【誰も語らない毒素排出システム】ヨガは本当にデトックスできるの？毒素はどうやったら排出できる？

誰もが経験したことがあるでしょう。ツイストや、汗をかくような難しいヨガの練習を深くしているとき、ティーチャーは、ツイストや体を温めることで体内の毒素が放出されると心強い言葉をかけてくれます。

しかし、ヨガは実際のところ、体のデトックスに役立つのでしょうか？ 

答えは簡単：それはわかりません。

「ヨガのインストラクターは、ツイストやその他のポーズが（デトックスに）役立つかもしれない、と時々言いますが、それには科学的根拠がありません」と、マサチューセッツ・ローエル大学の研究者で、慢性疾患の予防と治療における身体活動とヨガの利点について研究するヘルプリート・ティンド博士（及び公衆衛生学修士）は述べています。

ツイストして毒素を出すことができる？

アルダマッツェーンドラーサナ（半分の魚の王のポーズ）のようなヨガのツイストポーズがデトックスにつながるという考えは、B.K.S.アイアンガーが広め、彼は「スクイーズ＆ソーク（絞って溶かす）」の作用を説明しています。アイアンガーによると、ツイスト中は腹部の臓器が圧迫され、毒素を含んだ血液が押し出されるそうです。ツイストを解放すると、新鮮な酸素を含んだ血液が臓器に流れ込み、組織の治癒と浄化を助けると考えられています。(同じように、前屈のポーズも腹部の臓器を圧迫するので、これらのポーズも同じような効果をもたらす可能性があります）。

この考え方は合理的に聞こえますが、ティンド博士は、それを裏付ける証拠はほとんどないと言います。

定期的な練習で筋肉の柔軟性が高まることを参照し、「これらのポーズには利点がある」とティンド博士は言い足します。「しかし、アイアンガーが説明するような恩恵は身体にもたらされていないかもしれません。ツイストや倒立が実際に内臓を刺激しているかどうかはわかりません」。

ヨガメディスンの創始者ティファニー・クルックシャンクさんは、ツイストが実際に毒素や老廃物の排泄をどの程度刺激するのか、科学ではまだ解明されていないことに同意しています。しかし、ツイストや前屈で起こる消化器官や排泄器官への刺激には、まだ利点があるとクルックシャンクさんは説明します。この作用は、日本の伝統的な腹部の指圧「按腹（あんぷく）」で行われるものと似ており、まさに同じ器官を刺激することを目的としていると、クルックシャンクさんは説明しています。

汗を掻くとどうなる？

デトックスを促すとよく言われるヨガのもう一つの側面がヒート（熱）です。パワーヨガやホットヨガのクラスでは、約29度から40度の熱を外側から受けることもありますし、スーリヤ・ナマスカーラA（太陽礼拝A）を一通り行うと体内に熱が生まれます。

デトックス理論の理屈は、熱で汗を掻き、その汗で毒素を体外に出すというものです。実際、ヒ素、カドミウム、鉛、水銀などの重金属は、汗で体外に排出されるという研究結果もあります。この経路は、これらの毒素に多くさらされている人ほど効果的であることが研究で示されています。

しかし、また別の研究によると、発汗によって排出される老廃物や毒素の量は、腎臓や腸から排出される量と比較すると微々たるものであることが分かっています。汗をたくさんかいても、細胞から毒素が排出されるとは限らず、むしろ害になる可能性もあるのです。汗をかくと、水分だけでなく、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも失われます。水分だけでなく、これらのミネラルも補給しなければ、体に影響を及ぼす可能性があります。

ヨガで肝臓をデトックスできる？

皮膚、腎臓、腸に加えて、肝臓も毒素を老廃物に変えて体外に排泄するデトックスに大きな役割を担っています。健康であれば、肝臓は非常に効率的に解毒を行います。ツイストや前屈、過剰な熱を加えなくても、肝臓はこの働きをすることができるのです。

しかしながら、「体が正常に機能するためには、体を動かすことが必要です」とティンド博士は言います。「だから、他の運動と同じように、ヨガも私たちの体が正常な機能を果たすのを助けることができるのです」。