【尿漏れ解消】会陰の筋肉「骨盤底筋群」を鍛えよう!理学療法士によるペリネトレーニングとは?

 【尿漏れ解消】会陰の筋肉「骨盤底筋群」を鍛えよう!理学療法士によるペリネトレーニングとは?
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堀川ゆき
堀川ゆき
2023-09-28

7割の女性が悩んでいるといわれている尿漏れや頻尿といったトラブル。その原因は骨盤底筋群の衰えです。その骨盤底筋群の鍛え方を、理学療法士の堀川ゆきさんが教えてくれました。

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骨盤底筋群とは?

骨盤底筋群とは、その名の通り骨盤の底にある複数の筋肉の総称です。体幹のインナーマッスルの一つで、目立たない筋肉ですがとても重要な筋肉です。どのような働きをするかというと、

・排尿や排便のサポート
・子宮や膀胱などの内臓を下から支える
・尿道、腟、肛門を絞めたり緩めたりする
・姿勢を支える
・呼吸を補助する

などがあげられます。

骨盤底筋
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骨盤底筋群が衰えると?

骨盤底筋群は加齢とともに衰えていきます。骨盤底筋群が衰えると、尿漏れ、頻尿、姿勢が悪くなったり、腰痛などの原因になったりします。特に尿漏れや頻尿といった症状は7割の女性が悩んでいるのが現状です。そのうち3割は20代の女性だということも驚きです。30代を含めると全体の6割にのぼります。咳やくしゃみをしたはずみに「あれ?」と漏れてしまう経験のある人は、年齢問わず意外と多いことが分かります。そのような尿漏れの原因は、

・骨盤のゆがみ
・妊娠や出産によるダメージ
・加齢による骨盤底筋群の衰え

が主な原因です。

ペリネトレーニング

骨盤底筋群や骨盤底全体のことを、フランス語で「ペリネ」といいます。欧米諸国のうち特にフランスでは女性のペリネケアのためのリハビリ施設が普及していて、産後の女性に限らずリハビリが受けられます。また産後の女性のペリネのリハビリは常識となっています。日本ではまだそこまで認知されていないですよね。

今回はイスに座って行うペリネトレーニングを3パターン紹介します。薄手のフェイスタオルを縦に長細く折り、それをロールケーキのように丸めたものを用意します。それをちょうど尿道・腟・肛門、この3つの穴にかかるようにイスの上に縦に置いてその上に腰掛けます。

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photo by Yuki Horikawa
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photo by Yuki Horikawa

①10秒間ギュ〜

タオルを3つの穴から吸い上げていくようなイメージで、息を吐きながらギュ〜っと10秒間一定に力を入れ続けます。10秒経ったら吸って力を緩めます。これを3回繰り返します。

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②10回ギュッギュッ

タオルを3つの穴から上に吸い上げるようなイメージで、息を吐きギュッと力を入れて、吐いて緩めるという動きをリズミカルに10回行います。これを3回繰り返します。

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③10秒でだんだんギュ〜

タオルを3つの穴から吸い上げていくようなイメージで、息を吐きながら1から10秒まで頭で数えながら徐々にギュ〜っと力を入れていきます。10で目一杯力を入れたら、今度は吸いながら10から1まで頭で数えながら徐々に力を抜いていきます。1で完全に脱力します。これを3回繰り返します。

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photo by Yuki Horikawa

まとめ

ペリネトレーニングのポイントは呼吸です。息を吐く時は腟を上に引き上げるような感覚からスタートします。例えば、歯磨き粉のチューブを真ん中でギュッと握ると、中身が上下にムニュッと分かれてしまいますよね。そうではなく、残り少なくなった歯磨き粉を下から巻いて丁寧に上に押し出していくようなイメージです。そのイメージで、骨盤底筋群から締めて口に向かって上へ上へと息を吐き出していきます。

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イラストACより改変

ペリネトレーニング3パターン、毎日続けると必ず感覚がつかめます。そして無理ない自然な骨盤底筋群への力の入れ方が日常でも意識できるようになります。骨盤底筋群を鍛えて尿漏れとバイバイしましょう!

参考:
前田慶明「尿もれ、下腹ぽっこり解消! 骨盤底筋の使い方」池田書店,2020

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AUTHOR

堀川ゆき

堀川ゆき

理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。



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