とジャッジしてしまいますから。あとは、スマホから離れることも大切です。デジタルデトックスという言葉もありますが、スクリーンからの解放も瞑想を行う上で意識すべきことだと思います。
お話を伺ったのは…伊藤東凌さん
臨済宗建仁寺派 両足院副住職。 両足院で生まれ育ち、建仁寺境内にある専門道場にて3年間の修業を経て僧侶となる。 瞑想の魅力を世の中に広めるべく、企業でのセミナー実施、禅・瞑想アプリ「InTrip」の開発・制作、海外での瞑想指導などにも力を入れており、米国Facebook本社へ招かれるなど数多くの実績を持つ。著書に『心と頭が軽くなる 週はじめの新習慣 月曜瞑想』(アスコム)がある。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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