骨の密度減少をゆるやかにするための3本の柱と骨をつかさどる経絡ケア

 骨の密度減少をゆるやかにするための3本の柱と骨をつかさどる経絡ケア
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仁平美香
仁平美香
2022-12-08

男女ともに30代が骨量のピークでそこから徐々に骨量は減っていきますが、男性のゆるやかな減少にくらべて女性は急激な減少が起こる時期が訪れます。今回は骨を密度減少をゆるやかにするための3本の柱と、骨をつかさどる経絡ケアなどをお伝えしていきます。

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女性にだけ訪れる急激な骨量の減少

人の骨量は生まれてから徐々に増えていき、最大骨量は30代頃とされていて、その後、年齢とともに低下していきます。男女ともに、まだ骨が育っている段階の小中学生頃までは、骨折しやすい時期と言えますが、女性のみ50歳頃から更に骨折しやすい時期が訪れます。男性も、もちろん骨量は年齢とともに減少していきますが、ゆるやかに下降していくのに対して、女性は閉経後にがくんと骨量が減少し、ちょっとした刺激で骨折しやすくなります。

もともと女性は男性に比べて骨量が少ない傾向にありますが、大きな原因は、女性ホルモン(エストロゲン)と骨に深い関係があるためです。エストロゲンは、骨からカルシウムが流出するのを防ぎ、再び骨に戻す作用があります。ですので、女性は長い間、この女性ホルモンに守られてきました。しかし、閉経でエストロゲンが分泌されなくなると、骨密度が急激に減っていきます。閉経する年齢は個人差がありますが、平均で50歳頃で、カルシウムの吸収率も低下するので、閉経後の10年間で約20%の骨量の減少が起こります。

骨粗鬆症は骨の量が減ってスカスカになり、骨折しやすくなっている状態のことで、閉経後の女性の約60%にみられる症状です。特にやせ型で小柄な女性は低栄養の可能性も高く、体重が軽い分、骨に負荷がかかりにくく、骨が弱くなってしまうリスクが高いと言われています。骨がスカスカになってくると最初の頃は自覚症状はありませんが、背中や腰に圧迫感や痛みを感じるなどの症状が出てきます。他にも運動など身体を動かすことが苦手な方や、食べないダイエットなどをした経験ある方、喫煙や骨折の経験がある方も、骨密度が下がるリスクが高いので、今から、できることから骨の健康を考えてみましょう。

骨を強くする3つの柱

骨がスカスカになってから強くするのはなかなか大変です。特に閉経後は何もしないと減っていくので、弱くならないよう維持できるだけも優秀と言えます。骨量の減少をゆるやかにして骨の健康を保つ3つの柱は、食事・運動・日光です。加えて、たばこを吸っている方は、たばこに含まれる成分がカルシウムの吸収を阻害してしまうため、禁煙をすることもおすすめしたいです。

食事

・小魚(煮干し、しらす、ちりめんじゃこ、さくらえび)や海藻(ひじき、わかめ、こんぶ)を毎日の食事に加えて、カルシウムをとりましょう。日本人は牛乳が体質に合わない方も多いのでヨーグルトやチーズなど体質に合うものを選んで取り入れるのも〇

・魚、牛、レバー、バター、卵黄、干ししいたけなどに含まれるビタミンDを一緒にとることでカルシウムの吸収UP

・カフェインやタンニンをとりすぎない(エナジードリンク、コーヒー、緑茶など)※前回のセロトニンとPMSのお話の回でもお話しましたが、取りすぎるとカルシウムの吸収を阻害してしまうため、1日1杯までにしたり、カフェインレスコーヒーなどを選んでみましょう。

日光浴

紫外線にあたると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが作られます。もちろん、女性ホルモンの影響が一番大きいですが、女性は日光を避ける傾向にあるので骨が男性に比べて弱くなりやすい原因のひとつ。日傘に全身日焼け止めで紫外線ブロックではビタミンDが作られません。特に、動物性たんぱく質を食べないビーガンの方はビタミンDやカルシムが不足しやすいので、日光浴の習慣を作りましょう。とはいえ、お肌も守りたい気持ちもわかりますし、わたしも顔は日焼け止めを手放せません。腕や足など、日によって場所をかえて、どこか少しでも日焼け止めは塗らずに日にあたるようにしてみましょう。

運動

まずは激しすぎない、疲れない程度の運動が〇 骨に刺激が入る動きは骨が作られやすくなるのでウォーキングよりも、ごくゆっくりでもジョギングの方が骨量UPのためには〇 なわとびもおすすめです。ただ、ジャンプしないと効果が0なわけではなく、関節を大きく動かせば、骨に多少刺激は入りますので、ヨガなどで体をしなやかに動かしたり、ウォーキングの際も手を大きく振ってやや大きなストライドで歩くのはプラスになります。ヨガやウォーキングの場合は、軽くその場でジャンプをするエクササイズを+すると◎ 50代以降の女性の6割は骨が弱くなっている可能性があり、ちょっとした転倒でも骨折のリスクがあるので、転倒リスクの高い難易度の高いポーズなどに挑戦する際は、筋力やバランス感覚など、自分に準備ができているか、指導者の指示をしっかり聞いて無理をしないことが大切です。

骨をつかさどる経絡もケアしよう

東洋医学の経絡の考え方では、寒い時期に腎・膀胱に関する経絡が病みやすい時期とされています。この経絡がつかさどる器官が「骨」です。腎・膀胱経絡ケアとしては足裏湧泉(ゆうせん 足裏の上部にあるくぼみ)にお灸をしたり、軽く押圧を加えるなどのセルフケアと、ヨガポーズでは、前屈など体の背面を伸ばすポーズがおすすめです。腎・膀胱経を補う食材は栗や大豆、豚などですので、3本柱の食事のところにこれらの食材もプラスしてみましょう。

日照時間が短くなって、これから寒さが本格化してきますね。寒い時期こそ、外に出かけ、しっかり食べて、体を動かす習慣をつけて、骨の健康を守っていきたいですね。

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仁平美香

仁平美香

WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。



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