こころの形はハートじゃない…?【小学生でもわかるヨガ哲学】今こそ「こころ」について考えてみよう

 こころの形はハートじゃない…?【小学生でもわかるヨガ哲学】今こそ「こころ」について考えてみよう
Adobe Stock
伊藤香奈
伊藤香奈
2021-01-15

ヨガはアーサナ(ポーズ)だけではなく、その裏側に哲学があるというのはなんとなく知っているけど、ヨガ哲学って何?という方も多いのでは?事実、ヨガをしている人やヨガインストラクターでさえ、哲学について語れる人は多くはないし、好き嫌い、興味のありなしもあります。「ヨガ哲学ってこんなもの」という最初の一歩を、小学生でもわかるくらいにかみ砕いて紐解いてみましょう。

広告

ヨガの効果と哲学

現代のヨガでは「美しくポーズをとること」や「ヨガによって痩せる・美しくなる」という側面がフォーカスされがちですが、ヨガを深めている方やヨガインストラクターにとっては、単に美容法や健康法といった枠には収まらない、もっと心に作用するものだと捉えられています。事実、ヨガフェスタ実行委員会が行った「ヨガ白書」というアンケート調査によると、ヨガを始めるきっかけは健康促進や運動不足解消といった体の変化が目的であった人が多数であるのに対し、ヨガを通して感じた効果は「ストレスがなくった」や「怒りっぽくなくなった」など、精神面での変化を感じる人が多いとのこと。もちろん、哲学的な背景や精神性を追い求めることが必須というわけではありませんが、ヨガを実践する中でこころの面で変化を感じると、おのずとヨガ哲学や心の在り方について興味が湧いていくものなのかもしれません。

「こころ」のカタチとは?ヨガ的に考えると「馬車」

ヨガの哲学では、こころと自分の関係について「馬車」に例えて伝えられています。登場するのはこの5つ。

1)5頭の馬 

2)馬を繋いでいる手綱

3)手綱を握っている騎手

4)馬車の本体

5)馬車の乗客

馬車のイメージ
馬車に5頭の馬が繋がれているのをイメージしてみよう

馬車を引っ張る5頭の馬は、5つの感覚器官から刺激を感じ取る心(感情)を表しています。例えば触覚をつかさどる馬が何かに叩かれたことによって痛みを感じる。これにより馬が怒りを覚えたり、それにより暴走しようとしても、騎手がしっかりと手綱を握って馬をコントロールすれば馬が暴走することは防げます。この手綱を意思、そして手綱を握っている騎手を知性と位置付けています。知性が正しく働き意思をもって感情をコントロールする。それにより、馬車本体=肉体や自身のエネルギーは安定して前に進むことができる、と考えているのです。

また、馬車が進む方向を決めているのは騎手ではなく、馬車に乗っている主人(乗客)。主人はいつでも心地よく馬車に乗り、安全に目的地に着くことを目的としています。そのために、騎手をしっかりと教育、育成していくことが大切。それにより騎手という知性が意思を使って感情という馬をしっかりとコントロールし、馬車という体を安定して動かし、人生の進む方向に迷うことなく進んでいきます。もう1つ大切なことは、ここでいう主人は心や体ではなく本当の自分=真我と呼ばれています。私という存在は、心や体、また感情や意思とは別物と捉えるというのがヨガの教えの1つです。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

馬車のイメージ