「動悸が止まらない…」自律神経の乱れへの対処法とは?

 「動悸が止まらない…」自律神経の乱れへの対処法とは?
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石上友梨
石上友梨
2019-07-01
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自律神経のバランスを整えよう

自律神経には交感神経と副交感神経があり、優位になったり、鎮まったりと、バランスを取っています。交感神経が優位になると、様々な身体症状が出たり、イライラしたり不安になったりと気持ちが不安定になりやすいです。

ここで不安な気持ちを避けようとしたり、無くそうとすると、余計不安な気持ちに意識が向いてしまい、不安が続きます。また必死に不安を避けるようとすると、余計に自律神経が昂ぶってしまうこともあります。

不快な症状や周囲から変に思われたら嫌だなと感じ、「同じような症状が出たらどうしよう」と、似たような場面を避けて行動が制限されることがあります。また、同じような場面に遭遇した際には、不快な症状のことを想像しただけで不安な気持ちが生まれ、自律神経が昂り、同じような症状が出ることもあります。

自律神経の乱れへの対処法

交感神経が優位になり、自律神経のバランスが乱れているケースがほとんどです。なので、副交感神経が優位になるような「身体にアプローチする方法」がおすすめです。

マインドフルネス瞑想

まずは、マインドフルネス瞑想で、自分の中にある不安や身体症状に気づくことが大切です。対処するためには、何を抱えているのかしっかりと気づく必要があります。あるがまま「どんな反応があるのかな?」と気づきましょう。

また、ハーバード大学の研究では毎日27分間の瞑想を8週間継続することで、不安と関係する脳の部位「扁桃体」の密度が変化したことが脳スキャンにより分かりました。瞑想を継続することで不安になりづらい、ストレスに強い脳を作ることもできます。

ヨガ

ヨガのゆったりとした動きが副交感神経を優位にするために有効です。自然な腹式呼吸を続け、ポーズを一つ一つ丁寧に取りましょう。いつもより長めにポーズを取り、身体の違和感があるところ、不快に感じるところに新鮮な空気を送りこむようなイメージで呼吸を繰り返します。

ポーズとしては、自律神経を整える作用がある猫のポーズや橋のポーズがおすすめです。

腹式呼吸

副交感神経を活性化させる呼吸法が腹式呼吸です。交感神経を活性化させる呼吸法が胸式呼吸になります。現代人はデスクワークやスマホの影響で猫背や姿勢が悪い方が多く、無意識のうちに胸式呼吸になっている方が多いです。慣れていないと、腹式呼吸への切り替えを難しく感じるかもしれません。意識的に腹式呼吸を行うことで少しずつ自然にできるようになっていきます。

腹式呼吸は、息を吸った時におなかを膨らませ、息を吐くときにおなかをへこませる呼吸法です。胸式呼吸とは違い、ゆっくりとした深い呼吸法です。副交感神経を活性化させることで、気持ちが落ち着いたり、心身がリラックスしやすくなります。

自律神経の乱れを整えるためにはこまめな対策が必要です。日常的にマインドフル瞑想やヨガを継続したり、意識的に腹式呼吸の癖をつけることで、日常的なストレスレベルを下げることができます。困った時だけの対処法ではなく日常的に行うことでストレスに強い心と体を作っていきましょう。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。

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