エビデンスを得て、日本の学校教育に「マインドフルネス」を届けたい|瞑想サロン・MELONの挑戦
大人だけでなく、子供たちにも「マインドフルネス」を
――日本の小学校に「マインドフルネス・プログラム」を導入するプロジェクトを開始されたそうですが、このプロジェクトが誕生した背景を教えてください。
橋本さん:MELONは大人向けに、このマインドフルネスのサービスを提供してきましたが、大人だけではなく、子どもたちにも届けられないか? とずっと考えてきました。
新型コロナウイルスの影響で、子どもたちの自死やうつ状態の訴えが急増しているのを目の当たりにし、小学生の子どもを持つ親としても胸を痛めています。変えることが難しいこの環境下の中で、子どもたちがストレスとの付き合いかたを学び、自ら対処していくスキルを学んでいくことが大切だと考えています。そこでMELONとしてできることは何か?と考え、弊社のマインドフルネス・プログラムを小学校へ無償提供し、プログラムの導入と効果測定をさせていただける小学校を募集することにしました。このプロジェクトで得られた研究結果をもとに、将来的に学校教育の中にマインドフルネス・プログラムを導入できるよう準備を進めていきたいと考えています。
――小学校へのマインドフルネスの無償提供を思いついたきっかけはあるのでしょうか?
橋本さん:知り合いから、とある公立小学校の校長先生を紹介してもらったことがきっかけです。様々な面白い取り組みしていらっしゃる方で、マインドフルネスにも関心を持ってくださり依頼を頂くことができたので、オンラインや対面を用いながら複数回マインドフルネスの授業を行いました。参加した子供たちからは、『すっきりした!』『気持ちいい!』という感想をもらうことができました。
他にもNPO団体で教員の働き方改革をしている方より、子どもたちはもちろんのこと、教員のセルフケアとして、マインドフルネスを取り入れるのも良いのでは?とご意見を頂きました。マインドフルネスが学校の先生たちにも良いだろうということは分かっていますが、先生たちは多忙で、すでにいろんなことに手いっぱいなので、負担なく実行できることって何だろう……と考えていました。そこで思いついたのが教室という場で子供たちと一緒にやってもらうこと。今考えているのが、1回10分以内の動画を2ヶ月間見ながら実践してもらうこと。アニメーションを使って、子供たちが見たくなるような、でもマインドフルネスの本質と実践を体験してもらえる、そんな動画になる予定です。
今回は動画でのプログラムということもあり、ある程度抽象的な言葉の表現が理解できる4年生から6年生のお子さんを対象に行う予定です。私自身、小学生の子供がいるので、小学生の子どもたちにどんな声がけがわかりやすいのか、どんな表現にするのかなど色々考えながらプログラムを作っています。
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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