更年期の雨ダル&春ダルをラクにするのは「亜鉛・マグネシウム・ビタミンB」!管理栄養士おすすめ食材
春は雨が増える季節。雨が降る日や、雨が降る前の日は決まって頭が痛い、身体がだるい、という経験はありませんか?自律神経の乱れやす更年期になると症状を感じやすくなります。頭痛薬が手放せないこともしばしばですが、できれば食で和らげたいもの。そこで管理栄養士がおすすめの「栄養素ベスト3」と食材をご紹介!
雨の日の謎の体調不調、更年期になるとさらにつらくなる
「雨ダル」の症状は人それぞれ。意味もなく寝込んでしまって起きれなくなったり、頭が痛くなることもあれば、めまいや耳鳴りがする人もいます。移ろいやすい春は雨が増える季節でもあります。更年期には症状が辛くなるという方も多いですね。私もそのひとり。体質をすぐに変えることは難しいからこそ、できれば薬を使わずに食で和らげて上手に自分と付き合っていきたいですよね。
「やる気がでない」のは気持ちが弱いからじゃない
春はただでさえ朝晩の「気温」の差が大きく、雨が降ることで「湿度」「気圧」という自律神経を乱す3つのストレス要素が揃ってしまうからです。ストレスによって交感神経が優位となり、自律神経のバランスが乱れ、不調につながってしまうのです。さらにストレス時代になり、今や20代以上の4人に1人ともいわれている現代病のひとつ。更年期だけの悩みでもありませんから自分を責めることもありません。温暖化の影響で季節外れの豪雨など自然災害が増えるなか、私たちの生活の中での天気ストレス対策は必要となってくるでしょう。
更年期になると「ダルさ」がよりツラくなる理由
「雨ダル」の原因、交感神経が高まることで起こる自律神経の乱れ。理由は2つあります。通常、交感神経は何らかのストレスを受けることで高まります。交感神経が活発になると血管が縮小して血行が悪くなりそれが痛みにつながります。そもそも雨ダルさん、更年期の不調を抱える人は、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性痛自体がストレス因子。痛みを繰り返すことがストレスになり、それがどんどん重なり、交感神経を優位な状態が続いて、血行不良で酸素や栄養が行き渡らなくなり、これが頭痛などの痛みを引き起こす物質が発生させます。そこに気圧というストレスが加わることで一気い血行が悪化し痛みを増進させ、ますます交感神経が高まって…というスパイラルに陥ってしまうのです。これが1つ目の理由。
もう一つは、交感神経の痛みによる興奮が痛みの神経に直接作用すること。更年期になると増加する、加齢による関節や膝痛などの慢性痛がある場合、痛みの神経にアドレナリン受容体が発生し交感神経の興奮が直接伝わって痛みを強く感じてしまい、更なるスパイラルにつながることも。
ダルさを和らげたい人に特におすすめ!栄養素「亜鉛・マグネシウム・ビタミンB 」
特に更年期に起きやすい「雨ダル」は、受け入れながら上手に付き合っていきたいですよね。無理せずラクになるために、毎日の食でもできることがあります。
鉄分
低血圧の人は気圧のダメージを受けやすく、頭痛になりやすいです。吸収効率の良い、動物性の「ヘム鉄」の摂取がおすすめ。植物性ならレモンやゆずなどの柑橘果物を一緒に食べるのがおすすめ。ビタミンCが吸収率をアップしてくれます。
おすすめ食材:アサリ、しじみ、レバー、卵、小松菜
特に慢性的なストレスによって更年期に不足しやすいのが以下の3つ。積極的に食べましょう。
ビタミンB群
体全体の代謝を高め、神経細胞に働きかけて貧血予防に。代謝アップにはB1・B2、造血ビタミンのB12も補いたい。「豚キムチ」ネギやニラに含まれるアリシンがビタミンBの効果をアップ。キムチの唐辛子に含まれるカプサイシン体を温めます。
おすすめの食材:豚肉、玄米、うなぎ、大豆、ピーナッツ、アーモンド、たらこ
亜鉛
脳内のドーパミンの分泌を促進。不足するとやる気がなくなったり気持ちが晴れない「雨ダル」うつになりやすいです。動物性食品や豆、ナッツ類に豊富。色の濃い野菜や柑橘類と一緒に食べましょう。ビタミンCが摂取でき吸収効率アップ。牡蠣やステーキはレモンを絞って!卵はプレーンより野菜たっぷりのオムレツでどうぞ。
おすすめ食材:牡蠣、牛肉、卵、大豆、アーモンド、胡麻
マグネシウム
交感神経の興奮を抑える働き。不足すると睡眠のリズムが乱れ、更年期のメンタルによくない影響が。大豆製品や海藻類に豊富。効率アップにはビタミンA、ビタミンCが有効。納豆や豆腐などには刻みネギをたっぷりどうぞ。
ビタミンA豊富な鶏肉と豆腐で鶏団子や鍋などにしてもGOOD!海藻類はビタミンCがもともと含まれていて、一緒に摂取できる効率の良い食材です!
おすすめ食材:納豆、油揚げ、豆腐、海藻
大切なのは自律神経を整えること。冷やさない、少量ずつ、そして「こまめ」に
基本は「自律神経を整えること」です。そのためには、ストレスにつながる体を冷やさないこと。特に女性は冷えによるストレス耐性が低いのでご注意。
そして、一度に食べず、少量ずつでも毎日の食に取り入れてこまめに食べること。なぜかと言うと、どの栄養素も「蓄積ができない」からです。
例えば、朝の定番で卵かけご飯やシジミのインスタント味噌汁、ネギたっぷりの納豆で、鉄分、マグネシウム、亜鉛などがカバーできます。間食にアーモンドやナッツを食べたり、ヨーグルトに胡麻やきな粉をプラスするだけでもOK。無理のない習慣を探してみてくださいね。
AUTHOR
松田 真紀
1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。
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