【ためになるヨガ解剖学】理学療法士が解説!「猫背」のチェック法と改善ワーク
ヨガレッスンでよく耳にする体の疑問や俗説を、理学療法士・中村尚人先生が解剖学の観点からわかりやすく解説。何気なく使っていたあの言葉の、正しい意味が学べます。
Q.巻き肩です…ポーズでは肩を引くことを意識しています
A.肩の位置は背骨と連動しています
肩が巻いているのではなく猫背になっているのかも?
”肩を引く”のではなく胸椎を伸展させるのが正解!
そもそも、巻き肩とはどういう状態をいうのでしょう?中村先生によれば、「巻き肩という言葉は医学用語にはありません。おそらく、肩が過剰に前にある状態をそう呼んでいるのでしょう。だとすれば、その原因は肩ではなく背骨。肩が過剰に前になっていると感じたときは、きっと背中も丸まっているはずです」。肩は常に背骨と連動しています。したがって、土台である背骨が丸く(猫背に)なれば、その分、肩も前に出てきてしまうのです。
「猫背が原因なので、胸椎を伸ばすことで解決できます」
ということで、まずは猫背チェックから!疑いがあれば、胸椎を伸展させるワークを行いましょう。猫背でない場合も、このワークを行うことで胸部の動きがよくなります。ヴィーラバッドラーサナⅡのような胸を開くポーズをいちだんと深めることができます。
正しい肩の位置とは?
正しい肩の位置は…手を下ろすと自然に太腿前にくる
背骨がニュートラルなら肩は正しい位置にくる。真横から見ると、肩は耳の位置より少し前で背中が見える。手を下ろすと自然に太腿の前にくる。
NG:無理に肩だけ引くと…
肩だけを後ろに引こうとすると、「気をつけ」のような姿勢に。肩や肘に力が入り、呼吸も苦しい。横から見たとき背中が見えない。
猫背かどうかチェックしてみよう
壁に背中をつけて立ち、両手をバンザイ。手が壁につけばOK。つかないと猫背の可能性が。下のワークで胸を開こう。
猫背でない場合
猫背の場合
WORK ”胸椎を伸展させて猫背を改善”
猫背が原因で肩が前に出すぎている場合は、胸椎を伸展させて解消しよう。両手を後頭部にあて、胸を引き上げていく。脊柱がニュートラルになり、そのまま腕を下ろすと肩も正しい位置に戻る。
BEFORE
胸を開くと
肩が正しい位置に
ポーズに応用
ヴィーラバッドラーサナⅡが深まる
このポーズは、胸椎を伸展させることが大切。それには、腕を横から上げるのではなく、下ろした両手を内回しにして頭の上まで持っていき、胸を引き上げる。
そこから両手を横に下ろすことで手が後ろまで伸びていく。胸椎も伸展しているので、胸もすんなりと開く。反対も。
NG:下から横に手を上げただけだと、胸椎が伸展しないので、肩が前に出てしまう。
教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士・ヨガインストラクター。UTLにて長年ヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKT EIGHT」主宰。
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