心身の揺らぎを感じる世代に。日々の暮らしをからだを健やかに調える「養生手帳」を勧めたい理由
手帳歴は半世紀。ライターとして数々の手帳を取材しながら、「書くこと」の楽しさや、自分と向き合うための手帳の活用法を発信している、みやむらけいこさん。そんな手帳のプロが今回注目するのは、心と体を整えるための「養生手帳」。その特徴や、日々の暮らしに役立つ使い方を紹介します。
手帳売場にズラリと出そろった2027年の手帳の中から、50代女性にぜひ手に取ってほしいのが、この「養生手帳」だ。「手帳を開いて書くことで、自分をいたわり整える」と謳うこの手帳の魅力を、手帳歴半世紀の筆者の視点でお届けしたい。
「カラダに響く」を実感したら…
仕事を休んだり、寝込むほどではないけれど、季節の変わり目や雨の日、台風が近づく低気圧の日、室内から外に出たとき……
以前は平気だったことが少しずつ「カラダに響く」と感じるタイミングがある。
それは年齢のせいなのか、季節のせいなのか、睡眠不足が原因? それとも日々の疲れが積み重なっているのかも。
病院に行くほどではないけれど、なんとなくモヤッと調子が悪い。どこも痛くないし熱もないけれど、スッキリしない。
そんな経験はないだろうか。
スケジュールやタスクより「私」

一般的な手帳は、タスクやスケジュールの管理に使われる。
それに加えて昨今の手帳術ブームでは、内省、趣味ログ、目標達成などのコンテンツが増えたため、手帳のレイアウトは時間管理ができるタイプや日記や写真を貼ってログを楽しめるフォーマットが人気だ。
ところが、今回「養生手帳」の週間ページを開いて驚いた。
「good・bad・睡眠・便・運動・食事・こころ」という項目が並んでいる。時間軸はない。タスク管理のチェック欄もない。あるのは、自分のコンディションを観察するためのスペースだ。
思えば、スケジュールは「誰かとの約束」「仕事の予定」だし、タスクは「職場での進捗」「家での作業のあれこれ」。
どちらも、自分が身を置いている「環境」との折り合いをうまく合わせるためのトピック。
それに対して「睡眠・便・運動・食事・こころ」は、「私」を観察するためのテーマ。
つまり、「養生手帳」は、自分を見つめるための1冊だと言えそうだ。
続けると「私のトリセツ」が見えてくる

雨が降る前に頭痛がする。冷たいものを食べるとだるくなる。忙しい週の後は胃腸にくる。
他愛のないことに思えるけれど、これらの記録は、後に役立つ。
まだ自分では気づいていないけれど、睡眠時間が6時間を切ると午後から体が重いとか、揚げ物を食べると翌日おなかをこわすとか、そんな弱点が浮かび上がって気づきになる。
そう、「養生手帳」への記録は、自分の取扱説明書になる。
薬膳や漢方を知らなくても大丈夫

監修は人気女性漢方家の久保奈穂実先生。
難しい専門書とはひと味違って、スーパーで買える食材や季節ごとの過ごし方が紹介されている。語り口調もとてもやさしくあたたかく、二十四節気や気圧との付き合い方も自然に学べる。

興味深いのは「養生をしていたらよくなったことリスト」。
体調管理はつい不調探しになりがちだ。
でもこの手帳は、不調だけでなく、良い変化にも目を向ける。
「これはダメ」「あれはやめよう」だけではなく、ポジティブな目線も大切にしたい。
自分をいたわる時間を

手帳というと、つい生活の効率化を思い浮かべる。けれど養生手帳は少し違う。
頑張るためではなく、自分を知るための手帳。
1日24時間の中のほんの数分、自分の体や心と向き合う時間を大切にするための1冊だ。
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