バランスポーズ上達に欠かせない筋肉を鍛える「体幹筋トレ」【インナーユニット編】

 バランスポーズ上達に欠かせない筋肉を鍛える「体幹筋トレ」【インナーユニット編】
Sayaka Ono

ヨガの中でも特に体幹の筋力が必要なのがバランスポーズ。ポーズのアライメントを整えるだけでなく、同時に「体幹の筋トレ」を行って筋力をUPさせるのが上達の近道です!トレーニングは順番も重要。インナーユニット、アウターユニットの順に鍛えていきましょう。今回はインナーユニットの鍛え方をご紹介。教えてくれたのは、ヨガインストラクターの西川尚美先生!

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体幹筋は二層に分かれる

体幹に筋肉は多数ありますが、主に使う筋肉はインナーが横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋、アウターが腹直筋・腹斜筋・脊柱起立筋。

体幹筋は二層に分かれる
Illustration by Misako Nakagawa

インナーユニットを強化して体幹に強い中心軸を通す

まずは、インナーユニットを鍛えて、体の内側に強い軸をつくります。激しいトレーニングではなく、呼吸や座る、立つといった日常的な動きが、意識を変えることでトレーニングにチェンジします!

LESSON1:「ウジャイ呼吸」で腹横筋から鍛える
LESSON2体幹を真っすぐ立て全筋肉をスイッチオン
LESSON3内側重心バランスで筋肉&神経を刺激

の順に行います。

LESSON1:「ウジャイ呼吸」で腹横筋から鍛える

インナーユニットの中でも特に深い部分にあり、腹部を腹巻のように包む腹横筋は、呼吸でしか刺激できない部分。ヨガのウジャイ呼吸で効果的に鍛えましょう。

「ウジャイ呼吸
濃いピンク色の部分が腹横筋/Illustration by Misako Nakagawa

1.ハーッと息を吐いて口を閉じる

安定した姿勢で座り、右手を顔の前にかざす。鼻から息を吸い、右手に向かってガラスを曇らせるようなイメージでハーッと息を吐き、「ハーッ」でのどが開いた状態のまま、口を閉じる。

ハーッと息を吐いて口を閉じる
喉を開いたまま口を閉じる/Photo by Sayaka Ono

2.喉からかすかに音を立てながら呼吸【1分】

5秒間、息を深く吸い込むと同時に、胸をふくらませる。
POINT:お腹は吐くたびに、より凹ませるよう意識。

胸がふくらむ
息を吸う。胸がふくらむ/Photo by Sayaka Ono

5秒間、鼻から息を吐くと同時に、お腹を凹ませる。同時に、喉から軽くシューッと音を立てて。お腹をなるべく凹ませたまま、同様に吸って吐くのを1分繰り返す。

吐く
息を吐く。喉から音が出る。お腹を凹ませる/Photo by Sayaka Ono

鼻呼吸が苦手な人は「口すぼめ呼吸」からスタート

肩幅に足を開いて立ち、軽く膝を曲げ、上体を前傾させる。両手は太腿に当てる。鼻から息を吸い、腹圧を感じながら口をすぼめて吐き出す。5~10回行い、慣れたら鼻呼吸にチャレンジ。

口すぼめ呼吸
上体を前傾。膝を曲げる/Photo by Sayaka Ono

深く呼吸できない人は「胸まわりの骨の間をマッサージ」

「呼吸がどうしても浅くなる」という場合は、呼吸に関係する胸や首まわりの筋肉がこり固まっている可能性大。ほぐすと呼吸が入りやすくなります。

【あばら骨】
腕を上げ、肋骨の間に指の腹を当てて、背中~お腹まで大きくさする。左右各5往復。

あばら骨
Photo by Sayaka Ono

【鎖骨の下】
鎖骨の下に手をおき、指の腹で骨の際を左右にさする。左右各5往復。

鎖骨の下
Photo by Sayaka Ono

LESSON2:体幹を真っすぐ立て全筋肉をスイッチオン

体幹を真っすぐ立てる姿勢を作ることで、インナーユニットの全筋肉を連動させて鍛えます。坐骨の上に座るのが、真っすぐ立てるコツ。

体幹を真っすぐ立て全筋肉をスイッチオン
濃いピンク色全てを鍛える/Illustration by Misako Nakagawa

1.椅子に浅く腰掛ける

椅子に浅く腰掛け、足を肩幅に開く。足裏は床につけ、膝は直角に。
POINT:お尻の穴を締めると、お腹に力が入って◎。

椅子に浅く腰掛ける
膝は直角。足裏は床につける/Photo by Sayaka Ono

2.坐骨の上に座り体幹を立てる

足裏で床を踏み、体幹を起こす。坐骨の上に座るイメージで腰~背すじを真っすぐ伸ばし、お腹を引き込んで。深い呼吸を続けながら30秒キープ。

坐骨の上に座り体幹を立てる
お腹を引き込む。足裏で床を踏む。坐骨の上に座る/Photo by Sayaka Ono

NG:反り腰になる
姿勢を良くしようとして反り腰になるとインナーユニットに効かない。

反り腰になる
Photo by Sayaka Ono

LESSON3:内側重心バランスで筋肉&神経を刺激

内側重心で片足立ちになり、ユニットを正しいポジションに整えてキープ。バランスをとることで神経系も刺激され、筋肉が働きやすくなります。

内側重心バランスで筋肉&神経を刺激
濃いピンク色全てを鍛える/Illustration by Misako Nakagawa

片足立ちでバランスをとる

両足を肩幅に開いて立つ。右足の親指に重心をかけ、右腕と左脚を軽く上げ、互いに引っ張り合うイメージでバランスを30秒キープ。その間、深い呼吸を続ける。反対側も同様に。

POINT:慣れたら時間を延ばすと、効果が高まる。

片足立ちでバランスをとる
親指に重心/Photo by Sayaka Ono

できる人は:手脚を前後に振りさらに刺激

手脚を左右に振ってバランスをとることにチャレンジ。さまざまな方向から刺激でき、効果がUP。

1.背中を丸める。

背中を丸める
Photo by Sayaka Ono

2.胸を開く。

胸を開く
Photo by Sayaka Ono

 

教えてくれたのは...西川尚美先生
2004年、サンディエゴでヨガに出会う。帰国後、指導者としてさまざまなヨガを学び、特に「陰ヨガ」のポール・グリリー氏、サラ・パワーズ氏に師事。都内のスタジオで「整形外科ヨガ」「陰ヨガ」などを担当。

モデルを務めてくれたのは...野沢和香さん
雑誌やCMで活躍するモデル。2007年に全米ヨガアライアンスを取得し、ヨガ講師としても大人気。『野沢和香の1日5分体と心の不調を解決! おうちヨガLESSON』(小社刊)などの著書やDVDも好評。

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Photos by Sayaka Ono
Illustration by Misako Nakagawa
Text by Hiroko Suzuki
Hair&makeupby Chisa(ROI)
yoga Journal日本版Vol.58掲載



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体幹筋は二層に分かれる
「ウジャイ呼吸
ハーッと息を吐いて口を閉じる
胸がふくらむ
吐く
口すぼめ呼吸
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背中を丸める
胸を開く