【意識を変えるだけ】PC作業で肩が凝る人必見!長時間パソコンとにらめっこをしても肩が凝らない方法
私たちは日常生活で、特にこれといった意識もせずに様々な動作を行なっています。でも、その無意識のなかには「こうしよう」という意欲や「こうであらねば」といった義務感などの思い込みがあるかもしれません。これらの思い込みは体の不調とつながっているケースがあります。このシリーズでは、体を効率的に使うアレクサンダーテクニークを実践している筆者が、痛みや違和感といった体の「負」とそれにまつわる思い込みについて、解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。8回目のテーマは「パソコン作業で肩が凝る」です。
パソコンに向かっていて肩が凝るのは画面を見ようとするから
仕事であれ、プライベートであれ、パソコンを使うのが当たり前になっている昨今。パソコンでの作業を長時間続けていると、体の様々なところに不調を感じることでしょう。中でも肩こりは最たる症状です。パソコン作業と肩こりは切っても切れない関係で、どうやら姿勢の悪さが原因のようです。でも、姿勢を正して作業を始めても、いつの間にか姿勢が崩れて肩が凝ってくるということもあると思います。
では、なぜパソコンに向かう姿勢は崩れてしまうのでしょう?
それはパソコンの画面を見ようという思いが影響していると考えます。画面に映っている内容をしっかり理解しようと、自分から見に行ってはいませんか?
見ようと思うと画面に自分を合わせてしまう
見ようという思いはパソコンの画面に自分を合わせて動くということと同義で、胴体を置いてけぼりにして顔を画面に近づけようとします。それによって首が詰まります。同時に体勢を保つため、肩を後ろへ引いて背中を反らせます。また、眼球をあまり動かさず凝視のまま、顔で対象物が視界に入るように調整している可能性もあります。そして無意識に首や背中を縮めて固め、首の一部や腰で動きを作ることになるのです。
これで画面の内容を読み込もうと凝視したり、スクロールに合わせて顔だけを動かしたりすれば、首から背中にかけての負担が増すのは当然のこと。首や背中が過剰に力んでしまうことが常となり、肩こりにつながります。
パソコン作業のポイントは見に行くのをやめて見えると思うこと
パソコンは私たちの仕事をスムーズに進めてくれる便利な道具。だから道具に自分を合わせるのではなく、自分に道具を合わせる方がいいではずです。そこで、“見よう”や“見に行こう”といった意欲的な行為をやめてみてはいかがでしょう。
見るという行為は眼球の表面で起こっているのではありません。私たちは眼球の表面を通って、眼球の奥に映るものを視覚としてとらえています。そして眼球の奥は思っているよりも頭蓋骨の中の方に位置しています。思い切って後頭部辺りを意識してもいいかもしれません。
下記のように思ってみてください。
1. 見えるもの(パソコンの画面の内容)が目に入ってくる
2. それを後頭部で受け取っている
3. 視界の範囲を変えるときは、眼球も自由に動ける
4. パソコンの画面と顔の距離を近づけるなら、骨盤で動きが起こり、画面が自分に近づいてくる(股関節の動きについてはこちらの記事もチェック!)
このように思いながら画面を見ると、見え方が変わると思います。「画面を自分に」から「自分に画面を合わせる」と思うことで、肩こりにも変化があることでしょう。
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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