インド人講師に教わる“ひんやり冷たい空気を取り込む”呼吸
蒸し暑い日が続くようになりました。自宅でヨガをするときには、室温調節にも気を遣う季節です。こんな時期にヨガシークエンス取り入れたいのが、『クーリング・プラーナヤーマ(COOLING PRANAYAMA)』という伝統滴な呼吸法。バンガロールのヨガ大学出身の講師から習ったメソッドです。
プラーナヤーマとはプラーナ(PRANA、生命エネルギー)とアーヤーマ(コントロールする・バランスをとる)という意味で、エネルギーのバランスをとり、感覚を研ぎ澄ませる技法です。練習を重ねることにより、心身においてより多くの自由を得ることができるといわれています。
クーリング・プラーナヤーマは、様々な種類のあるプラーナヤーマの中のひとつ。口の中を涼やかにさせるだけではなく、感覚を鋭くし、気づきや意識を高めるテクニックです。通常の呼吸では、“涼しい”“冷たい”といった感覚を味わうことはありませんが、空気を吸い込む際の口の開き方と舌の配置により、ひんやりとした空気を口内に取り込むことができます。
暑い時期のレッスンでは、最初にこの呼吸法からスタートし、気持ちをスッキリと爽やかに整えるのも良いアイデアかもしれません。また、デスクワークをしている時に休憩時に行うのも気分転換として有効ではないかと思います。今回は、3種類の方法をご紹介します。
①SITALI
舌をストローのように丸め、冷たい空気をゆっくりと吸い込み、鼻からゆっくりと出す
②SITKARI
舌を喉の方向に二つ折りになるようにし、上下前歯の間は1センチほど開く(難しい場合には、舌先を上の前歯の裏側に触れるように)息を大きく吸い、両頬の内側2カ所から冷たい空気が入るのを感じる。鼻からゆっくりと出す
③SADANTA
上下の歯を噛み合わせた状態で息を大きく吸い込む。②と同様に冷たい空気を感じる。鼻からゆっくりと出す。
※知覚過敏の症状がある場合には、空気が歯茎にしみることのない①が有効です
動画でやり方を学ぼう
(実技は9分頃から始まります)
また、クーリング・プラナヤマを行うことを避けた方が良い禁忌として「喉の痛い時や、寒い時期に行わないこと」というアドバイスがありました。冬場に行なった場合には、必要以上に口内を冷やしてしまいます。
また、ガン治療の専門病院研究センターでヨガセラピストとして貢献した経験から「病気で放射線治療をしている患者の中には口内に熱を持っていることがあります。そのような症状を持つ人にも有効です」とも語ってくれました。
プラーナヤーマを行う際には、何も道具を用意する必要がなく、自分の体だけを使って心身をコントロールすることができます。毎日練習を積み重ねていきたいメソッドです。
ライター/栗尾モカ
漫画家 / コラムニスト 横浜育ち、シンガポール在住。美大デザイン科卒業後、国際線CAを経て出版社へ。人気女性fashion誌で10年、教育メディアで5年企画・執筆を担当。シンガポール移住後、女性向けmediaをローンチ。旅先のBali島でYOGAに出逢ってから、心身を整えるライフワークとしてのYOGAに魅了され、VYASA Yoga SingaporeのYoga Instructor Certificate Courseに毎日通学中。また、アーユルヴェーダを学んだインド人料理研究家から身体に効くspice&cookingを学んでいる。モダン&スタイリッシュ、女性の毎日が輝くようなアイデアを盛り込んだIndian culture bookを出版することを目標に、YOGAとcookingに励む日々を送っている。著書は『サロン・ド・勝負』(KADOKAWA)『女のネタ帖』(学研)など。
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