【なで肩の人必見!】肩にかけたバッグがずり落ちるときに試してほしい、体の使い方を変える「思考術」
激痛ではないものの慢性的に続く鈍い痛みや、ちょっとした動きの中で起こるイライラなど、原因がはっきりしないまま悩まされる体の「負」。それらはあなた自身がなにをどう思って行動しているかという思考に起因しているかもしれません。必要以上の緊張を解放し、効率的な体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークの実践者が、体の「負」と根底にある思い込みについて、解剖学的な視点を交えて考察。思考から体の使い方を変える方法を提案します。14回目のテーマは「なで肩でバッグがずり落ちる」です。
バッグがずり落ちるのは肩にしっかりかけようと思うから
バッグを肩にかけて歩いていると、ショルダーストラップがズレてきて落ちそうになることがあります。それを防ごうとしてバッグをかけている肩に力を入れて持ち上げたり、かけ直したりを繰り返すのはよくあることですね。なで肩だから仕方がないと、諦めている人もいることでしょう。しかしながら、バッグが肩からずれるのはなで肩のせいだけではないのかもしれません。
バッグを肩にかける際に、ずり落ちないようにしっかりかけようとして、バッグを自分からお迎えにいってはいませんか?
そして、無意識にバッグを肩の奥の方へ押し込んではいませんか?
そんな無意識の行動がバッグがずり落ちやすい状態にしている可能性があります。
バッグに肩を合わせようとして“疑似なで肩”を自分で作る
バッグを肩にしっかりかけようと思うと、肩をバッグのショルダーストラップに通すために肩周りの筋肉を固めてしまいます。ショルダーストラップに合わせて、肩をセットしてしまうのです。
このように、肩の先を前に突き出してショルダーストラップを通しやすい形を作り、ショルダーストラップが肩の奥の方へ収まってから、肩の先を後ろに引き肩甲骨を背中に寄せて安定させるということを行なっています。これによって首や肩の筋肉が必要以上に収縮して、首から肩甲骨の肩峰までのラインが短く堅くなります。無意識のうちに自分で“疑似なで肩”にしてしまっているようなものです。
バッグをお迎えにいくのはやめて、バッグがやってくるのを待つだけ
そこで自分をバッグに合わせるのではなく、バッグを自分に合わせるという考え方をしたらどうなるでしょう。具体的には次のように考えながら、バッグを肩にかけてみてください。
1. 肩の方向性を思い出す
「頭は脊椎の上でバランスをとっていて、肩は外の方へ向かって広がるように伸びているものだ」ということを思い出します。
2. バッグが自分の肩にやってくると思って、バッグを肩にかける
次に肩にかける方とは反対の手でバッグを持ったら、「バッグのショルダーストラップが自分の肩の上にやってくる」とだけ思って、バッグを肩にかけてください。ちなみに肩の奥の方にまでかける必要はありません。肩鎖関節(肩甲骨の肩峰と鎖骨の先のつなぎ目の関節)から少し入ったくらいにうまく収まるところがあります。
肩がどの方向へ向かって伸びているのかを認識し、自分はバッグを迎えるだけでいいと思うと、肩周りで余計な準備をする必要がなくなり、肉体的にも精神的にも楽になるはず。バッグのずり落ち防止に必要なのは、こんなちょっとした思考の変化で十分なのです。
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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