臨床心理士が解説!反すう思考を止める3つの方法|誤った対処法と正しい対処法とは

 臨床心理士が解説!反すう思考を止める3つの方法|誤った対処法と正しい対処法とは
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石上友梨
石上友梨
2019-06-18
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反すう思考を止める3つの方法

1. とにかく外に出す

ネガティブ思考やネガティブな気持ちを頭の中に入れておくと、どんどん強くなります。早めに、外に出すことがポイントとなります。例えば、「人に話す」「紙に書く」など、自分の頭の中からアウトプットしましょう。信頼できる人に話したり、思いのまま紙に書きなぐりましょう。なかなか話せる相手がいないときや、紙に書けない時は、スマホでも良いと思います。SNSに投稿するよりは、スマホのメモ帳や日記アプリなどがおすすめです。

2. ほかの作業に集中する

他に、集中せざるを得ないものがあると、いつの間にかぐるぐる思考は消え去ります。

基本的に思考は浮かんでは消えるものです。ほおっておけば、流れていく性質があります。なぜ同じことがずっと頭に浮かんでいるかというと、思考に過度に注目することで、うまく流れず頭の中に滞在する時間が長くなります。

仕事中は考えないけど、帰りの電車や自宅では考えてしまう方も多いと思います。あえて、「他のものに集中する状況を作ること」でぐるぐる思考から抜け出しましょう。例えば、ヨガのバランスポーズがおすすめです。バランスポーズは、ポーズに集中しないと体制をキープできないと思います。踊り神のポーズや木のポーズなど、お気に入りのバランスポーズを取りましょう。

3.マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想は、頭の中に浮かぶ「思考」や「気持ち」に気づき、良し悪しを判断せずにそのまま受け止める方法です。私たちの頭の中にはいろいろな思考が浮かんでは消えていきます。これは普通のことで、思考を止めることは難しいことです。

止められないならば、どうすれば良いのでしょうか。いろいろと浮かんできた思考に気づくだけでOKです。「ああ、こんな考えが浮かんできたなあ」と気づいてあげるだけです。これは「良い思考だ!」「悪い思考だ!」と価値判断もしません。「私はこう思っているんだなあ」と思うだけです。そして、次に浮かんできた考えに目を向けていきます。その繰り返しです。

考えは雲のようなものです。原っぱに寝転がって空を眺めていると、雲が浮かんでは流れてきます。その雲の上に一つ一つ思考が乗っかっているのをイメージしてください。新しい雲が浮かんできたら、その上に乗っている思考に気づき、「こんな思考が浮かんできたのか」とふんふんと眺め、その雲が空から流れて消えていったら、次の雲に注目するイメージです。

マインドフルネス瞑想では、思考に一時的に気づき、受け止め、そのまま受け流していきます。瞑想は反すう思考に効果があると言われています。日頃からマインドフルネス瞑想を練習して、反すう思考に陥りにくい脳を作ることをおすすめです。

まとめ

ぐるぐると考えてしまう「反すう思考」に悩んでいたら、うつのきっかけになる前に、早めの対処をしましょう。「考えないようにする」ことはあまりおすすめではありません。反すう思考におすすめの対処法は、以下になります。

1. 頭の外に出すこと

2. 別の作業に集中すること

3. マインドフルネス瞑想

はじめはなかなか慣れないかもしれませんが、続けることで少しずつ反すう思考に巻き込まれにくくなります。ぜひ、参考にしてください。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。

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