人気ヨガ講師が推薦!ヨガ哲学を学びたい人におすすめの書籍
ヨガを指導する先生たちは、どのように生活へヨガの教えを取り入れているのでしょう。その具体的な方法と、ヨガ哲学を学びたい人におすすめの書籍を紹介してもらいました。
山下 恵先生おすすめ:向井田みお先生の『やさしく学ぶYOGA哲学ヨーガスートラ』
欲から離れ、目標を持ち努力すること
欲から離れ、目標ヨガ歴があまり長くない時期にTTを受け、指導者デビュー。当時はいつも「ヨガができる人だと思われたい」と考えていましたが、その後ヨガスクールでヴェーダーンタの授業を受け、サティア(正直)について学び、「自分を取り繕う必要はないんだ」と気づきました。
私が心に留めているヨガの教えは2つあります。「アビヤーサ」は、修練や努力を大切にすること、そして「ヴァイラーギャ」は、欲から離れること。目標を持ち、努力することは大切だけど、その結果に固執すると心が揺さぶられてしまいます。以前は結果にこだわり、うまくいかないとくよくよしていましたが、今は結果があまり良くなかったとしても、できるだけの努力をしたうえでの結果なら、よしと思えるようになりました。
中村尚人先生おすすめ:森本達雄さんの『ヒンドゥー教―インドの聖と俗』と、立川武蔵さんの『はじめてのインド哲学』
ヨガ哲学は頭ではなく経験から学ぶ
僕は死ぬことは怖くない。たとえ余命1年と言われてもテンパることはないでしょう。ヨガはある意味、諸行無常を学ぶものだと思うんです。人間、未知のものに対しては無意識に恐怖を覚えるけれど、身近な人が亡くなるという経験を重ねていくうち、やがて死が怖くなくなる。死を身近に感じ、リアルに捉えられるようになるからです。
このように、哲学とは頭で読んで理解するものではなく、経験することによって身に付くもの。経験していないうちに本を読んでもあまりピンとこないけれど、経験してから本を読めば、きっと「やっぱりね」と納得するでしょう。
たとえば今なら、大事にしていたグラスやお皿を子供が割っても、ヨガウェアをよだれでべちゃべちゃにしても(笑)、本気で怒ることはありません。それは、形があるものはやがてみんな壊れるということを、経験を通して知っているから。こうやって、ひとつずつ経験を重ねながら、ヨガ哲学を体験的に学んでいくことに意義があるのだと思います。
峯岸道子先生おすすめ:『インテグラル・ヨーガ』と『現代人のためのヨーガ・ス-トラ』
幸福の感覚は自分の心の中にある
青春時代にちょっとヤンチャで手を焼いた次男。「私が仕事に忙殺されていたことが原因だったのでは」と心を痛めていましたが、それから年月が流れ、やがて次男も結婚して家族を持ち、隣家に引っ越してきました。ある日、私がベランダで洗濯物を干していると、向かいの家のベランダで彼が布団を干していて、ふと目が合った瞬間、「おっ!」と、あいさつとも取れる小さな声を出しました。その瞬間、私は涙が出るほどの幸せな感覚に満たされたのです。
育児に苦労していた時代のことや、いろいろな過去が一瞬にして蘇り、今、この瞬間の幸福がしみじみ湧き起こってきたのでしょう。幸福の感覚は、外に見つけるものではなく、常に、自分の心の中にある。ヨガ哲学で何度も学んだそのことを、改めて実感した出来事でした。
芦沢さゆり先生がおすすめ:『ティク・ナット・ハンの般若心経』
外側の世界で変わらないものはない
会社員時代、難解な業務案件や、仕事とプライベートの混沌とした状況に終わりがないように思えていました。今は「外側の世界で変わらないものなど何ひとつない」という『ヴェーダ』の言葉を思い出しては、スーッとした感覚が戻ってくるようになりました。
鈴木修一郎先生おすすめ:宮元啓一さんの『インド人の考えたこと』
WHYから始めてWHATやHOWを考えられるように
うまくいかなかったときや不安なときなどに自分の気持ちを整理しやすくなりました。自分を客観視して「なぜその気持ちを選んだのだろう」というように「WHY」から始められるようになったのです。
たとえば夫婦げんかをしたとき、「なぜ、こんな空気になったのだろう」「そもそも私たちはお互いに協力しあう立場だよね」「本来はけんかしたくないし、心の底では仲良しがいいとお互いに思っている」「相手のことを考えているつもりが実はただのエゴだった」「じゃあ、具体的に何ができる?」「まずはエゴを認めようか」という感じで、自然と「WHAT(何を)」「HOW(どのように)」すればよいかわかるようになりました。
うまくいかない原因となっている心の傷を自ら大事に抱えてしまっていることに、気づけるかどうか。認めるのはしんどいですが、ヨガの技法や哲学はそれをいつも「手放しなさい」と教えてくれるのです。
大友麻子先生おすすめ:ラマナ・マハルシの『不滅の意識』と『あるがままに』
子供のヴァーサナを信じて進むべき道を追求
ヨガ哲学が役立つと感じたのは、子育てです。今、19歳と8歳の娘がいますが、私は意識して本人の性格や育つ方向を優先し、修正することはしないようにしています。女の子だからつい心配で、ルールを定めたくなるけれど、子供たちにはそれぞれ持って生まれた性質、傾向があり、それを無理やり変えたり矯正しても、またどこかから生来の性質、傾向が現れるはず。
ヨガ哲学に「ヴァーサナ(心の傾向)」という言葉がありますが、これはそもそも前世からくるもので、自分自身の宿命やパーパス(目的)を達成するには、自分が生来向いている方向へ進まなくては。だからなるべくガイドすることをせず、好きなことをやらせるようにしています。
近藤真由美先生:『バラモン教典』と宮元氏の著書
自分の欲を冷静に見つめこれで十分と思えるように
の自分は、正直欲まみれだったと思います。欲しいと思ったものはすべて買い、洋服や化粧品など色違いがあれば、全色所有したいと思っていました。でも、考えが変わったのはインドにヨガを学びにいき、「欲と必要性」についての講義を受けたとき。「欲しいと思うものはあなたにとって本当に必要?」という問いかけができるようになり、感情に惑わされず、「今は必要ないからいらない」と思えるようになりました。
HANAE先生おすすめ:向井田みお先生の『ヨーガ・ヴィッディヤーYOGAの知恵』
心にすぐ反応せず一拍おいて冷静さをキープ
人間は一人で生きているわけではないので、他人のエネルギーに左右されることもあります。たとえば歩いているとき、わざと人がぶつかってきて嫌な思いをすることがありました。でも『ヨーガスートラ』で「心にすぐ反応しない」という教えがありますが、この言葉どおり、今は何かに嫌な思いをすることがあっても、「負のエネルギーに巻き込まれない」「一拍おくことで冷静になる」ということができるようになってきました。
西浦りさ先生おすすめ:パタンジャリの『インテグラル・ヨーガ』
自分の可能性を信じてチャンスをつかんだ
仕事で大きなプロジェクトに関わることになったときのこと。ずっとやりたかったことだけど、私に務まるか不安で引き受けるか迷っていたのですが、「自分の可能性を自分で盗まない」というアスティアの精神を思い出し、一歩踏み出すことができました。
京乃ともみ先生おすすめ:パタンジャリの『インテグラル・ヨーガ』
物を手放したら頭のなかもすっきり!
本当に必要なもの以外を手放したら部屋がきれいに。ため買いしたものであふれかえっていた以前に比べて、今は頭のなかも整理されました。おすすめの本はパタンジャリの『インテグラル・ヨーガ』。初心に帰って、ヨガという生き方への尊敬が深まります。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く