7人のヨガ賢者が語る「今、伝えたいヨガの精神」ケン・ハラクマ先生編
――主体的に学ぶ姿勢を覚えたのは、スリ・K・パタビ・ジョイス師と過ごしたインドでの生活だったと言います。
「練習時間以外にも、師と行動を共にした時期がありました。師の一日は、ほとんどヨガ一色。アーサナをしてヨガの哲学書を読み、時々は買い物にも一緒に行きましたが、師はどんなときも言葉で多くを語ろうとはしませんでした。何か言ったとしても一言、二言。最初は戸惑いましたが言葉はなくとも生きる姿勢から学ぶことが多く、何も教えてくれないという状況こそが、『ヨガは自分で深めるもの』という大切な教えだったと気づいたんです。そのことを理解した人から、自分のヨガとは何かという問いの答えにたどりつけると思います。反対にヨガに依存してしまうと、行先を見失ってしまうでしょう」。
――日本のヨガ界の第一線で活躍し続けているケン先生。現在はどのようにヨガを生活に取り入れているのでしょうか。
「練習方法は随分変わりました。以前は、毎日午前2時半に起きてアシュタンガヨガを規則的に練習していました。生活のサイクルが変わり、今はワークショップやリトリートで国内外を飛び回っており自分を取り巻く環境がデイリーに変化し、ヨガの練習に費やす時間も日々違って当たり前。そのときできる範囲で、心と体が求めるヨガをするのが現在のスタイルです。今必要と感じるポーズを臨機応変に組み合わせ、内側の変化を観察してバランスを整えています。自分にとって必要な要素をチョイスしてヨガを行うようになったのは、私の中の変化かもしれません。ヨガはたくさんのことを教えてくれますが、その智慧の中から今必要なものを見極めて選び取ると、よりよく生きられるはず。すべてのヨギにそうあってほしいと思います」
インタビューに答えてくれたのは…ケン・ハラクマ先生
インターナショナルヨガセンター(IYC)&アシュタンガヨガジャパン主宰。日本のヨガ界の第一人者であり、ヨガフェスタの発起人のひとり。『ココロヨガ』(セブン&アイ出版)など著書多数。
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