SNSでしか満たされない…至福をもたらす教えと11のヨガポーズ

 SNSでしか満たされない…至福をもたらす教えと11のヨガポーズ
Christopher Dougherty

アーユルヴェーダの心理学を学んで、無上の喜びを見つけよう(通販の翌日配送やインスタグラムで得る喜びとは違う最高の喜びを)。

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アーユルヴェーダのおける「孤立」は病気の根本的原因?

古代インドの賢人は、無上の喜びにつながる真の道とは自らの内側に向かう旅であることを理解していた。自分の内なる道を進んでいくと、純粋な意思が現れている空間に立つことができ、そこから自分の義務と願望に照準を合わせられるようになる。また、この空間につながっていると、安心感を覚えて目的のある楽しい生活を送ることができる。

ただ、心身に外傷があったり日々ストレスにさらされていると、この重要な空間にとどまることが難しくなる。ヨガの姉妹科学であり5000年の歴史があるアーユルヴェーダでは、(自分自身、周囲の人々、宇宙の無限の愛の源からの)孤立感をプラジュナパラーダ(prajnaparadha)と呼んでいる。これは「知性の過ち」を意味しており病気の根本的原因であるとも考えられている。

現代人は表面的な気晴らしに囚われている

アーユルヴェーダの専門家であり、コロラド州ボルダーでクリニックとオンラインショップのLifeSpaを運営しているジョン・ドゥイヤードによれば、私たちは真の満足を見つけられる内なる世界との接点をなくしてしまうことが多いそうだ。無上の喜びを手放して、表面的な気晴らしを求めているのだという。その結果、私たちは心と体をエゴ(自我)で飾ることでその埋め合わせをするようになる。消費(翌日配送)や即座に得られる喜び(インスタグラム「ストーリー」の閲覧)にしか気持ちが動かされなくなっているのが今の私たちの姿だ。

ドゥイヤールは次のように説明している。「私たちの人生の振り子は、報酬の方向に振られています。ある種の感覚的刺激による一時的満足の方向に振られているのです。世の常として、上昇するものはいずれ下降します。過剰な刺激は崩壊を来し、私たちは疲労と不満の深い沼に落ち込んでいきます。すると脳内の化学物質が、大きな報酬を再度強く求めるようになります。刺激に対する感覚はとにかく中毒性が高いのです」

残念なことに、この悪循環はいたるところであまりに頻繁に起きている。WHO(世界保健機関)によれば、世界中で鬱病が身体障害を引き起こす主な原因となっていて、13人にひとりが不安に悩まされていることがわかっている。多くのものを熱心に求めることによって、マヤ(現実を異なって知覚すること)が引き起こされる。

アーユルヴェーダの医師であり、マインドフルネスの指導も行っているラリッサ・ホール・カールソンは「私たちは皆、
外側のことに気をとられ、快楽や地位や名声を求めています。このようなものは永続的な充足感や満足感をもたらしてはくれません」
と語る。

アーユルヴェーダ心理学とは何か

古代インドで編纂されたヴェーダ(知識)と呼ばれる文献には、精神的な知恵や儀式が略述されている。そのひとつがヨガだ。アーユルヴェーダ心理学とは、ヴェーダに記載されている、上述の錯覚と中毒の解消を目的とする全体論的な戦略に対して現代になってつけられた名称である。私たちが自分の中心にある喜びと無上の幸福に戻ることを助けるものである。

「肝心なのは、心を乱して注意散漫になるのをやめることと、あらゆる人から愛されよう、認められよう、評価されようとしないことです」とドゥイヤールは語る。「その本質は、愛を求めるためではなく、自分自身が愛であるためにリスクを引き受けるということであり、あなたという繊細な花を咲かせて、本当に永続的なものを外に出すことです」

ドゥイヤールによれば、状況はまったく異なっていたものの、インドの文献でもこのテーマはよく見られるという。『バガヴァッド・ギーター』では、戦士アルジュナが戦場で友人や家族と戦うことを望まなかったために身動きがとれなくなったところに、聖神ヴィシュヌがアルジュナの戦車の御者として姿を現す。このふたりの会話は時を超えた自己実現のための指南へと展開していく。自分のすべきことに正面から取り組み、その結果に対する執着を捨てよ、という教えである。「戦場とは錯覚と戦っている私たちの心の中で起きていることのたとえです」とドゥイヤールは説明している。

ダヌルヴェーダ(弓の知識)もヴェーダの文献のひとつであり、文字どおり武術の科学であると考えられることもある。ただ、ドゥイヤールによれば実際には精神的な弓術について書かれており、静かな意識の状態を習得することを求めるものであるという。この意識の状態は、やはりドゥイヤールによれば、嵐の目であるとも嵐の風であるとも描かれている。

「弓を後ろに引いて少し動かし矢を放つとしたら、矢はどこに着地するかまったくわからず危険です。しかし、意識を高めた内なる平静の地から弓を引けば、矢を放つときには変化を生む行動をとれます。一日を通して、あらゆる行動の中に真の自己を入れてください。そうすれば、それは永久に続く満足の経験になります。あなた自身が所有する経験になるのです」

3つのマハグナ

「嵐の目」から動けるようになるには、まず現在の自分の状態を認識する必要がある。そのために、3つのマハグナ(重要な質)を理解することから始めよう。マハグナとはタマス(惰性、重さ、暗さ)、ラジャス(動的、動揺)、サットヴァ(純粋、調和)の3つである。グナは食べ物、娯楽、天気、思考など、地球上のあらゆるものに存在している。グナをさらに深く感じるためには、グナが水の中でどう展開するか考えてみるといい。不透明で藻がたくさん生えている池の質は、タマスだ。波立っていて、流れが早く、絶えず川に流れ込んでいく水の質は、ラジャスだ。静かな入り江で、水面が鏡のように反射している水の質は、サットヴァである。

カールソンによれば、「マハグナ」はそれ自体に良し悪しがあるものではなく、私たちを支える状態にあるか、過剰状態または不足状態にあるものなのだという。「私たちが進むべき道は、自分を幾つかのパターンに陥らせている過剰なラジャスとタマスをきれいにすることにあります。そうすることによって真実に達して、相互に結びついている場所から人生を進めるようにすることなのです」

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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by Deanna Michalopoulos
sequence&model by Larissa Hall Carlson
photos by Christopher Dougherty
illustration by Jelena Zivkovic / Istock
styling by Nicole Malloy
hair&make-up by Beth Walker
translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.67掲載



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