【疲れが抜けない意外な原因】どうして疲れやすいの?日常生活に潜む思い込みと疲労の関係性
私たちは毎日を無意識に過ごし、何も考えずに様々な動作を行っています。でも、その無意識の動作には「こうであらねば」といった思い込みがあるのかもしれません。そしてその思い込みが、体のどこかに違和感や痛みを生じさせる要因になっているとしたらどうでしょう?体を効率的に使うアレクサンダーテクニークとヨガを実践者がこれまでの経験から解剖学的な視点を通して、違和感や痛みなどの体にまつわる「負」とそこにある思い込みについて考察します。
年を取ると疲れやすいと感じる要因は習慣的な思い込み
年を取るとなかなか疲労感が抜けないというのは、男女を問わず耳にする話ですね。特に女性は40〜50代辺りで「疲れやすい」と感じる人が多いようです。
どうして年と共に疲れやすくなるのでしょう?
私たちは様々な思い込みに支配され、その思い込みの通りに動くことがいつの間にか習慣になっています。例えば、立ったり座ったり歩いたりするだけでも「“良い”姿勢を心掛けよう」という思いがある人は多いでしょう。モノを持ち上げようとすれば「落とさないようにしなければいけない」と、自分で自分に注意をしていると思います。
このように、私たちの日常は「ちゃんと〜しよう」「〜でなければならない」といった思い込みで溢れているのです。
思い込みが気負いとなって体は過剰に力む
さて思い込みは、無意識のうちに体中の筋肉を過剰に収縮させ、本来必要としている以上の力を体に入れさせることになります。
「“良い”姿勢をしよう」とすることによって、肩甲骨を背中の中央に引き寄せれば、背中は過剰に緊張します。モノをち上げるときに「しっかり持たなきゃ」と思えば、脇をキュッと締めて、そこから持ち上げるということがよく起こります。
このように思い込みが気負いとなって、過剰に力ませ、気づかないうちに自分で疲労するように仕向けているのです。若い頃は「いつの間にか力んじゃってた」という程度で済みますが、年と共に積み重なり、体は力んだまま固まることが習慣化します。さらに筋肉も衰えてくるので、疲労感として顕著に感じるのでしょう。
過剰に力んでいる状態から抜け出す方法
では、力みから抜け出すにはどうしたらいいのでしょう?
過剰に力んでいるということは、様々な筋肉を収縮させて四肢や頭を胴体に向って引き込んでいるということです。でも、一部の筋肉を緩めようとしても、拮抗する筋肉が働いて、それまでとは違う部分が力むだけです。
そこで、おすすめしたいのが、思考から体を変えるイメージ方法です。
「脊椎は上に伸びる」
「頭は脊椎の先にあって、胴体から離れていく」
「腕は肘の方、指先の方に伸びていく」
「手は指先の方に伸びていく」
「脚は膝の方、足首の方へ伸びていく」
「足は足指の方へ伸びていく」
など、四肢や頭が体の中心から外へ広がっていくイメージをしてみましょう。そうすると、体を直立させるのに必要なインナーマッスルが必要な分だけ働き始めます。
意識的に体のことをイメージしてみる。それだけで習慣を変え、体を変えることが可能です。「疲れた」と思ったときに、是非試してみてください。
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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