衝撃!ヨガの「キャット&カウ」は背骨に悪い!?理学療法士オススメ改良版「キャット&カウ」とは?

 衝撃!ヨガの「キャット&カウ」は背骨に悪い!?理学療法士オススメ改良版「キャット&カウ」とは?
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堀川ゆき
堀川ゆき
2023-09-02

ヨガでおなじみの「キャット&カウ」。でもこのポーズで痛みや違和感を感じている人はいませんか?より安全で有効な改良版「キャット&カウ」を、理学療法士の堀川ゆきさんが教えてくれました。

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「キャット&カウ」とは?

ヨガでおなじみの「キャット&カウ」。これをヨガクラスでやらないことはないと言っていいほど、定番のエクササイズとなっています。四つ這いで呼吸とともに背中を丸めて反らせてをくり返す、とても気持ちのいいエクササイズです。

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イラストAC

でも、この「キャット&カウ」で痛みや違和感、息苦しさを感じたことのある人はいないでしょうか?私自身も経験があり、特に妊娠中や産後しばらくは圧迫感を感じたり、腰の痛みや手首の痛みを感じることがあって「キャット&カウ」が気持ちよくできない時期がありました。

また「キャット&カウ」はリハビリでも大変有効なエクササイズです。腰痛や体幹の硬さの解消のため患者さんに行ってもらうことが多いのですが、腰や腕の痛みが誘発されたり、息苦しくてできないという患者さんが少なくないことも以前から気になっていました。

通常の「キャット&カウ」

・胴体と腕や脚の角度が90度になるように、垂直に床につく(肩の真下に手首、骨盤の真下に膝)

・手と膝それぞれに常に均等に体重を乗せる

・丸める時は、背中全体を真上に引き上げ押し上げる

・反らす時は弓なりに、お尻を真上に突き出しおへそを真下に下げる

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photo by Yuki Horikawa

改良版「キャット&カウ」

・手のひらは肩の真下よりも20センチほど前方につく

・重心は手のひらではなく常に膝に乗せたまま

・丸める時は、お尻を後方に丸め、肩は前方にそれぞれ引き伸ばす

・反らす時は、お尻を後方に突き出し背中を少し凹ませる

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photo by Yuki Horikawa

改良版「キャット&カウ」を試してみると、違いがはっきりと分かると思います。手と膝との間隔を広くすることで、背骨を十分に引き伸ばせることができ、呼吸も解放されます。そして肩周りの運動も兼ねられます。また、重心を膝に残したまま曲げ伸ばしをくり返すことで、手首や腰への負担や痛みもグッと軽減します。

通常の「キャット&カウ」では、一方に折り曲げた背骨を今度は逆方向に折り返すことをくり返して、背骨に圧縮ストレスを与え続ける可能性があります。針金もクネクネと反復して曲げていると最後は折れてしまいますよね。また、手と膝との間隔が狭いため、これでは背骨の伸びや呼吸を十分に味わうことができません。丸める時には背骨は過度に圧縮されて丸まり、呼吸にも圧迫感を感じやすいです。反らす時に腰は反り過ぎると同時に、お腹は伸び過ぎてしまいます。

まとめ

通常の「キャット&カウ」と改良版「キャット&カウ」の違いや効果を実感してもらえたでしょうか?鏡を見ながら正確なフォームを確認しつつ体感してください。もちろん通常の「キャット&カウ」で心地よさを感じられるのならそちらでも良いと思います。改良版「キャット&カウ」は腰痛など症状がある時、妊娠期や産後しばらくの間、また通常の「キャット&カウ」では痛みや違和感を感じる人にお勧めです。

参考:Bernadette de Gasquet「女性の美と健康を支えるGasquetアプローチ 妊娠・出産でもっと輝く女性のからだのケアガイド」メディカ出版,2012

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堀川ゆき

堀川ゆき

理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。



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