更年期?ストレス?突然起こる「胃の不調」の原因は?管理栄養士が実践する食材と食べ方
胃炎の主な原因は、強いストレス、飲み過ぎ食べ過ぎ、不規則な生活、喫煙。もちろんピロリ菌に感染しているという場合もあります。さらに、自律神経の乱れやすい更年期に入って悩む方も多いのではないでしょうか。コロナや異常気象など、ストレスが増え続ける現代は誰もがリスクを抱える時代。だからこそ、胃を労わる食べ方を覚えて自分の胃をいわたってあげましょう。
「胃の調子が悪くなる」のは自律神経の乱れ
胃の働きや胃液の分泌は、自律神経によってコントロールされています。胃粘膜を守る粘液と胃酸などの消化液とのバランスをとることで胃の健康を守っています。ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れます。交感神経が優位になり胃の粘液の分泌が減少。胃酸が押し寄せることで胃壁が炎症を起こして胃炎になります。
胃を労わる4つの食材
1・キャベツ
キャベツに含まれるビタミンU(別名キャベジン)は胃腸を丈夫にする働きがあります。また、抗酸化作用、抗炎症作用の期待できるイソチアシアネートが豊富に含まれます。
2・大根
大豆に含まれる消化酵素のジアスターゼが消化を助けてくれます。熱に弱く、空気に触れることで生成されるので「大根おろし」がベター。
3・そば
血管を強化するルテインを豊富に含みます。特に「苦そば」と言われる韃靼そばはルテインが豊富。水に溶ける性質があるので、そばを茹でた後のそば湯、そば茶なども優秀。
4・果物
ストレスに対する抵抗力を高めるビタミンCは必須。りんごなどビタミンCが豊富で酸味が強すぎない果物を。みかんなどの柑橘系果物には胃膜を守るヘスペジリンを含みます。
胃の負担を減らす5つのポイント
1・食物繊維が多い食品を控える
たけのこ、きのこ、かぼちゃ、海藻類など食物繊維が多い食材は、消化に負担がかかります。ダイエットや生活習慣病予防には優れた健康食品ですが、胃には負担になり、腸が弱い人は便秘の原因にも。痛みが治まるまでは控えたほうが無難。
2・脂肪が多い食品を控える
特に肉類よりも、白身魚やささみ、絹ごし豆腐などがおすすめ
3・食材は小さく、柔らかく
食材は小さく、柔らかくすることで、消化が早くなります。野菜なら繊維を小さく切って柔らかく煮込んだり、すりつぶしたポタージュなどに。肉や魚は火を通しすぎると固くなって消化が悪くなるので加熱しすぎないこと。
4・胃酸の分泌を高める刺激物は避ける
激辛香辛料・甘味が強いもの・塩辛いもの・アルコール、濃いコーヒー、炭酸などは控えましょう。
5・熱すぎる、冷たすぎるものは飲まない
どちらも胃には刺激になります。人肌程度が最も優しい温度。
胃の不調は規則正しい生活の乱れも原因になります。また、胃が弱っているときにダイエットや美容に良いからと、食物繊維やたんぱく質などが多い食材を大量に摂取すると胃がオーバーワークになってしまいます。頑張りすぎにも注意が必要。
痛みの症状がひどい時は、1日3食無理して食べず「とにかく胃を休ませること」も重要です。その際も、白湯など、できるだけ刺激のない水分だけは欠かさず摂取するように心がけて胃の負担をとにかく軽くしてあげましょう。
AUTHOR
松田 真紀
1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。
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