【知るだけで変わる】あぐらや安楽座で股関節が詰まる人必見!股関節の可動域を広げる「脚の組み方」

 【知るだけで変わる】あぐらや安楽座で股関節が詰まる人必見!股関節の可動域を広げる「脚の組み方」
AdobeStock

日常生活で私たちは動作を意識して行なうことはほとんどありません。そして意識的ではない動作は、「〜しよう」という気負いや「〜しなければ」といった義務感に基づいた思い込みで支配されていることがあります。それらの思い込みは、体のどこかに違和感や痛みを招く要因となることも。緊張から自分を解放して効率的に体を使う方法を探求するアレクサンダーテクニークの実践者が、違和感や痛みなどの体の「負」とそれにまつわる思い込みについて、解剖学的な視点を交えて考察。思考から体の使い方を変える方法を提案します。今回のテーマは「股関節が硬い」です。

広告

あぐらで股関節が詰まるのは脚を折り畳もうと思っているから

ヨガの安楽座やあぐらのように膝を外側へ広げて座ると股関節が詰まる、痛いと感じることはよくあると思います。固まった股関節を柔らかくするストレッチとして、安楽座から片脚を両手で抱えて左右に揺らすエクササイズもありますね。でも片脚は気持ちよく股関節で動かせるのに、もう一方の脚はぎこちない揺らし方になってしまうと悩んでいる人は少なくないのではないでしょうか。

日常生活の習慣によって、股関節周りの筋肉が凝り固まっているというのは事実です。しかしながら、無意識に思い込んでいる思考がそもそも筋肉を固まらせるような脚の組み方をさせている場合もあります。あぐらとは脚を折り畳むことだと思って、無闇に足を胴体の方に引き寄せようとはしていませんか?

足を引き寄せようとして過剰な力が入り、脚を組む順番が混同する

足を引き寄せようと下半身にフォーカスしているとき、意識は目線より下に下がって、頭で脊椎を押し下げるという現象が起こります。そうすると、脊柱起立筋群などの姿勢を保つ筋肉に必要以上の力が入ります。脊椎に連なる骨盤や脚にも同様に押し下げが起こり、股関節周りの筋肉が硬くなるのです。

また、あぐらの状態に脚を組むために必要なことは、股関節の外旋・外転と膝の屈曲です。股関節と膝は連動しているので、どちらかが動けば、もう一方も自然と動かしたくなるものですが、あぐらのように極端に脚を折り畳む場合、動作を急ぐあまりに股関節の外転・外旋と膝の屈曲の順番がごちゃまぜになって、余計な力みにつながることがあります。

このように上半身から始まる必要以上の力みと脚の動かし方への認識不足が、股関節の可動域に制限をかけてしまうのです。

全身の連動性を意識して、脚を折り畳む順番を整理しよう

あぐらをかくときには、次のことを片脚ずつ実践してみてください。

1. 全身の連動性を意識する
脚を前に伸ばした長座で座って、「頭は脊椎の上でバランスをとっている」と思う
 

全身の連動性を意識する
photo by Mia Hotaka


2. 股関節の外旋
片方の座骨の方に重心を移動させ、反対の脚のつま先と膝を軽く外側へ向ける

股関節の外旋
photo by Mia Hotaka


3. 股関節の外転と膝の屈曲
「膝は外側へ向かい、そしてかかとは自分の方に近づいてくる」と思いながら足を体に寄せる

関節の外転と膝の屈曲
photo by Mia Hotaka

両脚一緒に行なうとうまくいかないことがあるので、必ず片脚ずつ行ないましょう。意識を頭を含めた全身に向けるとともに、脚を折り畳む順番を整理して動かすため、筋肉の過剰な力みがなくあぐらができるはず。これまで左右で可動域に違いがあると悩んでいた人は、無意識に順番通りに動かせていた脚とそうでない脚があったのかもしれません。

※本記事ではくるぶしから先の部分を足、太もも・脛・足を含めた全体を脚と表記しています。

広告

AUTHOR

ホタカミア

ホタカミア

ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

全身の連動性を意識する
股関節の外旋
関節の外転と膝の屈曲