マインドフルネスヨガのやり方や違いとは?ヨガ資格保有の公認心理師が解説
今回の記事では、マインドフルネスヨガとは何か。そして、マインドフルネスとヨガは何が違うのかといった、マインドフルネスヨガのやり方や違いについて解説していきます。
マインドフルネスとヨガの違いとは
マインドフルネスとは、今この瞬間に注意を向けてありのままに気づくことです。例えば、今この瞬間の呼吸に注意を向けて観察し、「うまくできていない」等と判断せずに、観察したものをそのまま受け入れます。一方で、ヨガとは「調和」「つながり」を意味する言葉で、呼吸やポーズ、瞑想などを通して心と身体が調和することを目指すものです。尚、日本のヨガスタジオでおこなうヨガはポーズを取るところに重きが置かれることが多く、エクササイズの要素が大きいかもしれません。つまり、マインドフルネスは、対象を客観的に観察し受け入れる姿勢を養うもので、ヨガは心や身体が調和することを目指すものです。何を目的とするかが異なりますが、どちらも呼吸や瞑想、動作などを通じて練習するところが共通点しています。
マインドフルネスヨガとは
マインドフルネスヨガは、マインドフルネスとヨガを組み合わせた実践方法です。ヨガのポーズ(アーサナ)、呼吸法、そして瞑想をおこないながら、その時々の身体の感覚や気持ちの変化等に注意を向けて観察していきます。動きが伴うことで集中しやすく、身体の感覚が変化するので気づきを深めやすいことが特徴です。呼吸に注意を向けるマインドフルネスでは集中できなかった人でも取り組みやすいといえます。ヨガやマインドフルネスには、ストレスの軽減、気持ちの安定等の効果があります。そして、ヨガのポーズをとることで、体の柔軟性が増し筋肉の緊張が解れることでより気持ちが落ち着きやすくなると考えられます。
マインドフルネスヨガはどこでおこなわれているの?
マインドフルネスヨガはしっかりと研究され医学的なアプローチとして取り入れられています。アメリカのジョン・カバットジン博士は、マインドフルネスを現代医学と結びつけた先駆者の一人であり、マインドフルネスストレス低減法(MBSR: Mindfulness-Based Stress Reduction)の創始者です。仏教の瞑想から宗教的要素を取り除き、様々な研究を通して科学的な形でマインドフルネスを広めました。そして、ジョン・カバットジンが提唱したMBSRプログラムでは、以下のアプローチがおこなわれています。
マインドフルネス瞑想:呼吸に注意を向けるもの
ボディスキャン瞑想:身体の各部位に注意を向けるもの
マインドフルネスヨガ:ヨガの動きを取り入れながら、体の感覚に注意を向けるもの
このようにジョン・カバットジンは、MBSRプログラムにおいてヨガをマインドフルネス実践の一部として取り入れています。
マインドフルネスヨガのやり方
マインドフルネスヨガのやり方の一例を紹介します。
1. 準備
動きやすい服装を選び、静かな落ち着ける場所を選びます。
2. 簡単なポーズ
呼吸と連動した優しい動きのポーズを選びます。例えば、胡坐の姿勢で座り、呼吸に合わせて両腕を上下させる太陽の呼吸や、猫と牛のポーズなど、シンプルなものがおすすめです。
3. 感覚に意識を向ける
ゆっくりと動きながら、身体の感覚に意識を向けます。例えば、どの筋肉が使われているのか、どの部分が伸びているのか等、変化していく感覚を丁寧に観察します。
4. 判断しない
身体の柔軟性やポーズの見た目等、正しくやることを気にせず、「身体が硬くてダメだ」など判断や自己批判はせずに自分の体験をそのまま受け入れます。
マインドフルネスヨガはただのエクササイズではなく、「身体を通じた気づきの実践」として新たな視点を与えてくれます。興味がある方は良かったら試してみてください。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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