「感じたままの自分を、肯定していい」HIKO KONAMIさんがサウンドバスを通して伝えたいこと
どん底で見つけた"しっくりくる"もの
―――ご自身を追い込む中で、さらに2度目の事故にも遭われたのですか?
はい。2度目の交通事故のほうが悲惨でしたね。1度目の事故のあとも物事がうまくいかず精神的にも追い込まれ、いよいよまずいと思った矢先の出来事でした。歩くことも喋ることもできなくなり、生死をさまようほどの大きな事故になってしまったんです。本当にどん底でした。もうすべてがリセット、自分の何もかもを根こそぎ持っていかれてしまったような感じでしたね。そんな状況だったから、その後は自分自身をひたすら癒していかなければなりませんでした。体の治療と合わせ、自分の心を救う手段をあれこれと探していき、色々試す中でやはり自分にとって一番しっくりくるのがメディテーションと音楽だということがわかったんです。そこから以前のようにキャリアのためではなく、もっと自分自身のために学びたいという気持ちが強くなり、New York Open Centerの「Sound and Music Institute」でサウンドヒーリングを体系的に学ぶようになりました。
―――事故の悲惨な状態から立ち直り、現在のHikoさんへとつながる道筋が出来ていったんですね。そこからどのようにサウンドバス奏者となっていったのですか?
Sound and Music Instituteはさまざまな項目の音楽療法が学べる場だったのですが、その中にサウンドバスを演奏される先生がいらっしゃって、サウンドバスとはどんなものかと受講してみたんです。そしたら、何とも言えないくらいにすごい体験をしたというか、本当に感動したんです。「これだ!」とその時思いました。サウンドバスは参加者に対してこうしてほしい、ああしてほしい、こうあるべきなどという説明も要求もなく、練習し努力し続けなければ成しえないものでもありません。メディテーションをやろうとすると、実際なかなか難しいところがあるんですよね。人って頭で考えすぎてしまうところがあって、本来は考えないためにメディテーションをやるんですけど、それでも理屈でどうこうしようとしてしまう。メディテーションの理屈と、自分の心とのせめぎ合いというか…。それがサウンドバスだったらただ聴いて、たったの1回で効果を感じられる、それがとてもすばらしいと思ったんです。Sound and Music Instituteでの学びで得たもの、自分が大好きだと思えるものを自分のヨガのクラスにも取り入れるようになり、またサウンドヒーリングを共に学んだ友人のイベントに出演させてもらったことをきっかけに、自分でもイベントをやるようになっていきました。
―――ニューヨークでは数千人規模のビッグイベントにも出演されたりと、今やHIKOさんのサウンドバスは人気ですね。ニューヨークでこんなにも多くの人の心を掴んだ理由というのは何でしょうか?
そもそも、ニューヨークではメディテーションが日本と比べてとても盛んです。相互補助の文化と言いますか、助け合いのコミュニティがすごく機能していると思います。ヨガとはまた別で、メディテーションのスタジオもたくさんありますし、ビジネスとしても一大産業となっています。医療で保険が使える日本とは違って、自分のことは自分でケアをしていく必要性を強く持っていて、メンタルヘルスの大事さというのもわかっている。多種多様なウェルネスの一つとして、サウンドバスの関心度も高いのだと思います。
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