【しゃがむと腰が痛くなる人必見】長時間しゃがんでも腰に負担がかからない簡単な方法

 【しゃがむと腰が痛くなる人必見】長時間しゃがんでも腰に負担がかからない簡単な方法

思考から体の使い方を変える方法を提案するシリーズ、21回目のテーマは「しゃがむと腰が痛い」です。不必要な緊張が体の使い方に与える影響を探求するアレクサンダーテクニークの実践者が、慢性的な体の痛みなどの「負」とそれを引き起こしているであろう「思い込み」について、解剖学的な視点を交えて考察し、思い込みによってしゃがむと腰が痛くなる仕組みをひも解きます。大掃除でしゃがむ機会が多くなるこの時期、思うだけでOKの簡単イメージ術で乗りきりましょう!

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しゃがむ=「上半身を下へ」の思い込みによって腰が痛くなる

床を磨いたり、棚の低い段を掃除するために長時間しゃがんでいると、腰が痛くなることがあります。立ちっぱなしで疲れたから休むつもりでしゃがんだのに、なぜか腰や背中が余計に重く感じたという経験をした人もいるでしょう。しゃがんだままでいると、なぜ腰が痛くなるのでしょうか?

それはしゃがむという姿勢に対する思い込みのせいかもしれません。「しゃがむとはお尻を降ろして上半身を下の方にキープすること」というような概念があるとしたら、それが巡りめぐって腰に負担をかけている可能性があります。

「下」の方に意識があると胸が落ちて腰に負担がかかる

「下の方へ」と思っていると、意識は自然と目線より下に集中し、それに伴って胸が落ち、首の後ろも詰まりがちになります。胸を落とすことを脱力やリラックスととらえることがありますが、実際には胸の土台となる脊椎を支える筋肉を縮めて、必要以上の力を入れていることでもあります。つまり逆の方向に緊張しているととらえることもできるのです。

また、落ちた胸に合わせて背中が丸まり、首の後ろが縮まって詰まっているため、あごも出やすくなります。脊椎は緩やかなS字カーブによって疲れない姿勢を保てる構造をしていますが、胸が落ちるとそのカーブが崩れてしまうというわけです。そんな状態で上半身のバランスを無理に支えるので、腰に余計な負担がかかるのです。

「下」の方に意識があると体に起こること
illustration by Mia Hotaka

「下」の代わりに上半身の長さを思い出そう

落ちた胸を元に戻すにはどうしたらいいのでしょう。無闇に引き上げても、別のところが緊張して痛くなるだけです。
解決策としては、自分の上半身がいかに長いものであるかを思い出すこと。そこで2通りのイメージ法をご紹介します。

イメージ法1. 骨格を思い描く
頭の中で骨格を思い描くことは、それだけで体に大きく影響します。そこで「脊椎はS字カーブを描いている。頭は脊椎の先で自由に動ける」と思ってみましょう。稲穂のように、脊椎の先で頭がゆらゆら動いている様子をイメージするのもいいかもしれません。
頭は以外と意識から外れがちです。立っていても、しゃがんでS字カーブが変形したとしても、頭は脊椎の先で、常に自由に動けていると思ってくださいね。

イメージ法1. 骨格を思い描く
イラストAC & illustration by Mia Hotaka

イメージ法2. 感触を通して脳を刺激する
体のパーツを触って脳に刺激を与えるのも有効な手段です。片手で頭頂部、もう一方の手で坐骨を触りましょう。 感触を通じて「私の頭はここだな、坐骨はここだな、上半身はここからここまであるんだな」と実感できれば、それに合わせるように体も変化してくれます。

イメージ法2. 感触を通して脳を刺激する
イラストAC & illustration by Mia Hotaka

上半身の長さを思い出すと緊張状態から抜け出すことができ、腰への負担も減ります。特別なトレーニングなどしなくても、頭に思い描くだけ、あるいはちょっと触ってみるだけでいいので、長時間しゃがんでいて腰が痛いと感じたら気軽に試してみてくださいね。

 

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AUTHOR

ホタカミア

ホタカミア

ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。



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