強くしなやかな足首を作ろう!ポーズの安定感を高める「腓骨筋」の鍛え方
バランスがとれない、踏ん張れないといったポーズのお悩みに、見落とされがちなのが足首の使い方です。ここが安定することで、すんなり改善できる可能性も。足首まわりの筋肉を鍛えて、強い足首をつくりましょう。今回は、「体重が小指に乗りがち」という悩みを解決する「腓骨筋」の鍛え方をご紹介。教えてくれるのは、理学療法士でヨガティーチャーの中村尚人先生です。
腓骨筋(ひこつきん)とは
腓骨筋はすねの外側から足首につながる筋肉。足を回内する(小指側を引き上げる)ときに働きます。
腓骨筋の強さをチェックしよう
腓骨筋が弱いと何が起こる?ヨガポーズでチェックしてみよう
腓骨筋が弱い人は小指側に体重がのりやすく、足首が不安定になりがちです。
1.腓骨筋が弱いと「ハイランジ」の後ろ足がグラグラする
ハイランジで後ろ足が安定しないのは、腓骨筋が弱く小指側に体重がのってしまうため。小指体重は床を強く押すことができないので、後ろ足がぐらついてしまいます。
後ろから見ると
2.腓骨筋が弱いと「アップドッグ」の足が「ハの字」になる
頭頂からつま先を真っすぐ伸ばすポーズで、足がハの字になるのも腓骨筋の弱さが原因。足先が伸びないと床を押せず、頭頂への伸びも制限されます。
後ろから見ると
親指に体重をのせて「腓骨筋」を鍛える3つの方法
1.すねの横を意識して小指を引き上げる
腓骨筋は足を外に開く筋肉なので、小指を引き上げる動きで鍛えましょう。そのためには、親指に体重をのせて床を踏むことが大切。すねの外側あたりの筋肉が緊張していることを感じながらキープしましょう。
HOW TO
①腰幅で立ち、両手は腰。
②すねの横を意識して両足の小指側を引き上げ、親指でしっかり床を押す。【10秒×3セット】
2.手の力に抵抗してつま先を外に開く
つま先を外に開く動きで腓骨筋を鍛えましょう。座位で行う場合は、手を負荷にします。つま足は外に開く方向に動かし、手は反対方向に引っ張って腓骨筋に負荷をかけます。
HOW TO
①椅子に座り、右足を左膝の上にのせる。
②左手で右足の外側を下から持ち、右手は膝におく。
③左手で右のつま先を内側に向けたら、つま先はそれに抵抗するように反対方向に力を入れる。左足でも同様に行う。【左右10秒×3セット】
3.かかとをつけたままつま先を開く
腓骨筋は寝ながらでもトレーニングできます。つま先を外に開くだけの地味な動きですが、じっくり丁寧に行って、すねの外側がしっかり働いていることを確認しましょう。
HOW TO
①横向きに寝て、全身を真っすぐ伸ばす。下の手で頭を支え、上の手は腰におく。
②腓骨筋を使って上の足のつま先を外に開く。両足のかかとが離れないようにつけておく。足を開くとき、すねの横が縮むのを感じながら繰り返す。【左右10回×3セット】
つま先が閉じている状態
つま先が開いている状態
POINT:腓骨筋が使えていると、足首の上部に腓骨筋の腱が確認できる。
「腓骨筋」を鍛えられたかヨガのポーズで確認しよう
ターダーサナのバリエーション
つま先立ちになったとき、小指体重になりすぎていると足元がグラグラします。腓骨筋を使って親指にも体重をのせましょう。
★腓骨筋を使って内踝を寄せるようにすると、親指にも体重がのって足元が安定する。
□ 目を閉じて確認
目を閉じても足がグラグラしていなければOK。
□ 目で見て確認
上から見て親指が床から浮いてなければOK。
ハイランジ
親指体重を意識して強い後ろ足をつくりましょう。親指にも体重がのると、床をしっかり押せるようになり、下半身が強く安定します。
後ろ足が小指側に傾きやすいので、親指側にも体重をのせることを意識し床を強く押す。
□ 目を閉じて確認
後ろの足でしっかり床を押せていると、目を閉じてもバランスが崩れず、ポーズが安定する。
□ ねじって確認
体をねじったときに骨盤がつられて動かなければ、後ろ足の踏み込みは正しくできている。
アップドッグ
足の甲で床を押すことで上半身の伸びが生まれるポーズです。足がハの字になると強く押せないので、親指側も伸ばす意識を。
足がハの字にならないように両足を平行に。内くるぶしを寄せると腓骨筋がONになる。
□ 目で見て確認
一度腰を持ち上げて、両足が平行になっているか見て確認しよう。
□ ヴィンヤサフローで確認
両足が平行になっていれば、ダウンドッグやアンジャネーヤーサナへスムーズに移行できる。
ヴァジュラーサナ
足を真っすぐ揃える習慣をヴァジュラーサナで身に付けて。両足が平行なら移行動作がスムーズ。ヴィンヤサの上達に役立ちます。
両足の間はこぶし1個分あけ、足先が真後ろを向くようにかかとの上に坐骨をのせる。
□ 目で見て確認
手を前について一度膝を浮かし、足の位置を確認する。両足の甲が平行になっていればOK。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。ヨガ・ピラティススタジオ「TAKT EIGHT」、姿勢・歩行改善スタジオ「UPRIGHT」を主宰している。
モデルを務めてくれたのは…福田萌子さん
沖縄県出身。adidasグローバルアンバサダーを務める。バレトントレーナーであり、ロードバイクが趣味というアクティブ派。特技はヨガと華道。現在、雑誌やTV、CM等で幅広く活躍中。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
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