【先輩の選択】ラジオDJ・ナレーター秀島史香さんがたどり着いた生きやすさの選択

 【先輩の選択】ラジオDJ・ナレーター秀島史香さんがたどり着いた生きやすさの選択
腰塚安菜
腰塚安菜
2024-07-26
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自分のためのメモ、外出先を使って余裕と下準備。 秀島さんの毎日に迫る

——秀島さんのお仕事やご家庭でのセルフマネジメント術やスケジューリングの影の努力はきっと想像を超えたものがあるのだろうと思っています。

秀島さん:そうですねえ。大切にしているのは、ものごとにうまく優先順位をつけること。一日って24時間しかないのですから、私も永遠の課題だなと思います。

優先順位づけはある意味スキルで、「経験がものを言う」と思います。練習すれば上手になってくると信じながら、自分のスケジューリングやマネジメントをしていますね。

具体的に言うと、朝起きて、まず今日すべきことをメモにリストアップしてみます。今日はこの原稿を書いて、ゲラをチェックする。この人にメールをする。そうしてメモしておくと「あれもこれもどうしよう」と不安にならないんですよね。

全部が「作業」になってしまうのもせつないですから、なるべく自分がたのしくなるようにスケジュールを設定するようにしています。自分と約束すると、できない約束はしないようになりますよ。

——自分と約束をすること。自分時間を大切にしていらっしゃることが日々のSNSからも伝わってきます。

秀島さん:「自分時間のプレゼント」という感じですかね。家から仕事にドアツードアで行くと、出かける直前まで家事をやってしまいたくなってしまうので……ここからは仕事だぞ、という時、外をうまく使います。

「全集中」できる場所は、行く先々で何か所か持っておきます。仕事も捗りますし、自分を喜ばすこともできる場所。たとえば、収録は時間に余裕を持って早めに家を出て、スタジオの近くのカフェに行って、収録や放送の前に最後の予習をしています。「バッファ」のような感じで、自分を整える時間をとるようにすれば、気持ちも和らぎますね。
 

豊島屋 鎌倉駅前扉店「パーラー扉」にて

——秀島さんがご発信してきた中で「下ごしらえ」と呼んでいる下準備のテクニックに興味がありました。

秀島さん:下ごしらえ、下準備って、やり方は人それぞれですけれども、私は圧倒的に準備しておく派です。たとえ、そんなに準備がいらなかったという結果になっても、ラジオDJは気持ちが全部声に出てしまう職業ですし、自分の気持ちを穏やかにして臨むためでもあります。

下準備は、あらゆることで自分のテーマにもなっていますね。やっておきたいという気持ちだけでなくて、知りたいという私の気持ちも反映されています。たとえば、イベントの司会など大きなプロジェクトの前は、特に自分のための情報集めを意識しています。事前に資料を集めて、調べる。

そうですね……例えばポルトガル料理に詳しい方に会うとなったら、本を読んだり、ネットで調べたり。そうすることで日々の暮らしの中で「ポルトガル」という文字を見ればセンサーが働いて、自動的に反応します。

そこで「ポルトワインってポルトガルだっけ」「ポルトガルの主食ってなんだろう」と自分の中でいくつも疑問符を出します。がちがちのリサーチ!ではなく、好奇心を起点にふんわりとした下ごしらえをするんです。

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腰塚安菜

腰塚安菜

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代から一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会で「ソーシャルプロダクツ・アワード」審査員を6年間務めた。 2016年よりSDGs、ESD、教育、文化多様性などをテーマにメディアに寄稿。2018年に気候変動に関する国際会議COP24を現地取材。 2021年以降はアフターコロナの健康や働き方、生活をテーマとした執筆に転向。次の海外取材復活を夢に、地域文化や韓国語・フランス語を学習中。コロナ後から少しずつ始めたヨガ歴は約3年。



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