「妊娠中の腹筋はNG」は勘違い?腰痛・尿もれ予防にも◎妊婦さんにおすすめのやさしい腹横筋エクサ
「お腹に赤ちゃんがいる時は腹筋をしてはいけない」と思っていませんか?実は、妊娠中こそ腹筋の働きがとても大切なのです。けれど妊娠前と全く同じ腹筋運動だと、お腹の赤ちゃんに負担がかかってしまうことも…。今回は妊婦さんにお勧めの腹筋エクササイズをご紹介します。
妊娠中も腹筋は必要だった!
筆者が初めて妊娠したのは26歳の時。「赤ちゃんがお腹にいる時に腹筋運動をすると、赤ちゃんがつぶれちゃうのでは…?」と思い込み、すっかりお腹の力を抜いて生活していました。すると、寝返りもできないくらいのひどい腰痛や尿もれ等のマイナートラブルに悩まされるようになってしまったのです。
確かに妊娠中にハードな腹筋運動を行うことは、腹部に過剰な圧がかかってしまうのでお勧めできません。けれど、妊娠中こそ腹部のインナーマッスルである腹横筋の働きがとても大切なのです。
妊娠中、腹横筋が弱くなると起きること
もし妊娠中、腹横筋の働きが弱くなると、どのような症状が出てくるのでしょうか?腹横筋の位置をイメージしながらチェックしてみてください。
腰痛
妊婦さんの腹横筋は、赤ちゃんを包んで安定させる腹巻きのような役割を担っています。腹横筋が適切に働かないと、お腹の赤ちゃんを支えることができません。その結果、腰に大きな負担がかかってしまい、腰痛の原因となるのです。
尿もれ
腹部のインナーユニットと呼ばれる横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋は、お互いに連動性があります。つまり腹横筋の働きが弱くなると、排泄のコントロールに関連する骨盤底筋の働きも弱まりやすく、その影響で尿もれを引き起こしてしまう可能性も考えられます。
出産への影響
出産方法は様々なケースがありますが、経腟分娩(いわゆる“下から産む”)場合、陣痛(子宮の収縮)の力、そこに腹横筋の働きも加わり、赤ちゃんは少しずつ出口へと押し出されていきます。スムーズな出産の為にも、腹横筋の働きはとても重要です。
妊婦さんにお勧めのやさしい腹横筋エクササイズ
腰痛や尿もれなどのマイナートラブルを改善し、よりスムーズなお産を迎えるために、やさしい腹横筋エクササイズに取り組んでいきましょう。ポイントは、お腹の内側の筋肉に意識を向けて、ゆっくり動くこと。お腹の筋肉で、赤ちゃんをやさしく背骨側に引き寄せるイメージで行ってみてください。
※妊娠中の運動は基本的に妊娠16週以降から、医師の許可を得て行ってください。体の痛みやお腹の張りがある場合、エクササイズをお休みしましょう。
やり方
①呼吸エクササイズ
2. 両手を下腹に添える/目線を落とす、または目を閉じる
3. 約1分間、ゆっくりと鼻呼吸を繰り返す
【ポイント】お腹の内側の筋肉に意識を向ける
②キャットアンドカウ
1. よつんばいになる
2. 呼吸に合わせて背骨を動かす(3~5セット)
・吐く時:背中を丸くする
・吸う時:背中を反らし伸ばす
【ポイント】赤ちゃんを背骨側に引き寄せるよう意識しながら行う
3. 正座に戻って呼吸を整える
③トラのポーズ(アレンジ)
1. よつんばいになる/足の指を立てる
2. 右脚を後ろに伸ばす/呼吸に合わせて脚をゆっくり上げ下げする
・吐く時:右脚を持ち上げる
・吸う時:右脚を下ろす
【ポイント】脚を持ち上げる時、お腹を床から離そうと意識する
3. 正座に戻って呼吸を整える
AUTHOR
のぐちかなこ
専業主婦からヨガ講師へ。大手ヨガスクールにて全米ヨガアライアンスの講義 (RYT200/RPYT85)及びヨガレッスンを年間1,000時間以上担当。2018年に独立し〈あんどYOGA〉を立ち上げる。現在もヨガインストラクターの養成に携わりながら、特に産前産後に関するヨガや新米ヨガインストラクターサポートに力を注いでいる。オンライン講座も多数開催中。プライベートでは三姉妹の母。あだ名はかーちゃん。
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