ポーズ練習でケガをしないための心得とは?現役アクロバットパフォーマーがヨガと出会い学んだこと

 ポーズ練習でケガをしないための心得とは?現役アクロバットパフォーマーがヨガと出会い学んだこと
photo by Takuya Kojima
君嶋瑠里
君嶋瑠里
2020-09-05
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自分の心身を観察し続けることの重要性に気づけた

―――お医者様からは難しいといわれていたのに、完治できたのは本当に奇跡ですね。それからヨガを始めたそうですが、ヨガとパフォーマンスの違いというのはありましたか?

ヨガと出会い、当初はパフォーマーとしての経験がヨガを行う上でとても役立つだろうと思っていました。当然、アドームカヴルクシャーサナなど逆転ポーズはヨガで練習しなくともすぐに完成形をつくれましたし、その他逆転、アームバランスの上級ポーズをやるのもたいして苦労はしませんでした。昨年からRYT200のヨガの指導資格を得るべく養成講座を受講していたのですが、ここでは普段受けていたヨガクラスとは違い、哲学を学ぶ講義がありました。それが私にとってはとても新鮮でした。心身相関の原理、ヨガを練習するうえで禁戒や勧戒という慣行すべき態度があること、そしてストレスの軽減を目的としていることがパフォーマンスとは大きく異なっていました。とくに、禁戒の部分にアヒムサー(非暴力)というのがあるのですが、これは単に相手に暴力的なことは行わないという意味だけでなく、自分自身の体や心に対しても暴力的な行動はしないという意味があることを知りました。ガングリオンの時の私は、かなり自分に対して暴力的だったかな、と(笑)。操体法だけでなく、メンタル的な部分をとても大切にしているし、何よりポーズの形にとらわれないこと、練習の過程で自分の心身を観察し続けることなど、ヨガにおいてポーズの完成がそれほど重要ではないということが大きな発見でした。ヨガの指導者養成で本格的に学んでからというもの、自分自身にも後輩たちの指導にも無理強いをすることはなくなりましたし、精神的に自分を追い込み過ぎたり、かつての根性論で何とかするという考えはなくなりました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

君嶋 瑠里(@ruripirarucu)がシェアした投稿 - 2020年 8月月14日午後8時53分PDT

―――その後、ヨガやパフォーマンスの練習でケガをしないために普段気を付けていることなどはありますか?

私の場合、パフォーマンスのための練習も続けているので他のヨガインストラクターさんの練習法とは異なるかもしれませんが、まずはどんな時も体温を上げることから始めます。体温が上がっていないうちから本格的な練習をしてしまうと筋肉が緊張しているためケガにつながりやすいからです。軽くウォーキングをしたり、軽めのウェイトで筋トレをしたり、動的なストレッチを行ったりしています。とくに、パワーを必要とするポーズの前に“伸ばす”静的ストレッチを行ってしまうと筋肉が伸び切って本来の力が入らなくなってしまうため、最初は体をこまめに動かしてほぐす動的ストレッチを行うほうがいいと思います。また、難しいポーズをやる際はいきなりそのポーズの練習に入るのではなく、ある程度必要な筋肉を鍛えてから行います。たとえば、逆立ちのポーズをやるのであれば体幹部の筋力が逆転する時の安定性に大きく関わってくるため、自重やウェイトを使ったトレーニングで腹筋や背筋を鍛えています。

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