足首が硬くて「しゃがめない人」はやってみて!理学療法士による「足首パタパタ体操」
「足首が硬くてしゃがめない」という人はいますか?実はそのままでは様々な弊害が生じる可能性があります。足首が硬いと良くない理由と、硬さを解消する「足首パタパタ体操」を理学療法士の堀川ゆきさんが教えてくれました。
足裏をつけたまましゃがめるか
早速ですが、かかとが地面についたまま完全に下までしゃがめますか?ファンクショナルスクワットテスト(足関節背屈可動域検査法)をやってみましょう。腰幅に足を開き、和式トイレの姿勢のように下までしゃがみます。
下までしゃがめない人や、後ろにひっくり返ってしまう人は、ぜひ今回紹介する体操を行ってくださいね。
足首が硬いと危険な理由
足首は可動域が非常に大切な関節です。主に3つの理由があります。
歩行の前方への体重移動に重要な役割
足首は、重力という地球のエネルギーを、運動連鎖によって膝や骨盤や腰、首へと上の関節につなげていく最初の重要な関節です。そのため足首の可動域に異常があれば、上の関節に影響を与えます。
腰椎が過剰に前弯して腰痛の原因に
足首の硬さを補うために、腰椎が過剰に反ってしまい、本来の姿勢が崩れて腰痛の原因になる可能性があります。身体はいろんな箇所でそれぞれの足りない動きを補い合っているからです。
捻挫やつまずきの原因に
足首の硬さは捻挫の潜在的な原因の一つです。スポーツなどの際に力を吸収するはずの足首が硬いと捻挫を引き起こすことがあります。また背屈制限により、日常ちょっとした段差につまずいて転倒するリスクも上がります。
足首パタパタ体操
今回はたった一つだけの簡単な体操を紹介します。その名も「足首パタパタ体操」です。
まず写真のように、足首の後ろ側のちょうどアキレス腱の辺りを親指と人差し指とでギュッとつまみます。
ギュッとつまんだままゆっくりと、つま先を前に倒したり(底屈)、つま先を起こしたり(背屈)を10回繰り返します。「底屈+背屈」をセットで1回とカウントします。ポイントは、丁寧にゆっくりでいいので、目いっぱい限界まで底屈して、目いっぱい限界まで背屈することです。
次に、つまむ位置を少し上にずらしてまた10回底屈と背屈を繰り返します。それができたらまたつまむ位置を少し上にずらして10回底屈と背屈を繰り返します。全部で3カ所つまんで行うので、合計30回パタパタと底屈と背屈を繰り返すことになります。
足首パタパタ体操の体勢は、この写真の通りでも良いですが、イスに座り片膝の上に反対側の足首を乗せて片脚であぐらをかくような体勢ででも可能です。やりやすい体勢でどうぞ。
まとめ
足首が硬くてしゃがめない人は、患者さんでもよく見かけます。「まぁ、いいか」のままでは、歩行の制限、腰痛や姿勢の崩れ、捻挫など、いろんな弊害を生み出します。前回紹介したコラムhttps://yogajournal.jp/21060ではまた別の4つの足首エクササイズを紹介しているので、併用すればより効果的です。ぜひ試してくださいね。
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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