【ホルモンバランスや老化をつかさどる「腎」をケア】冬におすすめのじっくり陰ヨガポーズ2選
寒さでこわばる身体や無意識に貯まるストレスなど、現代社会を生きる私たちは常に何かしらの緊張とともに生活をしています。求めずともたくさんの情報の波にさらされ、慌ただしく毎日を過ごすひとにこそ取り入れてほしい、じっくりと今に留まり心身をケアする「陰ヨガ」についてご紹介します。
陰ヨガとは?
さまざまなヨガの流派の中で最も1つ1つのアーサナに時間をかけてポーズをとるのが陰ヨガです。
ポーズのキープ時間が3〜5分と長く、深い呼吸とともに時間をかけてポーズをとることで、体の奥にある骨や関節をつなぐ結合組織に意識を向け、気の通り道である経絡を刺激するといわれています。経絡とは、ツボとツボを結んだ線のこと。心身のエネルギーの通り道であり、筋肉と筋膜の間にあると考えられています。経絡の気の流れを整え、時間をかけてじっくりとポーズをとることで関節の可動域を広げ、心身の柔軟性を高めます。慌ただしく毎日を過ごすなかで乱れがちな自律神経を整えるにも陰ヨガは大変効果的なヨガといえます。
冬の陰ヨガで「腎」をケア
東洋医学では冬の時期、ホルモンバランスや老化をつかさどる「腎」の働きが弱くなるといわれます。
「腎」が弱まると、身体全体の陰陽バランスが乱れて全身への不調が起きやすくなります。また、冬は寒さから身を守るために生命エネルギーを内向きにして「気」を溜め込もうとします。このときに身体を寒さにさらしたり過度にストレスがかかったりすると「腎」を弱めることに繋がります。
陰ヨガのポーズは筋膜などの結合組織や骨など、身体の深層部を刺激することで心身のエネルギーの通り道である経絡、つまり「気」の流れを整えることができます。陰ヨガでは、冬は腎と膀胱の経絡が通る身体の背面を刺激し、脊柱周りや足腰の血流を促すことで気の流れを整えていきます。1つのポーズにたっぷりと時間をかけながら心身のリラックスを促し、「腎」のエネルギーを蓄えましょう。
おすすめ陰ヨガポース
バタフライポーズ
足裏を合わせた合蹠(がっせき)の状態が蝶の羽根のように見えることからバタフライポーズと呼ばれています。
合蹠前屈で身体の背面を伸ばしながら、内ももを流れる肝臓、腎臓、膀胱などの経絡を刺激して骨盤周りの血行を良くする効果があります。
《やり方》
1.両足裏を合わせて合蹠。親指は離れてよいので、股関節まわりが快適な状態で座る
2.息を吸って腰から背筋を伸ばし、吐きながら上体を前に倒して両手を床につく
3.首や方の力を抜き、股関節への心地よい圧と背面の伸びを感じながらお腹でのゆったりした呼吸を3〜5分続ける
4.戻るときは両手で床を押しながら、吸う息でゆっくりと頭が最後になるように起き上がる
サドルポーズ
太ももの前側と体幹を伸ばし、骨盤の歪みや反り腰の改善を促すポーズです。あご下から恥骨まで身体の全面を背骨のラインに沿って流れる「任脈」と呼ばれる経絡を刺激します。
様々な不調を改善するといわれており、冬に体調を崩しやすかったり風邪をひきやすいひとにおすすめです。
《やり方》
1.割座で座り、膝を少し開く。脚の甲は寝かせる
2.両手を床につけて肘を下ろす。前ももの張りがつらい場合はこの場所でキープ
3.息を吐きながら背中まで床に降ろして仰向けになったら両手を頭の上へ伸ばしてバンザイ、又は両肘を両手で掴む。
膝をなるべく内に寄せ、浮いた腰は空間を埋めるように床に沈めながら3〜5分深い呼吸を続ける。
※腰に違和感があれば、背面にブランケットやボルスターを敷いて調整しましょう。
4.戻るときは両手を床に付き、手で床を押しながら頭から上半身の順でゆっくりと起き上がる。
AUTHOR
manami
2012年より某大手ホットヨガスタジオにて約10万人に向けレッスンを行う。店長として新店舗立ち上げに多く携わりながら、トップインストラクター、インストラクター育成トレーナーを兼任。店舗運営や人材育成を行うスーパーバイザーとして関西十数店舗を担当し独立。オーストラリア、フランスに渡りサスティナブルな生活を学ぶ。帰国後、京都を拠点に非公開寺院でのお寺ヨガ開催や、ウェルネスホテルでのヨガクラス、オーガニックブランドとのタイアップイベントなど、ヘルシーなライフスタイルの提案を行っている。RYT200・500指導者養成講座トレーナーとして全国各地でリトリート開催、オンラインや対面講座を行う。ライター、イラストレーター、プランナーとしても活動中。 マタニティヨガTTC/ムドラーヨガTTC /骨盤底筋TRヨガTTC /美骨盤ヨガTR /シニア&チェアヨガTR /タイ古式マッサージセラピスト(タイ政府認定)/ナチュラルビューティースタイリスト/サウナスパ健康アドバイザー
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