スマホによる首の危険性が怖い!スマホを置いてヨガで調整しよう

スマホによる首の危険性が怖い!スマホを置いてヨガで調整しよう
yoga HAWAII magazine

ハワイのヨガマガジン「Yoga HAWAII Magazine」人気記事をヨガジャーナルオンラインが独占配信! 今回は、「スマホによる首の危険性、そして猫背による弊害に対処するヨガポーズ」について。

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スマホを置いて、ハートを開こう!

緊張性頭痛や首の痛みは、テキストネックの典型的な症状だ。また胸郭が圧縮されるため、服鼻腔の圧迫感や呼吸障害も起こりやすくなる。

スマートフォンやタブレットなどの携帯デバイスの発達で、私たちは人と繋がることが容易になった。だがこの便利さには代償が伴う。首、背中、肩にかかる深刻なストレスだ。でも大丈夫。ヨガでは背骨の位置を再調整し、絶えず携帯デバイスを見下ろしていると生じる弊害をリセットする練習ができる。

人の頭の平均的な重さは約5キロで、ボーリングのボールよりほんの少し軽い程度だ。想像してみてほしい。そんな重いものが細い首と肩の上にのっているのだ。だが人体とは驚くべきもので、生体力学的に背骨が正しい位置にあれば重い頭が安定するように作られている。正しいアライメントでは、重さによる負荷が無理なく首にかかり、さらに全身に分散される。しかし私たちの多くはこの背骨のアライメントを崩しているため、頭を支えるバランスがとれていない。結果として起こるのは、肩が丸まって猫背になり、首が前に突き出るという悪い姿勢だ。

携帯デバイスの画面を長時間見ていると、頭が前に出るため、首の筋肉は身体が倒れないように必死に頭を支える。やがて、この「テキストネック」と呼ばれる悪い姿勢が定着すると、首や肩上部の筋肉にかかる負荷が原因で全身の動脈、静脈、神経系が圧迫される。アメリカの成人の携帯電話の平均利用時間は一日2〜4時間以上となっている。頭部が60度前傾すると、首回りにかかる負荷は27キロにもなる。つまり、8歳の子どもを首から長時間ぶら下げているようなものなのだ。

緊張性頭痛や首の痛みは、テキストネックの典型的な症状だ。また胸郭が圧縮されるため、服鼻腔の圧迫感や呼吸障害も起こりやすくなる。ライフ・カイロプラクティック・カレッジ・ウェスト校での研究によると、この頭部前方位と「上部交差症候群」と呼ばれる筋骨格疾患(上半身の特定の筋肉が緊張で硬くなり、他の筋肉が弱くなる状態)には関わりがあるという。

これらの問題を避ける最善策としては、まずは自分の身体の状態に気づくこと。次に、猫背による弊害に対処すること。そして最終的には、まっすぐな姿勢とバランスのとれた背骨の状態を保つために筋肉を鍛えよう。一日中完璧な姿勢を維持するのは難しいが、正しい意識と動きによって、多くの不快症状を防ぐことができる。これから紹介するヨガポーズで、背中と首を強化し、胸を開いてアライメントを整えよう。最後のポーズは瞑想的な要素も含んでいるので、身体への意識も高まるはずだ。

1. 山のポーズ(タダーサナ)

まっすぐに立って両足を地面に根づかせ、おへそを背骨の方に引き入れて腹筋をやや引き締める。背骨の下部を地面の方に下げる。両腕を頭上に伸ばし、肩の力を抜く。肩甲骨を中央に寄せて下げる。両腕は平行にし、手の平を内側に向ける。視線を柔らかく保ちながら前方を見る。5〜10回呼吸を行う。

スマホ首 ヨガ(タダーサナ)
山のポーズ(タダーサナ)

2. コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)

うつ伏せになって顔をマットに向ける。両手を肩の下について、ひじを天井に向ける。両脚をぴったりつけて、足の甲をマットにつける。息を肺から吐き切ったら、息を吸って足の甲でマットを押し、背中の筋肉を使って胸をマットから浮かせる。できるだけ両手に体重がかからないようにする。首の後ろを長く伸ばし、前方を見つめながら、5〜10回呼吸を行う。

スマホ首 ヨガ(コブラのポーズ)
コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)

3. 上向きの犬のポーズ(ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ)

プランクの姿勢になり、肩が手首の真上になるように位置を調整し、背中をやや引き上げる。重心を前に移しながら手の平とつま先に体重をかける。身体を床につかない程度まで下ろし、ひじを胸郭によせる。息を吸って胸を前方に押し出しながら腕を伸ばし、同時に足のつま先を返して甲を床につける。両肩を後ろに引いて肩甲骨を寄せ、胸をやや引き上げる。ここで首を後ろに倒して視線を上げたくなっても、前方を見つめたまま、頭と首をニュートラルポジションに保つ。太ももと体幹を引き締めて、太ももの上部をマットから浮かせる。5〜10回呼吸を行う。

スマホ首 ヨガ(アップドッグ)
上向きの犬のポーズ(ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ)

4. バッタのポーズ(シャラバーサナ)

マットの上にうつぶせになり、頭を左右どちらかにむけて頬をマットにつける。両手は腰の横に伸ばし、手の平でマットを押す。両脚は腰幅に広げる。息を吸いながら、太ももと胸をマットから浮かせ、視線を床に落とす。息を吸って、両脚と上半身をさらに引き上げる。ホールドして5〜10回呼吸を行う。

スマホ首 ヨガ(バッタのポーズ)
バッタのポーズ(シャラバーサナ)

5. 橋のポーズ(セツバンダーサナ)

マットの上に仰向けになり、両ひざを曲げる。かかとをお尻に近づけて、ひざを天井に向ける。息を吸いながら腰を引き上げる。両足でマットを押して肩甲骨を中央に寄せる。可能であれば両手を組んでかかとの方に伸ばし、マットを押す。このとき、ひざがかかとの真上にあるか確認しよう。息を吐いて腰をさらに引き上げる。胸をあごに近づけてホールドし、5〜10回呼吸を行う。

スマホ首 ヨガ(橋のポーズ)
橋のポーズ(セツバンダーサナ)

6. 立位の姿勢(サマスティティ)

この最後のポーズでは、身体に意識を向け、立位の状態で瞑想を行う。まずは山のポーズ(タダーサナ)に入り、まっすぐに立って両足を地面に根づかせる。足の親指同士をつけて、かかとはやや離す。息を吐いて腹筋を軽く引き締める。両手を体側に伸ばして、余分な力を抜く。両肩を後ろに引いて、ニュートラルな姿勢を作る。柔らかく前を見るか、目を閉じてもよい。ゆっくりとボディスキャンを始めよう。足、足首、ふくらはぎ、ひざ、太もも、と下から上に向かって身体の各部位を観察する。アライメントを整えた状態で、どんな感覚があるだろうか。肩、首、頭の感覚にも意識を向けよう。このサマスティティの姿勢で1分間ゆっくりと呼吸を行う。

スマホ首 ヨガ(立位の姿勢)
立位の姿勢(サマスティティ)

スチュワート・ヤートン
小説「Crawfish Bingo」の著者。作品はニューヨーク・タイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙、トラベル・アンド・レジャー誌、コースタル・リビング誌など、数多くのメディアで紹介されている。初めてヨガクラスを受けたのは20年ほど前だが、2013年のパワーヨガとの出会いをきっかけに練習を始めた。

ヨガハワイマガジン/「Put Down the Phone! Open Your Heart

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by Stewart Yerton and Chad Sato D.C.
Translation by Sachiko Matsunami

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