ピキッと走る激しい痛み【20代でも起こりやすい】ぎっくり腰になりやすい人の特徴とは?医師が解説

 ピキッと走る激しい痛み【20代でも起こりやすい】ぎっくり腰になりやすい人の特徴とは?医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2023-12-08

ぎっくり腰になりやすい人の特徴について医師が解説します。

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ぎっくり腰とはどのような病気か

重いものを持ち上げた時や洗顔をするために前かがみになった時、またくしゃみをした時など、ちょっとした動作がきっかけとなってぎっくり腰を発症するケースが多いです。ぎっくり腰の症状は、突然起きる腰の激しい痛みが特徴であり、痛みの程度は人によってさまざまですが、ひどい場合には身動きがとれなくなるほど強い痛みが生じます。重い荷物を持ち上げようと前かがみになった瞬間、腰にピキッと激しい痛みが走る状態は、「ぎっくり腰」と呼ばれる腰痛です。

慢性的に腰痛に悩まされている人は全国で約2800万人いるとされ、一生のうち約8割以上の人が腰痛に悩まされると言われています。いわゆるぎっくり腰という名で広く知られている腰痛の症状は、医学用語では「急性腰痛症」と呼んでいて、その痛み症状の程度は人それぞれですが、ひどい方では動けなくなることもあるほどの強い痛みに襲われることが特徴的です。

ぎっくり腰になりやすい人とは

ぎっくり腰は、高齢者や老年者が発症するものだと思っている方も多いかもしれませんが、20~30代の若年者でもぎっくり腰になることもあります。

ぎっくり腰の原因は、一般的には筋肉やじん帯、背骨の炎症などが考えられますが、レントゲンをとっても画像には写らず、明確な原因を特定するのは難しいとされています。習慣的に猫背になっていたり、前かがみの姿勢のまま作業をすることが多かったりすると、知らず知らずのうちに腰部に負担がかかります。また、重量物を持ちあげる際や、子どもを抱っこする時など、腰部だけをかがめた前かがみの姿勢で持ち上げる習慣を有する人は、慢性的に腰部への負担が大きくなり、ぎっくり腰を引き起こしやすくなってしまいます。さらに、ぎっくり腰の原因には心理的・社会的要因があることもさまざまな研究結果から分かっていて、一度ぎっくり腰の痛みを経験してしまうと、どうしてもその痛みに対しての不安やストレスを感じてしまう傾向があります。

ぎっくり腰
ぎっくり腰は、高齢者や老年者が発症するものだと思っている方も多いかもしれませんが、20~30代の若年者でもぎっくり腰になることも。photo by Adobe Stock

ぎっくり腰の治療予防策は?

ぎっくり腰になってしまうと激しい痛みから焦ってしまいがちですが、まずは落ち着いてしばらく安静にして症状が改善するのを待ちましょう。ぎっくり腰になってしまった場合は、まずは腰を軽く曲げて「くの字」の姿勢で横になる、患部を冷やす、痛みが強い場合は痛み止めを服用する、コルセットなどで腰を固定するなどのセルフケア対策を実践しましょう。注意点としては、長期の安静は逆効果ですので、ある程度痛みが残っていても、できるだけ普段通りの生活を心がけて、自分でできるストレッチなどを取り入れることで、結果的に症状の回復が早くなる場合もあるということを認識しておきましょう。痛み止めやコルセットなどは、痛みが強い時のみ使用するようにし、数日経過しても痛み症状が強く残るようであれば、整形外科を受診するようにしましょう。

普段から、重い荷物を持つ際には、しっかりお尻を突き出して胸を張るような姿勢をとって、おへその近くで重いものを持つことによって腰部への負担が減り、ぎっくり腰の発症予防につながると考えられます。

まとめ

これまで、ぎっくり腰とはどのような病気か、ぎっくり腰になりやすい人の特徴やその治療予防策などを中心に解説してきました。重い荷物を持ち上げようと前かがみになった瞬間、腰にピキッと激しい痛みが走る場合には、いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる腰痛を疑います。

ぎっくり腰の代表的な症状は、突然起きる腰の激しい痛みが特徴であり、痛みの程度は人によってさまざまですが、ひどい場合には身動きがとれなくなるほど強い痛みが生じます。ぎっくり腰になってしまった場合は、まずは自宅で腰を軽く曲げて「くの字」の姿勢で横になる、患部を冷やす、痛みが強い場合は痛み止めを服用する、コルセットなどで腰を固定するなどの応急処置を実施しましょう。ぎっくり腰になった時、急性期はできれば安静にした方が良いと考えられていますが、症状が改善すれば腰部周囲の筋肉を鍛えることも重要なポイントとなります。ぎっくり腰に伴う腰痛の症状が継続、あるいは悪化する場合には、最寄りの整形外科など専門医療機関を受診するようにしましょう。

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甲斐沼 孟

甲斐沼 孟

大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。



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