世界的に人気の「大人の塗り絵」がマインドフルネスのツールとして注目される理由

 世界的に人気の「大人の塗り絵」がマインドフルネスのツールとして注目される理由
Moca Kurio
栗尾モカ
栗尾モカ
2020-10-21
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自由に色を塗れる開放感。カラーセラピーの効果も

着色が終わって、ふと思い出したのが、以前経験したカラーセラピーです。セラピストの方と一緒に大型のフラワーショップに行って好きな花を好きなだけ選び、自分の好みの花束を作るという内容でした。「何も考えず、好きな花だけを選んでください」と言われ、直感で濃淡ピンクのガーベラや、オレンジ色のサンダーソニアといった暖色系の色の花を集めました。

マインドフルネス
photo by Moca Kurio

セラピストの方から「もしかして、過去に色を制限された経験がありましたか」と訊かれました。思えば、子供の頃に母親の好みで白やネイビーの服を着ることが多く、密かに着てみたかったピンクやオレンジ色の服を着る機会がないまま大人になりました。現在のワードローブも白・黒・ネイビー・グレーがメインの私にとって、暖色系は封印された色彩となっています。

そのこととの繋がりがあるのか、筆者が美大生だった頃、デザインの授業で使う色は寒色が多く、教授から「もっと暖色も使って色合わせのパターンを増やしてください」とアドバイスを受けたことがありました。自分から距離のある色を使うと失敗をするのではないかという不安もあり、なかなか手に取ることができず、暖色を使う際には軽いストレスを感じたのを覚えています。

一方、塗り絵にルールや制限はありません。「使いたい色を自由に使っていい」という状況は、深い開放感を得ることが出来ます。みなさんも、買い物中、心惹かれるアイテムに出逢った際に「派手な色だからやめよう」と、自分にブレーキをかけることはないでしょうか。そのような色制限のストッパーをはずし、思い切った色合わせを楽しめるのが、塗り絵の素晴らしさでもあります。

塗り絵の時間は、予想以上に気持ちが落ち着きます。是非、みなさんも静寂の時間を楽しみませんか?

ライター/栗尾モカ

漫画家 / コラムニスト。横浜育ち・シンガポール在住。国際線CAを経て出版社へ。女性誌「STORY」等で10年間取材をした経験をに描いたコミックエッセイ『サロン・ド・勝負』(KADOKAWA)『女のネタ帖』(学研)がある。現在、SingaporeのYoga Instructor Certificate Courseに通学中。また、スパイスの魅力に惹かれインド人料理研究家からアーユルヴェーダを用いた料理を学んでいる。好きな言葉は「SPICE UP YOUR LIFE」=(日常を活気づけ、面白くしよう)どんな時でも、笑いや思いやり、小さな幸せを忘れずに...。Instagram やTwitter でも発信中。

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