いつか訪れる「別れ」のために今からできること
しかし、ずっと下を向いてばかりでは、日常生活や仕事が手につきません。停滞した状況から抜け出すには、ヨガのセルフプラクティスが役立ちます。何もやる気が出ないときこそ、一日15分でもヨガの練習だけは続けましょう。
ヨガをする理由は、悲しみを切り離すためではありません。アーサナや瞑想を通して、落ち込んでいる自分を冷静に見ていきます。自分を客観視できるようになると、悲しみを味わっていても、その感覚に引きずられなくなるもの。練習を重ねて自分に向き合えると、あなた自身で意識をコントロールでき、ポジティブな方向に進めるはず。
また、失った相手に「感謝」が湧いてくると、気持ちが前を向きやすくなります。感謝の心には生きるエネルギーを生み、今後の生き方をよりよく変える力があるのです。
その人がいたから今の自分がある、そんなふうに心の底から感謝できると、失った相手に報いるためにも、一生懸命生きようと思えるもの。もしあなた自身が病に倒れても、今、生きていられてまわりに支えてくれる人がいる状況に、ありがたいなと感謝できたら、限りある時間を生き抜く力が湧き、流す涙の種類も変わってきます。
感謝を伝える場面は日常に溢れているので、日ごろから「ありがとう」を言える人になって。そして、今まさに悲しみの中にいる人も、今日からアーサナ、呼吸法、瞑想を始めて心のメンテナンスにヨガを取り入れて。ヨガはいつ初めてもけっして遅くはありません。
教えてくれたのは...ケン・ハラクマ先生
インターナショナルヨガセンター(IYC)代表、アスリートヨガ事務局代表理事。日本のヨガ界の第一人者。健全なヨガ指導と普及活動を行う。ヨガフェスタの発起人のひとり。著書に『ヨガを伝える』(春秋社)、『ヨガから始まる』(朝日出版社)他、監修書・DVD多数。全国各地でアシュタンガヨガを中心に、指導者養成を行っている。
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