全米ヨガアライアンスの新たなライバル?「Yoga Unify(YŪ)」始動、創始者にインタビュー
Yoga Unify(ヨガ ユニファイ:YŪ)は、ヨガティーチャー資格のレベル向上、そしてヨガを安全で包括的にすることを目的としてこの秋に始動しました。果たして成功するでしょうか?
9月に発足したばかりの新しい非営利組織「Yoga Unify(ヨガ ユニファイ:YŪ)」は、ヨガティーチャーたちに新たな基準を打ち立て、倫理を優先し、生徒たちに教育リソースを提供することを目的としています。そして、全米ヨガアライアンス(YA)にはこれまでなかった方法でヨガコミュニティをまとめたいとYŪの共同創設者であるヘザー・シェリー・タイタスさんは述べています。
セドナ・ヨガ・フェスティバルのディレクターであり、バーニー・サンダース上院議員の娘でもあるタイタスさん曰く、YŪはティーチャーと生徒の両方に奉仕し、ゼロからのヨガコミュニティを象徴する運営組織だそうです。彼女曰く、YŪは一見わかりきったことを一から改めて行なっているかのように見えるかもしれませんが、実際のところは全く新しいものです。「私は真似をしたくありません。むしろ人々の頼みとなる新たなリソースでありたいのです」と彼女は言います。
YŪの2つの重要な原則は次のとおりです:200時間、300時間、500時間のティーチャートレーニングのモデルケース以外にもヨガティーチャーになれる道を育むこと、それから、誰もがティーチャーになれるべきではない、ということを認識することです。「本格的なヨガの実践を開始したすべての生徒がティーチャートレーニングへと進むと、当然バランスが崩れます」とタイタスさんは説明します。ヨガスタジオが利益のためだけでなく、生き残りをかけてティーチャー・トレーニングを次々に提供することはこの業界において一般的な慣習となっています。
タイタスさんによると、その結果、教師が過飽和状態になり(トレーニングに参加する1人の生徒に対して2人のティーチャーがいます)、その多くは最低限の資格で卒業し、ティーチャートレーニングを主導しています。コロナ禍でオンラインによるティーチャートレーニングが急増し、この問題は急激に悪化しています。「こういった状況がきっかけで私たちは生涯に渡って生徒の人生をサポートしています。本来尊重されるべきなのはティーチャーになるのメリット自体なのですから」。そのため、YŪは無数のスタイルと専門性を持った様々なレベルに応じたコースを提供しようとしています。具体的には、100時間、200時間、300時間レベルのような、明確なレベルに応じた指導コースの計画を立てています。
「私たちはヨガを商業ではなく、研究と実践の分野と見なしており、ヨガをその方向に突き動かそうとしています。何時間でヨガティーチャーになる、といった考えには賛同しません」とタイタスさんは言います。YŪは、プロとしての経験と専門性のレベルを公正な目線で判断するため、継続的な評価や専門家同士の相互評価を行った上で、ヨガティーチャーやスクールに資格を与える予定です。新たな資格情報は、YŪコミュニティが指名したメンバーのティーチャーとリーダーによって構成されるYŪ運営審議会によって評価されます。ティーチャーが別の資格を申請したり、レベルを上げたりする度に、YŪのアドバイザーは高度な能力に備えるための明確な学習進路サポートを行います、とタイタスさんは説明します。YŪは、ヨガスタジオやスクールで取得したヨガティーチャー資格を認めますが、YŪ独自の基準に基づいてティーチャーの現在の経験と能力を再評価し、スタンダードなヨガアライアンスの200時間、300時間、および500時間の要件を超えるYŪによる評価とランキングを与えます。
YŪのディレクトリは、ティーチャーの資格情報と経験を重視してデザインされています。ティーチャーなどの専門家たちは、ビデオ、記事、その他の販促資料や教育資料をアップロード可能です。また、全レベルの学生が、求めるクラス、トレーニング、またはメンターシップのタイプを検索できます。
例えば、背中に怪我を患った人が医師に「ヨガが良い」と言われたとしたら、自宅そばやオンラインのヨガティーチャーを検索できたり、脊髄や筋肉のズレに対応できるティーチャーを特定したりすることができます。「RYT200保有者だからといって、自分が求めていることに精通しているかどうかわからないヨガスタジオに行くより良いでしょう。もしくは、あなた自身、プレナタルヨガ(マタニティヨガ)やヨガニードラを共に学べる誰かを探しているヨガティーチャーかもしれませんね。YŪのコースカタログとティーチャーの名簿を使えば、あなたの興味のある分野で検索することができます」とタイタスさんは言い加えます。
生徒とティーチャー両方がYŪに参加する名簿以上のインセンティブは、メンターシップ、継続的な教育のための奨学金、ヨガサービスを支援する助成金、また、ヨガの伝統を守りながら、ヨガの進化を育成することを目的としたその他のプログラムです。例えば、サンスクリット語からルーツに関する文章を翻訳したり、障害を持つアメリカ人法 (Americans with Disabilities Act: ADA)にスタジオを準拠させたり、あなたのヨガクラスにおける多様性を高めるための資金を得たりすることができます。メンバーシップ費は年間108ドル(約11 ,270円)でスライド制オプション(低所得者などに対する支払能力に応じた価格設定)は年間54ドル(約5,636円)からです。「ペイフォワード」コミュニティの価格設定オプションもあります。またYŪは専門職賠償責任保険の割引料金、歯科および眼科保険に対する団体料金、また遠隔医療へのアクセスを提供します。
全米ヨガアライアンスのリーダーたちは彼らの属している組織がすでにこの分野の多くをカバーしていると感じています。しかしながら、「ヨガアライアンスはヨガを提供していますが、ヨガを束ねる人は誰もいません」と全米ヨガアライアンスの社長兼CEOのシャノン・ロッシュさんは述べています。「我々の協会はヨガコミュニティ全体を支援し、積極的な関係を構築することを目指しています。また、ヨガの専門家のためのサポートやリソースが増えることによって、より多くの人々がもっと高品質で安全で公平なヨガにアクセスできるよう願っています。私たちが先月開始したエンゲージメント・プラットフォームのYA CommUnityは、メンバーが世界中のメンバーたちとつながり、リソース、経験、知識、サポートを分かち合うための友好的な場を創ることを目的に立ち上げました」とロッシュさんは述べています。
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