【バランスボールで腰痛をラクラク解消】理学療法士が解説!腰痛に効く「4つの基本エクササイズ」
腰痛に効くバランスボール運動
バランスボールには身長にあったサイズがあります。空気の入れ具合で多少は調節できます。夫婦や親子で20cmほどまでの身長差なら、共有可能だと思います。
バランスボールに座った基本姿勢は、
・両膝が90度に曲がる高さ
・両足と両膝は腰幅
・骨盤を立てて背筋を伸ばす
・足裏をきちんと床につける
この状態がベストです。バランスボールを用いた腰痛のためのエクササイズはたくさん考えられますが、今回は4つ紹介します。
脊柱の屈曲と伸展
基本姿勢から、息を吸って骨盤を前に傾けながら背中を反らせます。
そこから息を吐いて骨盤を後ろへと傾けて背中を丸めます。
この前後の動きを10回繰り返します。
脊柱の側屈
基本姿勢で両手を頭の後ろで組み、一度息を吸って、息を吐きながら上体を右に傾けます。
そこから息を吸って中央に上体を戻し、吐きながら上体を左へ傾けます。
この左右に倒す動きを10回繰り返します。
脊柱の回旋
基本姿勢で両手を頭の後ろで組み、一度息を吸って、息を吐きながら上体を右に捻ります。
そこから息を吸って中央に上体を戻し、吐きながら上体を左へ捻ります。
この左右に捻る動きを10回繰り返します。動いている最中は、背筋を常に長く保持し、膝の幅も足の幅も腰幅に保ったままです。そして足裏も床についた状態です。可能な限りゆっくり大きく動かしましょう。
「簡単にできてしまう」という人は、この3つのエクササイズを、片脚を地面から5cmほど浮かせたままで行ってみてください。バランス制御が難しくなるので、より効果が上がります。できたら逆の足でも行います。
脊柱の伸長
基本姿勢から、両足を一歩ずつ前に50cmほど歩かせて、ボールの上に仰向けになります。足裏は床につけて、背中の真下にボールがきます。
そこから、息を吐いて両膝をゆっくり曲げて、しゃがむように一度膝とお腹を近づけます。
吸いながら両膝を伸ばして、ボールの上で転がりながら大きく伸びをするように両脚と上体を伸ばします。両手はバンザイしましょう。4つのエクササイズはそれぞれ10回行いましょう。
シンプルなエクササイズですが、実はこれで、
・脊柱の全ての運動方向(屈曲・伸展・側屈・回旋)
・骨盤の全ての運動方向(前傾・後傾・挙上・下制)
・脊柱の伸長
をきちんと取り入れているため、正しく丁寧に継続して行えば、腰痛の緩和が期待できるはずです。
まとめ
バランスボールはもともとは医療用に使われていたため、腰痛に対する効果は充分期待できます。「家にはあるけどホコリを被っている」「イス代わりに時々座っているけど何も効果ない気がする」なんて人がいたら、バランスボールに座ってまずはこのエクササイズをやってみてください。
バランスボール上であえて不安定な状態を作り、身体のバランスを微妙に変化させることによって、それを整えようと腹横筋などのインナーマッスルの働きが活性化するのです。その腹横筋を始めとしたインナーマッスルが、腰痛改善のためにとても重要な筋肉なのです。
参考:
中尾浩之「よくわかる腰痛症の原因と治し方」秀和システム,2016
ギムニク ボールトレーニング.com「バランスボールについて」 http://www.ball-training.com/cont/index.html
wikipedia「バランスボール」
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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