ヨガがストレスやメンタルヘルスに効く理由って?|心の専門家・臨床心理士が解説

 ヨガがストレスやメンタルヘルスに効く理由って?|心の専門家・臨床心理士が解説
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南 舞
南 舞
2021-10-12
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臨床心理士がすすめる、ヨガの効果的な練習方法とは?

ヨガがストレスやメンタル疾患の予防に効果的なのであれば、ぜひ積極的に取り入れたいですし、やるならより効果的な練習をしたいですよね。そこで、どんなことを意識しながら練習すると良いのかポイントをお伝えします。

アーサナだけでなく、呼吸法や瞑想の時間も取り入れる

ヨガの練習というと、アーサナ(ポーズ)がメインになりがちですが、呼吸法や瞑想の時間も必ず組み込むようにしましょう。ヨガの本当の目的は、【瞑想しやすい状態を作ること】であり、アーサナはその一部です。アーサナによって身体をほぐし、緩めることで、瞑想するのに快適な安楽座を組みやすい状態になっています。練習を始める前よりもきっと、呼吸が通りやすく、静かで穏やかな時間を過ごしやすくなっているはずです。また、ヨガのアーサナプラーナヤーマは、身体への気づき(内受容感覚)をもたらします。そして内受容感覚は自律神経系に働きかけ、思考と神経に変化を起こすため、脳が鍛えられ、自己調節力が改善されると言われています。

『今、ここ』を意識した練習を

ヨガの練習をする時は、『今、ここ』で起きている自分の身体の様子や心の動きを意識して行いましょう。いわゆる【マインドフルネス】と呼ばれる状態を作り出すためのプロセスですが、マインドフルネス状態は、私たちの中にある注意力を高めてくれるのに役立ちます。注意力が高まると、神経系が調節され、ホメオスタシス(恒常性)が働きやすい状態になるので、ストレスフルなことがあっても心身の健康を保つことができます。

 ジャッジをしない

自分の練習に良い、悪いなどの評価を付けないようにしましょう。私たちの心の健康を乱す要因のひとつが【白黒思考】【0か100か思考】などと呼ばれるものです。ヨガの練習の中で『このアーサナができたから、次はもっと難しいことをしなければ!』とか『瞑想できていない自分はだめだ』といった評価をし続けていると、息苦しくなっていまします。せっかく健康のために行っているヨガをする意味が持てなくなってしまいますよね。自分にとって納得いってもいかなくても、『今日はこんな感じだったな』と事実を受け止めるようにしましょう。

身体の健康だけでなく、心の健康にも役立つヨガ。周囲と比較したり、『これをしなければ』ということにこだわりすぎず、ぜひ自分のペースを大切に行ってみてくださいね。

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南 舞

南 舞

公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。



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